舞台を栗谷女学園から森の中の洋館に移してのシリーズ異色作
今シリーズでは舞台が外界から隔離された森の中の洋館。
これまでのシリーズが全て栗谷女学園を舞台にしていたので、違和感はありますが、
百合モノらしい雰囲気はよく出ていると思います。
シリーズ物としては舞台が同じという方が一貫性があっていいのかもしれませんが、
マンネリ化を防ぐためにも、たまには舞台を変えてみるのもアリかもですね。
あらすじは、ロシアのアナスタシア伝説の謎を求めて旅してきた文緒が、
迷い込んだ森の中で玲奈とパトラという2人の少女が住む洋館に辿り着き、
館に滞在するうちに隠された玲奈の秘密に近づいていく……というもの。
これまでは基本的に女の子同士の恋愛関係のみを描いていたのに対し、
今回は舞台同様ちょっとミステリアスな雰囲気の話になっています。
構成も前作のような各ヒロイン視点でのシナリオ構成ではなく、
一般的な一本のストーリーの中でエンディング分岐するというもの。
今回は珍しくバッドエンド的な位置付けのエンディングもありますが、
最終的に分岐するエンディングは2つともハッピー系になっているので、
最後の最後で後味の悪い思いをするということはありません。
この2本のエンディング、それぞれ展開こそガラッと変わりますが、
どちらのエンディングにも味があって良かったと思います。
次にエロに関してですが、回想数は全部で20。
なんというか、全体的におしっこ要素が強めという印象です。
ヒロインの造形がロリっぽくなっているのも、その原因なのでしょうか。
普通の放尿シーンだけでなく、エッチシーン中でのお漏らしも多く、
また、意図的におしっこを浴びせるというシーンもありました。
そのため、俗に言う「尿ゲー」が好きな人にはいいかもしれませんね。
これまでのシリーズではSM系のシチュが多かったような気がしましたが、
今回はそういうシチュは少なく、あってもお尻をぶつという程度。
館の主人とメイドという関係上、シチュもハードな感じに偏ると思っていたので、
個人的にはエロ的な部分では少々予想と違っていたかなと。
できれば舞台設定を活かした妖しさがエロにも欲しかった気はします。
さて、以上のようにシナリオ的にもエロ的にも雰囲気を変えてきたこの作品。
エロに関してはシチュ的な部分でやや物足りなさを感じたものの、
その分ストーリーはこれまで以上に凝っていたように思われます。
まあ、凝っているといっても、あくまで低価格の範囲内で……ですけどね。
前作も心理描写にスポットを当てるという意味では凝っていましたが、
本作の方が、より純粋にストーリーを楽しむことが出来て好みでした