新堂真弓にめろめろキュート
新堂真弓プロデュースという話題性には惹かれつつも、あまり期待はしていなかった。
というのも「ドラクリウス」「残暑お見舞い申し上げます」ではシナリオに藤崎竜太が関わっていたが、
本作については前作で個人的にあまり面白いと感じなかった個別担当ののがみ氏がメインライター。
音楽をメインにした設定だけは発売前から面白そうだと思ってはいたが、
上記のような理由もあり期待は低かったというのが正直なところ。
しかし話題性もさることながら、内容も思ったほどには悪くない出来だった。
というのも、サンプルの音楽を編集して曲を作るというアイディアがまず面白い。
編集した音楽によって歌詞も変わってくるあたり、かなりこだわりを感じる。
また、シナリオの方もご都合主義満載、突っ込みどころ満載のサクセスストーリーではあるものの、
個別などもそれなりにしっかり作られており、全然ダメというほどのころもない。
さて、その個別シナリオなのだが、攻略ヒロインによって展開がガラッと変わる。
以下個別シナリオ感想
響…ヒロインが過去に所属していた事務所との対立をメインに描かれている。
NALが成功するまではトントン拍子すぎてあまり面白くない展開だが、
その後の盗作疑惑などといった話はそこそこ楽しめる。
ただ、ロック活動をしているギタリスト…な割には楽曲が全然それっぽくない。
綾音…主人公との過去の話や、ヒロインの音楽に対する考え方の変化が話の中心。
クラシック以外音楽として認めないというヒロインの考えで、最初から壁にぶつかるため、
話の展開としてはこのルートがいちばん面白かった。
音楽の方では、細井総司作曲による楽曲が聴けてしまうのが嬉しい。
おんぷ…引きこもり少女のヒロインとフォローする主人公の関係がメイン。
ヒロインもヒロインでダメなのだが、それに加え主人公までダメなシナリオで、
主人公が全くプロデューサーとしての仕事をしていない気が。
ヒロインのキャラは良かったが、シナリオとしてはいまひとつ合わなかった。
鳴…メインヒロインであるNALの成功までの活動と、ご法度である恋愛が描かれる。
他の事務所からの嫌がらせなどあるものの、展開としてはそう面白くはない。
ただし、他ヒロインも話にちゃんと絡んでくるの点は良かった。
とりあえずラストは綺麗にまとめているので、攻略するのは最後がベスト。
千歌…あまりにウザすぎて全く攻略する気になれなかった。
恋姫無双然り、楠さんのはわわキャラはどうも個人的に合わない……
やっぱこの人は熟女系がベストかと。
まぁ、絶対にあり得ないような展開目白押しなので、ひとつひとつ突っ込み始めたらキリがない。
あまり深く考えずに、こういうご都合主義だと割り切ってプレイするべき。
総評としては、とにかくシナリオ云々は全て丸投げして、新堂真弓嬢にお疲れ様と言いたくなる作品。
出来の良し悪しは別にして、かなり多くの歌詞を書き、それを自ら歌っているなど、
声優としての活動とはまた別に、拍手を贈りたくなるような頑張りが印象深く、
この作品をプレイして、より一層新堂真弓嬢のファンになった。
音楽に関しても辛辣な評価もあるかもしれないが、それはさすがに酷というもの。
個人的にはこういう作品もたまにはアリだなと思わせてくれる内容だった。