誇りは失われた
前作から丸3年の時を経て遂に発売された今作は、FDということもあり、シナリオはほどほどに抑えて前作で一歩及ばなかったイチャラブ方面を重視していたように思う。
2作の間で経過した作中時間よりも、前作をプレイした私たちが今作を待ちわびた時間の方が長くなってしまったが、適度にストーリーを振り返りながら進行してくれるので、内容が頭から抜け落ちていても楽しめる作りになっていたのは良かった。
しかし私が今作に望んでいたものが満たされることは無かった。
千桃には他作品を大きく凌駕するアドバンテージがあるのだが、オーガストはそれをみすみす捨ててしまったのだ。
それは「パンモロ」である。
詳しいことは私の前作の感想をご参照いただきたい。(次行URL先)
https://erogamescape.dyndns.org/~ap2/ero/toukei_kaiseki/memo.php?game=20967&uid=downer
前作での翡翠帝のパンモロは、長らくパンチラ派でありパンモロを見下していた私の愚かなる価値観を塗り替えた珠玉の逸品であった。
そのために此度はどのように魅せてくれるのかと期待に胸を躍らせていた。しかし結果としてパンモロは描かれなかった。いいや、パンチラすらも無かったのだ。
翡翠帝の衣装は上半身はある程度隠れているものの、下半身はほぼ裸といっても差し支えないほどの露出度で、パンツの紐の先端が見え隠れする粋なものだったがその紐さえも見せてはくれなかった。
翡翠帝という人物のことを理解しつくし世界で最も美しく尊いパンモロを見せてくれたオーガスト自身が彼女の想いを否定したことを心より悲しく思う。
ソシャゲにかまける日々を過ごすうちに彼らは人の心を失ってしまったのだろうか。
人の夢と書いて儚いとはよく言ったもので、私が恋焦がれたパンモロは、翡翠帝が兄を想い祈りを捧げた際のあの美しい覚悟によって出会えたパンモロは、その想いが受け継がれるべきFDにおいて、パンツを一度も穿かない、見せてくれないという悲しい結果の中に儚くも消えてしまった。