伏線は完全に回収される。綺麗にまとまった小品。
とりあえず物語の謎解きだけ書きます。
根拠は(作中にちゃんとあるんですが)あまり提示せずに結論だけザックリ書きます。ご了解下さい。
・登場人物の整理
主人公:正体は「けいすけ」。ギターが趣味。春香と千夏とは義理のきょうだい。1年前の夏に交通事故に遭い長期記憶を失う。ちなみに名前入力画面で「けいすけ」と入力すると姉妹が驚くシーンが挿入される。
けいすけ:2年前の良輔の葬式で姉妹に会い、春香と付き合う。1年前の夏に交通事故に遭い長期記憶を失う。父良輔と容姿が瓜二つでギターが趣味なのも同じ。ちなみに春香とはヤっている(夢の中の春香と3Pの時の春香とでほくろの位置が同じため、単なる妄想ではないとわかる)。長髪だったがバイトのため髪を切った。
千鶴:主人公の母。良輔の前妻。葬式で「けいすけ」と一緒にいて秋子に挨拶したり、回想シーンで病院の待合室にいたり、エンディングの写真の中にいたりした女性である。近隣の学校で音楽教師をやっており、作中の時間軸ではコンクールで最優秀賞を取った部員をオーストリアへ引率している。
良輔:故人。「けいすけ」の実父であり姉妹の父である(実父か義父かは不明)。モテる男で悪くいう人もいたらしい(千鶴と離婚した辺りが関係しているか)。ギターの先生(学校教師であるかは不明)をやっていた。2年前に心筋梗塞で死亡したが、その葬式で「けいすけ」と姉妹が出会うことになる。
秋子:良輔の後妻。姉妹の母。千鶴が旅行中「けいすけ」の面倒を見る約束をしたと思われる。電話の内容から千鶴とは(おそらく良輔絡みで)不仲だった時期があったようだ。「けいすけ」のことをあまり知らなかったので、それほど接点はなかったと思われる。けいすけを「けいちゃん」と呼んでいた。
春香:2年前の父の葬式で「けいすけ」と知り合い、1年半前の冬には「けいすけ」と恋仲になっていた。父良輔の勧めでフルートを習い上達した。
千夏:OPの電話の相手は彼女である。父良輔にピアノを勧められたが上達しなかった。漫画が得意、料理は下手、容姿が瓜二つなど母秋子によく似ている。劇中の描写から、主人公と初対面を装って一緒に暮らすのは彼女の発案だったと思われる。
・タイムチャート
良輔、千鶴、となりの家のおじさんは同じ合奏団にいた
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良輔、千鶴が結婚し「けいすけ」を生む
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(けいすけが子供の頃、既に良輔と千鶴は離婚していた)
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良輔と秋子が再婚
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2年前、良輔が心筋梗塞で死亡。姉妹と「けいすけ」が出会う
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1年前の夏、「けいすけ」が交通事故に遭い長期記憶を失う
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千鶴が部員の引率でオーストリアへ
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秋子が1日滞在(本編)
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姉妹が滞在(本編)
・Q&A
Q:主人公モテすぎじゃね?
A:秋子は主人公が亡夫良輔と瓜二つだったのが大きかったのだろう。春香、千夏も主人公に父の面影を見ていた可能性はある。
Q:千夏のカメラはどうなったのさ?
A:多分放置。主人公と恋人になれたので「けいすけ」から貰ったカメラに拘る理由がなくなったと思われる。
Q:電話で秋子、春香、千夏が話していた相手は?
A:千鶴。1日目で姉妹が現れる前に主人公が受話器を取っていれば千鶴と会話できただろう。
Q:姉妹は何を隠していたのか?
A:主人公と知り合いで、春香は恋仲でもあったこと。長期記憶の喪失については1日目に姉妹に何かを説明していたくだりから、主人公は自覚していると思われる。
Q:春香と千夏って3歳差なのに同じ学校にいるのおかしくね?
A:一貫校なんじゃね
Q:なぜ千夏は近所のおじさんから主人公を隠したのか?
A:二人が主人公の屋敷にいることが知られると色々と面倒だと思ったからだろう
Q:千夏が主人公に「一目惚れした」と言った意味は?
A:父の葬式でけいすけに一目惚れしたことと、主人公に会ってまた一目惚れしてしまったこととのダブルミーニング。
Q:春香と千夏って主人公の実妹じゃないの?
A:春香は可能性が低い。千夏はやや可能性がある。春香は秋子とも良輔とも似ていないので秋子の前夫の子である可能性が高いだろう(秋子に前夫がいるか否かも不明であるが)。千夏は明らかに主人公より年下であること、秋子や良輔に似ており春香とは似てないこと、千鶴と同じ「千」を名前に持っていることから春香よりは主人公の実妹である可能性が高い。
Q:主人公の病気は治らないのか?
A:医者の説明によると可能性は低い。が、春香のフルートの曲を覚えていたり、春香とのHを夢で思いだしたりと希望はある。ちなみにゲームのラストシーンで千夏が「怖いビデオの続きを見ようよ」と言っているが、怖いビデオを見たのは3日目(つまり14日前)であり主人公が忘れている筈の出来事である。この話題に主人公は「…………」と反応しており、どんな表情をしたのかプレイヤーには窺えないが、その後の2人の反応を見ると――?
追記:
作品の根底にあるのは親子二世代に渡る三角関係と姉妹の父や兄に対するインモラルな憧れです。
特に千夏はピアノをサボって父に好かれていなかったと思い込んでおり、けいすけとも恋人になれなかったので、主人公とやっと恋人になれたのは言わば「3度目の正直」でしょう。物語序盤で背伸びしているのも、「父や義兄と仲良くしていた姉」「父とも義兄とも上手くいかなかった自分」を対比して、早く姉のような大人になりたいと無理している内心が窺えて微笑ましいです。
そうしたヒロインたちの抱える心のしこりを、秋子を抱くことで癒し、千夏を抱くことで大人にしてあげて、3Pをすることで三角関係の解決を図り、Hで解決していく様はまさにエロスの正義ですね!