シナリオ系エロゲが培ってきたものを磨き上げ結晶化した現時点での集大成。あらゆる点で隙がなく、わけても設定・プロットの練り込みは冠絶する。泣きゲーの系譜に連ねられるだろうが、泣きゲーにありがちな押しつけがましさがなく、物語全体を貫くテーマに答えを出し飛翔する様は息を呑む美しさ。ハッタリでない感動を与えてくれる。長文感想の冒頭2500字程はネタバレ無しで未プレイ者に向けた購入検討用の情報。
※このゲームの制作ブランドは「Cabbit」になっていますが、スタッフを見る限り、またゲームの内容を確認した限りでも姉妹ブランドSkyFishの作品であると言い切ってしまって良いと思います(『ONE』が往々にしてKeyのゲームとして語られるのと同じように)。ですので、本稿ではこのゲームの制作ブランドをSkyFishと表記しますこと、ご了解下さい。
第1 未プレイ者向けの感想(ネタバレ無し)
1.基本的な情報
CG枚数:78枚+SD絵3枚 画面の4倍サイズのCG多数
曲:15曲+OPEDのボーカル曲2曲 鍵などに代表されるよくあるエロゲ風の曲
プレイ時間:音声を7割聞いて15時間程度
年齢:杏以外のヒロイン及び主人公は高一であることが示唆されている。杏は中三。
推奨攻略順:まつりルートは他のルートで越えられなかった問題を越えるので、最後が望ましい
Hシーン:全19シーン。 ※全ヒロイン処女
まつり1:パジャマ、正常位、破瓜 ※このゲームの破瓜は全て出血の描写あり
まつり2:私服をはだけたまつりでシコって顔射
まつり3:制服。教室内で騎乗位
奏奈1:私服から裸にして騎乗位。破瓜
奏奈2:私服でパイズリ→顔射
奏奈3:保健室にて制服で対面座位
奏奈4:裸で正常位
雛菊1:制服で正常位→痛がって挿入失敗
雛菊2:私服でシックスナイン→背面側位。破瓜
雛菊3:パジャマ姿で後背位
雛菊4:学校の資料室にて、制服のストッキングを破り対面立位
杏1:制服で自慰
杏2:パジャマから裸にして背面座位。破瓜
杏3:制服でフェラ
杏4:裸エプロンでお出迎え→正常位
雪花1:私服を裸にして正常位。破瓜
雪花2:お風呂でイチャイチャ
雪花3:制服。授業をサボって学校の屋上で立ちバック
他1シーン(主人公と少女2人による3Pなので苦手な方は注意)
2.この作品の長所。あるいは、このゲームが合うタイプ
一言で表すと「ソツなく手堅く纏まった完成度」。
CGは公式HPで確認できる通りかなり高品質(もちろん手指がテキトーすぎとか突っ込みどころはあるんだけどね)で、公式HPに掲載されていないCGも掲載されているものと同等に高品質。アングルが豊かなのにデッサンにそれほど大きな崩れもみられず、また画面サイズの四倍の大きさのCGも多数用意されているので、質量共に十分フルプライスに見合うボリュームだと感じるはず。
音楽はピアノメインでBGMに徹している感じ。ピアノメインで悪く言えば眠たくなる曲だが良く言えば作品の雰囲気に合った落ち着いた曲調。
演出は派手さに欠けるものの細かい芸が多数用意されており、短いムービーを画面の部分的に使うSkyFish独自の手法もあって雰囲気の盛り上げに一役買っている。いわゆる「古さ」は全く感じない。
これら質の高い素材が統一感あるまとめ方をされているので物語世界に飛び込めるだけの下準備は十分にできている。
その上で提示される物語は情報が要領よくまとまっていて解説のだるさを感じることがなく、しかしながらテーマやプロットがハッキリと提示される。物語を考察するのが好きで、SSとか書いちゃうタイプには非常に向いている。
ところでこのゲーム、体験版が非常に充実している。共通部分ほぼ全部+全ヒロインのエッチ1回分が提供されるので、その辺のロープライスエロゲを凌ぐクオリティとボリュームがあるのだ。買う気はなくてもタダで美麗な絵のエッチが楽しめると思って、抜き目的でやってみるのはいかが?
3.この作品の短所。あるいは、このゲームが向かないタイプ
おそらく最大の障害は主人公であろう。柊哉クンは「僕」という一人称から窺える通り安全地帯で悩むフリをしたり正論ぶったりするだけでヒロインからの信頼を勝ち取っていくタイプ。いわゆる「オタクの理想的な自己像(笑)」なのでそーゆーモンを見せられると俺ぁサブイボが立つんだよって人は要注意。ただ、この物語における「恋愛」は、ヒロインが「あたし主人公君を人間的に尊敬してるの! 尊重したいの!」っていう例えば健速作品や保住圭作品的ナルシシズム極まるものではなく、「手頃なところにイイ感じの男の子がいたから食べちゃった☆」って感じな肉欲ありきのモノなのでそこまで強烈な主人公ヨイショは感じない。『星空のメモリア』や『リアル妹がいる大泉くんのばあい』で特に主人公が嫌でなければこの作品も問題ないと思う。
また、アニメやエロゲ、あるいはラノベでも良いが、大好きな作品でさえストーリーを全く思い出せないというライブ感溢れる楽しみ方をしている方にもおそらく向かない。①作品の規模が小さい②各シーンの構成上の意味が分かってないと面白さが分からない(これは長所と裏表である)③全てをクリアーに説明しすぎてしまう為に「壮大さ」を感じることができない といったこの作品の特徴が悪い方向に働きまくって、「気が付いたら終わってた」「眠たかった」と感じる可能性が非常に高いからである。このゲームにはその場その場でプレイヤーの関心を惹き付けるあざとさが全く無い。何で今このキャラはこういう行動を取っているか、という理由を心の片隅にでも置いておかないとあまり楽しめない。
また、「恋人になるまで」をエロゲに求める方にも向かない。主人公とヒロインが恋愛に至る描写は(いつものSkyFishよりは頑張ってるものの)あまり厚みが無く、一般的なエロゲらしいサラッとした扱いである。「恋人になってから」がメイン。
ヒロイン内格差がそれなりにあることも気になる人にとっては気になるだろう(いつものSkyFishに比べればかなり小さいが)。物語の本筋に関わることができるのはパッケージの3人、つまり雛菊・まつり・奏奈だけであり、特にまつりはメインヒロインとして一段優遇された立場にある。反面、杏と雪花は個別シナリオの尺こそ他の3人と同等に用意されているが、本筋には入れて貰えない。2人は共通や他のシナリオでの出番もかなり少なく、それでも杏はチョコチョコ登場させて貰えるが、雪花に至ると彼女のキャラクターも相まって「まつりばかり優遇して俺の雪花たんをこんな扱いにしやがったのは許せません」と脅迫メールをSkyFishに9000通ばかり送りたくなるような人も出てきそうなので、現実と虚構の区別がつかない方はプレイしちゃダメ、ゼッタイ。
もちろん、幽霊との恋愛話がダメな人(どんなに美しく語られても幽霊とじゃ子供を作れないから二人の未来は閉ざされてるじゃないか! みたいに考えるタイプ)には当然向かない。
第2 プレイレポート(ネタバレ有り)
※私のレビューはどうしても批判的になってしまって、自分で読んでも刺々しい感じがするのが気になっています。そこで、今回は実験的な試みとしてプレイレポートという形でレビューの代わりに致します。以下は、初回プレイの感想メモを二週目プレイしながら補足を入れ、人様に読んで頂ける形に修正したものです。
-共通-
起動してまず文字速度を最速に、クリック時の音声停止をOFFに。私の環境だと音が大きく出るので音関連のボリュームを25%、声関連のボリュームを20%くらいに調節する。何故かムービーが80%と大きな値に設定されているが構わず25%に。ムービーになると音がデカイゲームって時々あるよねぇ。
NewGameを選択。夏の渋谷のCG。主人公冴えないヤツだな~と思いつつクリックしていくと冬服を着たまつりとの出会い。「僕の力を喜んでくれたことが、ただ、嬉しかった」そんな理由でホイホイ大学を決めてしまって大丈夫か?(この時まだ主人公が大学受験生だと思っていた)
4月9日(MONDAY)の表示を見てカレンダーを確認する。曜日と日付の対応では2012年を想定しているようだ。
ムービーへ。え、音鳴ってねー! どうやらムービーは極端に音が小さいようだ。道理で最初から80%に設定されていたわけだよ!
ちなみにこの時初abortしました。この単語がシステム画面に並んでるのを見ると「ああ、SkyFishだぁ」って感じするよね!
>僕の実家から、この学園まで、新幹線で1時間半。そこから地下鉄に乗って10分くらい
東京から新幹線で1時間半のとこで地下鉄があるっつーと名古屋周辺を舞台として想定してるのかな。ついついそんなことを調べちゃうせいでプレイが遅々として進まない。
学園に通うに至るいきさつを軽く説明した後まつりに出会う。彼女は制服を着ていて学園には幽霊も通うのだという。オイ! そんな重要なことを黙ってるなんてお前は本当に怪しいキャッチセールスか! (もちろんプレイヤー視点だと予想できた展開)
>「最上一樹(もがみ・いつき)だ。多分、同じクラスだと思う……」
キター! いつきちゃーん!
いや、SkyFishって「いつき」って名前に妙な思い入れがあるみたいで、ちょくちょくこの名前の子が出てくるんだよ。八千草樹に朝霧乙姫、そして今度は男の子☆ イロイロと膨らむね!
続いて乳袋ちゃんキター! 登場するなりドーナツ喰ってる-! 予想通りすっごく頭弱そうな子! こんな子をだまくらかしてイチャコラするのんか!? ええのんか!?
乳袋ちゃんを脅かしたまつり「人事だもんー」といいながらニヤリ顔。キター! SkyFish名物ニヤリ顔ー! 九十九の奏だと鳴ちゃんが担当してたけど今回はメインヒロインか-! この表情使って黒まつりとかやりそうだな。
さて講堂へ。講堂のある高校って結構珍しいと思ってたけどそうでもないのかな? 学生312名、内幽霊103名、1年生が150名、2年と3年が80名。この区分けを読む限り幽霊には学年分けはないのかもしれない。人間で2年や3年の数が少ないのは入学より転学の方がハードルが高くなるので当然だね。ロリ理事長キター! なんかすっごくぽわぽわしてるー!
雛菊登場。ツンデレお嬢様ですね。ここまでに登場したヒロインは大体テンプレ通りという感じ。可愛いからいいけど! 担任の先生であるすみれさんもいかにもなキャラ。
>「納得いきません!」
キター! ツンデレお嬢様のテンプレ抗議-! 他のメディアではもう見たくもないテンプレだけどエロゲの場合「へヘッ、どうせコイツもそのうちデレッデレに蕩けてアンアンイっちゃうんだろ」と思えるので前戯みたいなもの。それにしても声がチョー可愛い。聞き覚えもあるし。声優さん誰だっけと調べて御苑生メイさんであることを知る。確か前作(『九十九の奏』のこと。私は完全に『キミへ贈る、ソラの花』をSkyFishのゲームと認識している。Cabbitなにそれおいしいの?)では愛那を担当してたよね。『真・蟻地獄』ではお世話になりました。わたしゃキャラへの感情がかなり声優さんに左右されるみたいで、大好きな御苑生メイさんが担当しているキャラは必ず気に入るんよー。
>すみれ「霊と、一般的に言われる神と呼ばれる存在には、深い関連がある」
>雛菊「それは、一説に過ぎません」
>すみれ「それだって、君の考えの一説に過ぎないだろう?」
この辺のやりとりがいかにもSkyFishらしい。世界に対する様々な解釈の可能性を匂わせた上で各キャラについて「とりあえずの理解」をザックリ示すのがSkyFish流。後々様々な解釈を示すことで世界を多面的に描こうって心算なのだ。
背景にチラッと雪花ちゃんが見える。生足が眩しいデス! あ、出番こんだけ?
>まつり「あと、今月号の『ニーナ』に出てたよねっ。あのワンピースすごく可愛くて……」
SkyFishスタッフは(Cabbitは女性スタッフが多いと聞くがこれは本家SkyFishスタッフの趣味でもあると見ていいと思う。なぜなら『九十九の奏』でもファッション誌ネタがあった)女性誌の名前でヒロインをキャラ付けすることが多い。
『ニーナ』はおそらく『mina』のことで、『mina』は高校生~20歳向けを購読対象とした手頃な価格のカジュアルファッション誌であるようだ(ググった)。まつりちゃんはイマドキの女の子だと説明したいのだろう。
>雛菊『テレビも雑誌も、その他エンターテイメントも全て、正当な対価を払っている方に与えられる物よ』
ハイ雛菊サマ! エロゲの違法ダウンロードはイケナイと思います!
まつりと雛菊が思いっきり対立する。お約束だねぇ~。
続いて「この街で一番賑わっている駅前の商店街」へ。これは大須商店街? 円頓寺商店街?(ググった) よく分からないや。
>まつり「幽霊の女の子と、あと柊哉は同じクラスだけど、あとはみんな違うクラスみたい」
初プレイでは聞き逃してたけど、この「幽霊の女の子」が百合……もとい由梨ちゃんのことだね!
>奏菜「あっ、まつりちゃん、あそこ、あそこのお店見てみたいなー。パワーストーンだって」
やっべー。乳袋ちゃんパワーストーンに騙される子なのか。狙いまくったエロよりもこういう一言が股間にクるよねー。いやこれはこれで狙いまくった台詞ではあるんだろうけど。
>奏菜ちゃんはぽわぽわした見た目とは裏腹に、意外としっかりしていて
きょにゅー女性の母性アッピール!
>奏菜「しかしっ! 19時まであと7分!」
夕暮れ背景でこう発言してるんだけど、4月9日ってそれくらい日が長かったっけ? ググると2012/04/09名古屋の日の入りは18:20となっている。さすがに日の入りから30分も経過してると真っ暗になるよなー。これはちょっと演出ミスってる(後に仙台だとわかるが仙台の日の入りも18:07)。
家に帰ると杏ちゃん登場! うーん、この子だけちょっと声が不安定な感じ。調べると声優歴6年目で2009年から2012年まで2年半のブランクがある。公式HPのボイスサンプルSPでの語りを聞く限り一番しっかりと喋っている方だったので、応援したい!
杏ちゃんの設定は知れば知るほど『水の都の洋菓子店』のつぐみちゃん( http://www.cellworks.co.jp/studiociao/mizu/chara/chara03.html )に似ているなぁ。これは一つのテンプレなんだろうか? ただ、会話のやりとりを聞いていると杏ちゃんの本質はむしろ『プリズム◇リコレクション!』のこのかに似ているかもしれない。兄への甘え方とか距離の置き方とか。
翌朝、雛菊の登校シーン。なんか主人公が彼女の忠実な犬みたいな感じになってるぞ。
ここで教室絵の背景が気になった。汎用性を重視したんだろうけど、人が全くいない絵なので学園の人がいっぱいいる感じが伝わって来ず、廃校を舞台に演技でもしているかのようだ。
雪花ちゃん初台詞! いやーヒマリさん大好きなんですよ! 好きな声優は? と尋ねられたら「ハイ! ボクにとっての三大声優は草柳順子さんと夏野こおりさんとヒマリさんです!」と元気よく答えちゃうくらいに! 『真・蟻地獄』ではお世話になりました!
>一樹「俺たちも積極的に人脈を増やしていくべきかもしれん」
人脈って増やすものかね? 「広げる」とか、ゼロからなら「構築する」って言わないかな? こういう単語の使い方一つで少しずつライターの素の実力が明らかになっていく。ちなみにこの辺で「読点の多い文章だな-」というイメージも抱き始めていた。
永嶺先生による解説のお時間。多分作中で最も長い設定解説の時間だったけど、それでも5分もかからず終わるのはさすがSkyFish。
冷凍食品勢乳袋ちゃん。女の子の手料理で差異を演出するのはこれまで様々な方法が試みられてきたけれど、冷凍食品勢ってのはエロゲでは初めて見たかも。多分どっかで既に試みられてはいるんだろうけどね。
>泰奈「朝お弁当に入れとくだけで昼までには解凍されてるのとか」
え、そんなのあるの? ググる。
おおーっ、こんなのあるのかー!( http://www.ffa.ajinomoto.com/study/sizenkaito/ )。ちなみに後で友人に訊いたら「2年前くらいからあるよ」と言われました(ちなみにソイツは外包装のままレンジに入れられる冷凍食品を知らなかった)。
自宅のリビング再び。ちゃんと昼だと窓が白くなっている。こういう細かい配慮が嬉しくなっちゃうんだよね~。
>まつり「訓練で、力はもっと強く出来る」「そうなったら人間にいっぱい近付くね!」
夢いっぱいの設定。しかし単純に明るいだけの話になるとは思えないので今後どうなっていくかワクワク。
>それが満たされた時、まつりはどこに行ってしまうんだろう
幽霊モノって、こういう時限付きの恋愛がお手軽にやれるのがメリットだよねー。
4月11日。まつりが勝手に部屋に入ってくる。この子はトラブルメーカーなヒロインだなって思ったシーンだけど、これ、まつりちゃんだから笑って許せるわけで例えばオッサンの幽霊が入ってきたらゾゾーッてするはず。コメディタッチで幽霊の怖さを描いた秀逸なシーンだと思うね。主人公は追い出されて学校で居眠り。この主人公弱すぎねーか?
桐乃かすみと百合……由梨登場。かすみちゃんみたいなシンプルに可愛い子っていいよね。こう、世話焼きオーラがプンプン漂ってくるじゃないですか! これで幼馴染属性もくっついたら俺はごはん3杯いける!
>少なくとも百年以上前だ
んなこたーねーぞ。今でもみんな、あるいは殆どが同じ名字の村ってのはふつーにある。平民苗字必称義務令は1875年らしいが(ググった)。まあ由梨はその義務令の時代の人ってことを作者が言いたいのは明らかだからそう理解しておく。
サブヒロインは立ち絵ポーズのパターン1つか。まつりなんて3つもあってクルクル動く感じなのに。まあ、その対比がまつりの霊に似合わぬ元気っぷりを表しているとも言える。
>長嶺「東瀬さんと西園さんで、合ってますか」
ここで気付いた。ヒロインの名字は東西南北中(サブキャラも含めると上下)なのか。
> まつり「おおおお!? あれ!?」
ここでまつりは初めて人に触れることに気付いたみたいな反応をしているが、これは後に明らかになる設定と微妙に整合していない気が。幽霊は「意図的にそうしないと」触れられない設定であるはずなのに自然と触れられた、みたいな描写になってる。
> 力には個人差があるんです。もしくは、相性ですね
つまり相性が良いとエロれるわけだな!(とプレイ当時は思ってたがそんなことはなかったぜ☆)
> 僕の机の上にあったシャープペンシルがふわふわと宙に浮いていた
SARASA(ボールペン)じゃねーか! ← まーこりゃネタ作りのためにメーカーがわざとツッコミどころを用意したマーケティング戦術だろうが
>「すごい重量感っ!」
人間側には感触無いけど幽霊側にはあるのね。いや、重さしか感じられないって表現なのかな。
泰奈と2人きりで下校。あ、ひょっとして今流れてるの泰奈のテーマ曲? 各人テーマ曲があるんだろうか。
外面が良い設定の雛菊さん。しかしふつーに打ち解けた会話をしてるので全然「外面だけ」という感じがしないのであった。主人公はほんと犬だな~。あ、今流れてるのが雛菊のテーマ曲なのかも。
>「近くの子とペアを作って」
そう言われて姿を消す雪花ちゃん。孤独な女の子って良いよね。仲良くなると何でもさせてくれそうで!
追いかける主人公が屋上で見たモノは雪花ちゃんの眩しい太腿でした。
いや、この子儚げな設定の割に胸もでけーしスタイルいいよね。翻るスカートの裾からパンツならぬ「前から見えるお尻」がチラっと覗けちゃってるし。
>雪花「来てくれて嬉しかった。また……」
こんな言葉がスラスラ出てくるコミュ障なんていねーよ! と一瞬思ったけど、ちょっと話しただけの相手にこういう歯が浮くような台詞をポンと言えてしまう対人距離感のおかしさがコミュ障たる所以か? それとも「お礼を言うのは実は拒絶」的な意味なのか? そんなことをウダウダ考えていると、上の台詞を思い出して「また来てみようかな」と思ってしまう主人公。あ、これ実は主人公を闇へと引きずり込む魔の呼び声だったん?
まつりが主人公に妹のパンツ穿かせる。これ、実際やられるとガチでウザそう。
>泰奈「許して、あげてね?」
この台詞は声優さんの演技が上手いと思った。命令するような言い方だったら「泰奈ウゼー」って感じるが実際は「あげてね♪」って感じの可愛らしくお願いする言い方(小倉さんも公式HPのサンプルボイスSPで『かわいいから外れないように演じてみました』と言っている。もちろん演技指導があったのかもしれんけど小倉さん凄く上手い声優さんだからなー)。これだと男はホイホイ言うことを聞いちゃうぜー。
>「そもそも、血が繋がってるわけじゃないし……」と言うのは一樹の前で言ったら面倒くさそうなので止めておいた
んー。今のところ一樹がそういうからかい方をした試しがないのでちょっと伝わって来ない。「主人公の友人ポジなんてそんなものだろ」と言われたらその通りかもしれんが。そういうエロゲ独特の暗黙の了解みたいなものをいきなりポンと出されるのはあまり嬉しくない。
>まつり「確か、Aの……」
杏はAカップらしいです。これを聞いた時の一樹の困ったような表情を見ると、やっぱり彼はデリカシーのあるヤツだと思うんだよね。
と思ってたら一樹が下着屋さんに付いていくと言い出した。ハイハイ幽霊と人間が二人きりはダメって気付いたのね。
杏登場。これが杏のテーマ曲かなと思いつつも背景の寂しさに目がいきやっぱり人混みの描写欲しいなーと思う。かまぼこの話。もうここが名古屋周辺であるという自信はまったくないのだけれど一応ググる。名古屋かまぼこなる赤いかまぼこがあるんだねぇ~。
兄妹の会話を眺めていた3人。今更一樹の「俺Tシャツ」に気が付く。突っ込まないからな!
幽霊とのお付き合いの話。どうもこの辺はあんまり深まって行きそうにないなぁ。
>杏「そんな……っ。兄さんと一緒にお食事を頂けるのに、そんなこと思ったりしませんっ」
あざといなー。このあざとさが実はものすっごいドロドロした真っ黒い感情に根ざしたものだったりしたらスッゲー好みなんだけど。
雛菊既にデレすぎだろ。ちょっと尋ねるとホイホイ知識を披露してくれます。
>雛菊「それから数ヶ月語、フェンスのねじが突然外れて落下して」
まさかこれが今後の伏線だとは初プレイ時思ってもみませんでした。
>泰奈「土曜日はありがとうね」
絶対にお礼の言葉と挨拶を欠かさない不自然なやりとり。いや、このシーンだけ切り取れば単なる感謝の言葉なんだけど、このゲーム全体を俯瞰するとあまりに「感謝」の言葉が強調されてるんだよね。エロゲでこういうシーンがあると宗教的なモノ( http://homepage2.nifty.com/compass/shinkou3.htm )を感じてしまう。
こういうこと書くと反感買うのは分かってるけどさ。俺は「感謝」だとか「挨拶」だとか「気づき」だとかの押し付けにゾゾーっと来るんですわ。もちろん自発的に思ったから言うってのは良い。それは素晴らしいことだ。ただ、ミョーに「感謝」「挨拶」「気づき」を強調してるヤツがいたら気をつけた方が良いよ。これらって洗脳ワードなのさ。新興宗教とかブラック企業のトップは必ずと言って良いほど信者(ブラック企業の社員はある意味信者だ)に「感謝」「挨拶」「気づき」なんてワードを押し付けてくるけど、それは何故かって言うと、「感謝」とか「挨拶」ってなんとなく自分が人や世界と繋がっているような、自分が受け容れられているような気分になるものだから。それでイイ気持ちになっちゃうと自分が搾取されてるっていう自覚が段々なくなってきて(特に元々世界から疎外されていると感じてる人は)「今日も1日16時間も働かせて頂いてありがとうございます! お客様には感謝です!」「部活の顧問に毎日3,40殴られたからこそ今の俺があるんです!」「便器を手で拭いて『感謝』の心を知りました」ってなっちまうわけだ。顰蹙買いそうだからライター名は挙げないけど、実際そういう啓発的手法でオタクを洗脳して評価を得てるエロゲの作品って腐るほどあるわけで、例えば『リアル妹がいる大泉くんのばあい』のエンディングテーマソングなんかを聴くと俺は騙されちゃってる可哀想なオタク達に深い哀悼の涙を零さずにはいられないし、『ましろ色シンフォニー』『Marguerite Sphere -マーガレット スフィア-』『遥かに仰ぎ、麗しの』を書いてる人たち(複数ライター作品の場合全員とは限らない)はそもそもライター本人がソッチ系にハマってるんじゃないかと思ってしまう。ヒロインから「感謝」や「気づき」を得る主人公にライターが自己投影しちゃってる気がしてならないのだ(余談だが冨樫も霊光波動拳だのネテロの『感謝』だのスピリチュアルメッセージだの新興宗教ネタ大好きだけど、彼の場合一歩引いたところから茶化してやってる気がする)。
でも、可愛い二次元ヒロインに洗脳されるのは実際気持ちいいものです。俺も『遥かに仰ぎ、麗しの』が大好きだしね! エロゲの値段なんてたかが知れてるから被害も少ないし、素直に騙される人の方が私みたいなひねくれ者よかよっぽどハッピーかもしれない。信じる者は救われるんですよ!
さて、気を取り直してゲームを続ける(ここから先を読んでくれる方はいるんだろうか?)。ここまでのシーンで「幽霊と人間との境界をどうしても意識してしまう周りの人たち」「幽霊と人間との境界がよく分からない主人公」という対比が描かれ、「雪花ちゃん可愛いよ幽霊設定とかどうでもいいから早くチュッチュしたいよ」と思ってるプレイヤーの主人公に対するシンクロ率は400%を超えているわけだが、これまであまり「幽霊」を意識させなかったまつりも実はしっかり意識していることが二人きりの散歩で明らかになる。ここまでが共通の内容で、やっと主人公とプレイヤーの役割が明らかになる。
まつり・奏奈・雛菊の三人はそれぞれ違った形で幽霊と人間との間に心の壁、ATフィールドを感じている。それを感じていない(どっちも二次元だしなぁ)プレイヤーもとい主人公が壁をぶっ壊す! 迸る熱いパトスで! さすればヒロイン達の色んなところが歓喜の涙に濡れ、処女を守るあの壁も貫くことができよう! 俺のロンギヌスで!
このテーマからやや外れた雪花ちゃん(幽霊と人間の壁以前だよなぁこの子)と杏ちゃん(こういう場合近親キャラは大抵主人公の設定の話になる)は既にサブヒロイン感バリバリである(ちなみにエンディングでもこの2人はCGが1枚しか掲載されない。他の3人は2枚なのに)。まぁ二人ともチョロそうだから適当な事を言ってコマすのも良いだろう!
どのヒロインを選ぶか!? 私は美味しそうなものから食べるのが主義である! つまりヒマリで! 発酵の黒髪少女で! ちょっと優しくしてやれば言うこと何でも聞いてくれそうな彼女を選ぶ以外の道はない!
さあ逝ってみよう! ……あれ、「逝く」としか変換できないよ? なんでだろ、なんでだろ?
-雪花-
ああ……眩しい太陽の下に晒される雪花様のおみ足……。彼女の曲は神秘的で良いよね。
> ……止めて、あげなきゃ。そうじゃなきゃ、このまま、北尾さんは一人ぼっちになってしまう。
初回プレイ時は気づけるはずもありませんでしたが、他のシナリオはここで止めてあげなかったせいで、彼女は一人ぼっちにもどってしまったんですな。
> 雪花「ありがとう……。嬉しい……、今まで、そんなこと言ってくれる人、いなかったから……」
>柊哉「まずは一人……で、いいかな?」
>雪花「うん……、うん……!」
>雪花「ねえ、お願いがあるの……。私、頑張ってみるから……傍に、居てくれないかな……? 柊哉くん……」
「くん」がひらがななのがタマラナイ! こーんな可愛い美少女に全面的に頼られちゃったらそりゃもう全面的に受け容れるしかないよね! なんかまつりが寂しがってるけど正直どうでもいいわ~。
>雛菊「驚いた。意外とチャラいのね。ナンパされてるみたい」
ナンパですから。
雛菊が思いっきり主人公に素の表情を見せまくった(既にデレてると言ってもいいな!)後で桐野さんが現れる。くぅ~この子もやっぱ可愛いわ。正直今俺の中の好感度ランキングは雪花ちゃんとかすみちゃんとが1位争いをしていると言って過言ではぬわい!
>かすみ「私たちを助けると思って、手伝ってほしいことがあるの。お願いしてもいい?」
クッ……。かすみちゃんの頼みなら聞いてあげたいが……。明らかにこれは雛菊ルート!!! いや雛菊も可愛いんだけどさ~やっぱ俺今雪花ちゃんのおみ足に胸がドッキュン☆の最中だから! ごめんね! ホントごめんね! かすみちゃん自身が付き合ってくれるならもっと迷っただろうけど、君と付き合えないならやっぱ俺雪花ちゃんが一番だから!
断腸の想いでかすみちゃんを振り切った俺は雪花ちゃんが1日中一生懸命話し掛けようとしていた事実を知る! なんてけなげな子や~。ああ、行ったる行ったる屋上でも極楽でもな!
>雪花「はあ……」
ヒマリのナニが良いってやっぱブレスだと思うんですよね! このブレス演技はマジ神だわー。雪花さん、僕はあなたの溜息に心奪われました!
>雪花「ありがとう。本当に……中條くんは、優しいね」
ありがとう! ありがとう! 感謝の言葉(どきんこ☆)! ああ、俺もいま君と出会えたことに感謝してる。キミがいるって気づけただけで毎日キミに挨拶したい気分なんだ!
>雪花「生きてた時だってね、そんなに……優しい言葉掛けてくれた人、いなかったよ」
チョロい! チョロ過ぎです雪花様! なんかソラの太陽が眩しいし! キミの太腿も眩しいし! 俺は今でもあいきゃんふらーい! あなたにルパンダイブですよ!
>柊哉「うん。例えば、今は元気に振る舞ってるけど、みんなここに来る前は一人ぼっちだったんだから」
>雪花「……あ……」
こんな簡単な言葉に「気づき」を得てしまうなんて、なんてミラクル愛おしいんだー! 雪花ー! 俺だ-! 結婚してくれー! マジでリアルになんでこんな女の子いないんだろうなーリアルなんてクソゲーだったんや!!!!
>雪花「中條くんと話しているときはね、なんだかね、いっぱい、言葉を発してみたいって、ちょっと、思うんだ……」
女の子の男の子とトークしたいって気持ちは男の子とセックチュしたいって気持ちと同じだって昔読んだ恋愛マニュアルに書いてあったー!
あれですか!? さっそくベッドへのお誘いですか!? 気が早すぎです雪花様さあレッツゴートゥーへヴーン!!!!
>雪花「あっ……あの……!」
>雪花「あっ……ああ……っ、あの……」
喘ぎ声や……。天使様の喘ぎ声や-。なんまんだぶなんまんだぶ……。
>雪花「おっ……おはよう!!中條くん!!」
はーいボク中條♪ 緊張のあまり名前を大声で呼んでしまうなんて、君はなんてマイスイートドジッ娘ちゃんなんだ! あっ、消えないで-! キミの全てを見せて-!
そして挟まる雪花様視点。女の子視点を入れてプレイヤーの自己肯定感を満足させるなんてあざとい! あざとすぎます雪花様! だがそれがいい! もーかわいいなー!
幸せ生活の第一歩は挨拶から! 挨拶は大事だよ! 感謝の気持ちや気づきと同じくらいにね! 俺、雪花と結婚できるなら創価学会にだって入るんだ……。
それにしてもヒマリの切羽詰まったヴォイスの破壊力は異常。なんでこんなに心が揺さぶられるんだろうね。もし80年前のドイツにヒマリがいたらヒトラーの演説なんて誰も耳を傾けなかったよ。ジークハイル! ジークハイルヒ・マ・リ!
そして遂に雪花ちゃんは乳袋ちゃんにまで挨拶をする! これは彼女には小さな一歩だが人類にとって大きな一歩だ(キリッ
>雪花「あの……今日の……、放課後、少し……お話、したい……です」
えええーっ!? あの引っ込み思案な雪花たんがボクにお話? それはもうアレしかないよね!? アレだよね。やっべ放課後に入る前にシャワー浴びとかないと!
>柊哉「そういえば、朝、泰奈ちゃんに挨拶返せてたね」
>雪花「あ……、わたし……、自己紹介、してもらったのに……、ありがとうって、言えなかった……」
そうだよね! 挨拶! 感謝! これコミュニケーションの基本! 幸せへの第一歩! この気持ちさえ忘れなければ24時間働けるんだ!
……。
……啓発系シナリオだよね、コレ。
ちょっと幸せになれるお水取ってくる……。
きょうびハイボール飲むのはなんか流行に乗せられてるみたいで嫌だけどさー。しかも角ハイボール缶の高さはなんなのあれ!? ビールと同じ値段じゃん! 100円で売ってるハイボールもあるのにぼったくりすぎだよぉ!
まあ騙されたと思って呑んでみるか。……あれ、美味いぞ。100円のハイボールと香りの深さが全然違うヤベー!
えへへ……えへへ……(下戸なので350mlでもべべれけになれる)。
なんだよぉこのシナリオはよぉ! 雪花ちゃんを新興宗教に籠絡するシナリオかよぉ! そんでもって教祖様になった主人公が性を搾取するシナリオかよぉ! (だがそれがいい!) 雪花ちゃんは可愛い! この気持ちに偽りなし! 雪花ちゃんは可愛い!
>すごく……いい表情をするようになったと思う。ちょっと前までとは、全然違う。
すっかり上から目線の柊哉くん。こんなテキトーな応対で美少女の全面的な信頼を得られるなんていいご身分だよ!
>雪花「あの……中條くん……、良かったら、なんだけど……」
>雪花「わたしと……一緒に居てくれない……ですか?」
おっけーおっけー! 雪花たんの頼みならいつでもオッケーの三連呼よ! キスだって! その先だって! だから私を見てぇ!
>柊哉「だーめ。じゃあ、ちょっと待っててね」
何様だテメー俺と代われー俺の方が雪花たんを幸せにできるんだよぉ!!!!
>柊哉「ちゃんと立って、お辞儀して……」
>雪花「うん……」
>柊哉「それから……小銭を入れて……」
>柊哉「ぱん、ぱんっと」
>雪花「……ぱん、ぱん……」
この表現ヤバイ! この表現でチキュウがヤバイ! だってよぉ雪花ちゃんをまるで赤ん坊扱いじゃん! 雪花ちゃんだって神社の作法くらい知ってるに決まってる。でもそんなことは言わずに諾々と従う雪花ちゃん。きっと今ちゅーを頼んだら「うん」って言ってしてくれるよ! ちゅー! 女の子って時々こうやってミョーに素直になるのがマジでたまんないよね。雪花は今、赤んぼのように柊哉を信頼しきる事でなんとか支えられている……。
……えへへ、酔った勢いでもうちょい語ってしまいますよ。俺が何に興奮してるか分からない人の為にサンプル文章用意してみた。シーンはエッチの時ね。
>「服、脱いで」
>「うん」
>「ブラも取って」
>「うん、わかった」
>「お口開けて」
>「あー、ほれれふぃい?」
>「もっと舌出して」
>「あーー」
>「僕のを舐めて……」
>「ん……ぺろぺろ……」
こういう感じで、全面的に女の子がいいなりになってる様子ってもの凄い征服欲を満たせるんですわ。これがクラスのアイドル的な女の子だったりしたら倍率ドン! 更に倍! 清楚系の女の子だったら更にドン! 雪花ちゃんはまさに虫も殺さないような清楚系でぽやーっと子供みたいな顔してるからすっごい満たされるぅ!
そして二人はおみくじをひく。果たして二人の相性は……!?
ってなんか雪花ちゃん動揺してる! でも吉だよね!? 悪くないよね!? ねえなんか今嫌な予感がしたんだけど! もしかして赤んぼのような雪花ちゃんの糸が切れちゃったの? 雪花ちゃんキレちゃうの!?
>雪花「対人関係……難……あり……」「多くを……望むな……」
どう考えても主人公に依存フラグですゴチになります! これはもうエロエロで! ベチョベチョな! カンケイが! 確定したよね!
ここ、「おみくじ如きでここまで落ち込むのが分からない」って感じる方もいるようだけど、むしろおみくじ如きでここまで落ち込むからこそ雪花ちゃんだと思うんだ。たぶん雪花ちゃんは人間関係構築に成功したことが無かったんだと思うし、そういう子の「どうせ私なんかが上手くいくはずが……」って気持ちは普通に人間関係を構築できる人には想像できない凄まじいものがあると思う。昔テレビで家出少女を取材しているドキュメンタリーを見たんだけど、「何で家出したの?」って尋ねられた少女が「お父さんにバカって言われて、それでもう全てがどうでも良くなっちゃって……」て答えてた。「バカ」の一言でここまで……って思うけど、きっとその子にとっては人生を投げ出したくなるくらい重要なことだったんだろうね。それと、私独自の解釈だと雪花は狂ったというよりも「本性(本音)をあからさまにした」だけで、彼女は元から「みんなの輪に入る」ことに微塵も興味がなかったんだと思う(詳しくは後述)。
泰奈ちゃんが幸せそうにモグモグ。どう考えても嵐の前の静けさ! ここで杏から電話が! なんかスッゲー久しぶりだよ妹よ!
何かあるかと思いきや案外即雪花に出会える。むーって機嫌が悪い子供みたいな声をあげてる。むーって。カワイイ!
さーサクサク進めるよ-! まあどうせここから引きこもりでイチャイチャエロエロ展開になることは確定的に明らかなんだからさっさと見に行こうじゃないか! 桃源郷を!
>雪花「……ついていっちゃ……だめ……?」
柊哉ドン引き。
しかしここはまつりとの格差を感じるシーンでもある。少し先取りになるが、まつりと雪花には大きな格差がいくつもある
・柊哉は部屋に入ってきただけの雪花には怯えるのに、勝手に妹のパンツに履き替えさせたり部屋を掻き回したりするまつりは許す
・帰郷に雪花がついてくるのは許さないがまつりがついてくるのは許す
・雪花と柊哉は現実に恋人になることはない
・まつりとは違い、雪花は絶対に消滅しなければならない
この格差には重要な意味があると個人的に考えている(詳しくは後述)。
>雪花「「まつり」……?」
>雪花「どうして? どうしてわたしのことは名字で呼ぶのに、他の子のことは名前で呼ぶの?」
ヤンデレキター!
ここも雪花とまつりの格差を示しているように思う。
>由梨「私も入れてもらっていいかしら? 一人あぶれてしまったの」
アレー? 二週目のプレイだと(……計画通り!)っていう彼女の心の声が聞こえるよー何で-?
>雪花「2人ずつペアになって、それで調べたらどう? 集めた情報持ち寄って、詳しく何を題材にするか決まったら……」
文字では伝わらないけどヒマリさんはやっぱ巧者だわ。普通の話し方のようで狂気を感じるすっげー演技。
>由梨「幽霊と人間がペアになる。それでいい? ペアは……そうね……」
>由梨「最上くん、私と一緒でもいいかしら」
さて、ここで由梨はなぜまつりを選ばなかったのでしょうか? ちゃんと理由はありまして、まつりは由梨を思い出してないからです。思い出せばもしかしたらまつりは消えてしまうかもしれない。だから直接は関わらず、でも彼女を眺めていられる距離を由梨は選んだのです!!!!
>雪花「良かったね、柊哉くん。2人きりだよ。2人で、頑張ろうね」
>雪花「何からどうやって調べたらいいかな? 教えて、柊哉くん」
かわいいなー。かわいいなー。可愛くって食べちゃいたいなー。
ここでも雪花ちゃんは柊哉に全面依存しているチキュウがヤバイ現象発動!
>雪花「……」
これキチガイの顔ですわ。こんな表情でも雪花ちゃんはキチガイ可愛い!
>雪花「柊哉くんと、柊哉くんの部屋で、二人きりで、……何……、話してたの?」
えーと……。ヒマリさんの演技は上手いんだけど如何せん雪花が可愛すぎる。いや、これは私の贔屓目抜きで、雪花は顔立ちが可愛すぎて全然怖くないんだよ。そういう意味じゃホラーとしては失敗してるよなあ。なんちゃってホラーというか雪花たんのチョロさとアホさをニヤニヤ楽しむシナリオになっちゃってるというか。
>……はっ! ずる休みした身分なのに、眠ってしまっていた……
>なんか……申し訳ない……。若干の罪悪感が……
あるあるw
雪花問い詰め。うーん、問い詰めても全然怖くないなぁ雪花たんはw
とはいえ、ここで私は一つ重大なシナリオの欠点に気が付く。
これ、主人公が雪花のこと全然信じてないんだよな。実際端から見て雪花の行動はそれほど怖くないし、またある程度理解できる範疇にも収まってるので(まあイマドキヤンデレなんてねぇ)、何でここまで主人公が雪花に怯えるのかさっぱり理解できないのだ。
いやまあ主人公はホラー嫌いっていう設定があるから対悪霊だと弱くなってしまうっていう理屈はちゃんと存在するんだけど、それにしても雪花が壊れはじめてからの主人公の応対はかなりひどい。逃げるばかりで彼女を受け止めてやることも理解してやろうとすることもしない。まあ突き放さないだけマシと言えるかもしれないが、それも突き放したら何が起きるかという恐怖故という気がしないでもないのだ。前半、主人公がきれい事で雪花を騙してたのはいい。だがやるからには最後まで騙しきれよ! 都合が悪くなったら距離を置くのかよ! シナリオに入ってからはどーも主人公に感情移入できず、柊哉くんの評価はダダ下がりである。雪花たんこんなヤツ放っておいてボクと遊びましょ?
>かすみ「北尾さん」
2週目だと気づく、このシナリオでは何故か花鎮めの祭り後も結構長く存在している彼女。
>雪花「騙されない……、騙されないんだ……。心を、許したり、なんか……」
個人的にはこの台詞は非常に重要だと思っている。詳しくは後述する。
>雪花「行こう……、柊哉くん……」
遂に雪花たんに触れられたどーーーーーー!
やったねシュウちゃん! 家族が増えるよ!(幽霊とは子供作れません)
>雪花「わたしのこと、信じてないでしょう……? いなく、なっちゃうんでしょう……? 柊哉くんも……」
個人的に重要だと思う台詞パート2.そして二人はなんだかよく分からん世界へ(一週目はそんな認識だった)。
>雪花「もうっ。今起きたの?」
誰テメエw
>僕の額に、自分の額を重ねた。
ここで俺は確信したね! ここが雪花とエッチするゾーンであると!
そう、理屈はよく分からんがここは雪花たんに触れられる世界なんだよ!
>雪花「出来たよーっ、食べよう食べよう」
この言い方ちょーカワイイ。
>雪花「……スカートね、濡れちゃったの。拭いてもらっても……いい?」
はうー! 観音様やー!
冗談はさておき、こういう傷の舐め合いに性的なニュアンスを含めるのって独特の煤けた味わいがあるよね。しかもこの場面雪花がすっげー素っぽいというかコウノトリとか信じてそうな無垢な表情だからなんか悪いことしてるみたいでドキドキしてステキ☆
>柊哉「雪花を……救いたくて、助けたくて……」
今更だな。コイツ状況に流されてるだけじゃね?
>柊哉「離して! 離してよ! 雪花! 雪花が!」
柊哉(男)、泰奈(女)を振り解けないの図。実はデカパイが気持ちいいからわざと振り解けないフリしてんだろ? それか雪花がいじめられる姿をもっと堪能したいのか。
>雪花「うーん、こっちの部屋のほうが、柊哉くんの匂いするね」
本来幽霊は匂いが分からないはず。この世界では嗅覚も復活するらしい。
>雪花「……キス……、初めて……。柊哉くんは……?」
おまえさっき柊哉とファーストキスしてただろ!
さすがにこのミスは頂けない。大切なファーストキスのシーンを2回描いてしまうってのはかなり致命的。エロシーンだけ外注でもしてこういう不整合が生まれたのかね。
その後、デート→初エッチと進む。さすがヒマリさん、口技の音がすげえ。でも射精音が何かおかしいぞー!
そして選択肢が現れる。当然雪花と離れるなんて馬鹿な真似はしないわけで、夢の世界に留まり続ける方の選択肢を選ぶ。お風呂場でエッチ。アヒルさんを浮かべたりと雪花の行動が一々可愛く、彼女がいじめられているという外部的事情も手伝って小さい子をだまくらかして一緒にお風呂に入ってるような罪悪感がMAX。
いじめが終わり、二人でデートする。
>雪花「ゆっくりでいいんだよね」
この台詞もなんかスローライフ信仰というか何というかアレなものを感じたシーンだけど、「ゆっくり」はその後どのシナリオでも使いまくられるのであった。いや、「ゆっくり」で悪いことはないと思うけどさ、「ゆっくりでいいよね」と連呼されるとなんかこう免罪符や義務として「ゆっくり」が使われてるようで嫌なんですわ。
>雪花「2人で同じものを見て、可愛いとか、変なのーとか、そんなふうに言って、笑いたいの」
>雪花「だってね、柊哉くんは絶対にわたしを傷つけなくて……」
>雪花「わたしは柊哉くんのこと、心から信じて、愛してて……」
ただまあ、このシナリオに限っては雪花がこんなことを言ってるので「ゆっくり」もじじつ自分に言い聞かせてる感はあるのだけれど。
デートが終わり、まつりが何か言ってるけど柊哉も俺も聞くつもりなし。俺は雪花たんと快楽の園に墜ちていくんだよ邪魔すんな。次のエッチは正直微妙。雪花に対するいじめという外圧があったから内圧が高まるわけで、クラスじゃ膝をついて水やら砂やらぶっかけられて涙を堪えてるような女の子が優しさを求めて精一杯媚びてくるんだー! というハイトク的なエッチの良さはここでは感じられず、雪花ちゃんは安心しきって肉欲に溺れるので普通のエッチになってしまった。まー確かに授業をサボって学校の屋上で! という状況による背徳感はあるのかもしれないが、そもそもこれが夢(あるいは創造世界)だって分かりきってるんで、状況のリアリティ自体がすっぽり抜け落ちちゃってるんだよね。……ハッ!? これはもしや、「やっぱ他者という存在が無いとエッチも気持ち良くないんだよ」という形で二人の世界へ引きこもる事への警鐘を鳴らしているのかっ!? 深い! 深すぎる! ついでに雪花の深いところまで!
さて、場面は変わり兄を見舞う杏ちゃんの様子。
>一樹「全く、こんなに可愛い妹を悲しませるなんて、悪い兄貴だよな」
>杏「……そう、ですね……。早く、目を覚ましてほしい……です……」
「可愛い妹」を否定しなかった-! いや、杏ちゃんは「悪い兄貴」に同意したんだろうけどさ。ここでの寝たきりの状況説明はなかなか生々しくてナイス。主人公は実家近くの病院に移るらしいけど、これ、もしかしたら杏や両親が蘇芳学園がどういう学園か知ってしまったんではないだろうか。これだけの問題を起こしたなら学園側も親族に事情を説明せざるを得ないだろうし。
>杏「私を……、一人に、しないで……。貴方が……いなくなったら、私……」
>杏「……お兄ちゃん……」
いい子やねぇ。いや、ちょっとあざとすぎる気がするけどさ。できすぎたキャラは逆に魅力が損なわれる不思議。
再び雪花の夢? の場面
>雪花「わたしたちは、この場所に、2人だけ……」
>そうだ……
>僕には雪花しか居ない。
主人公の認識が書き換わっちゃってるんだよね。これも意味があると思ってるんだけど詳しくは後述。
というわけで俺が望んだ二人きりのエンドは終幕を迎える。ここから先どんなシナリオが見られるか知らないが一番気に入ったエンドはこれになるような予感が。エンディング曲はしっとりとして良い感じ。画面が暗転し、ピンポーンという音と共にエクストラモードが開かれ、とりあえずサウンドモード(背景は講堂。この学校の講堂はコンサートホール機能もあるのかね)を確認するとやはり個別BGMがある模様。雪花と泰奈のテーマ曲は既にこの曲だろうと見当を付けていたが、雛菊やまつりや杏のテーマ曲は「あ、これだったかー言われてみると確かに-」という感じ。一通り聴いた感想としては『広い空の下で』『私のいる場所で~泰奈のテーマ~』『空を見上げて~雪花のテーマ~』が特にお気に入り。『君の行方~あなたを想うから~』もベッタベタだけど好きだと言わざるを得ない。『小さな痛み』『ふたり、手を繋いで』『気高き花~雛菊のテーマ~』も中々イイ。しおりモードはエンディングリストであるらしく、正位置のしおりが6枚、乱雑に置かれたしおりが4枚置かれている。今回見たエンディングは乱雑な方の1枚で、タイトルは「永遠に……」。ヒロインやエンディングを象徴するような花の説明が粋だね。おそらく乱雑な方はBADエンドを象徴しているのだろう。いや、個人的には雪花たんに取り込まれちゃうこのエンドこそTRUEと言って過言でないような気がするのだけれども!
さて、今度は雪花の「GOODエンド」を見にいくとしますか! 選択肢の場面をロードして「おかしい……なにかわからないけど」を選ぶ。
>柊哉「ここは、雪花の過去を、具現化したような……、雪花の世界?」
>いじめられて、ずっと、辛くて、誰にも助けを求められなくて。
>そんな世界で、救いを求めて。
>雪花は、やり直そうとした。
やり直し続けたのが先程のエンドで、そうならなかったのが今回のエンドと。
幽霊と無関係な人間社会の象徴である杏を振り切り、雪花の下へ。
>雪花「柊哉くんが……、どこかに行ってしまいそうで……怖くて……怖かったから、貴方を……」
>雪花「いじめられて……、あの場所から飛び降りて……」
>雪花「だから……、誰のことも信じられなかった。怖かった……」
>雪花「周りと違うことが……、誰かにそれを見破られることが……」
>雪花「つまらないって、言われることが、また……傷付くことが……」
まあ、この辺は予想通り。
>雪花「だってね……、わたし、柊哉くんを連れて行こうとしたんだよ……。ここじゃない、永遠の場所……」
エイエンキターーー!
>雪花「う……うん……。それしか、出来なくて……、必死だった……」
人の助けを借りられるようになったんだねー。
>柊哉「……少しでも、頑張ろう? ゆっくりでいいから……」
_,,....,,_ _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''> ゆっくりしていってね!!! <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ __ _____ ______
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', i
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
>雪花が……僕を連れて行こうとしたのだと、みんな表立っては言わないけど、わかってるのだと想う
>……だから……、まつりは来ないのだと、思う
まつりは雪花と同じ幽霊だからね。
さて、奏菜との三文芝居の結果
>奏菜「雪花ちゃん、ちゃんと話してくれたから」
>奏菜「だから、今度は……私が雪花ちゃんを守るからね」
>奏菜「奏菜でいいよ。私に出来ることならなんでもするから、頑張ってみない?」
という実に啓発セミナー的な落ち。おめでとう! おめでとう! おめでとうシンジくん!(みんな拍手)
>雛菊「だから、素直にありがおうと言わせてもらうわ」
ありがとう! そしてありがとう!
>柊哉「こんなふうに、2人で居て……時々出かけて、いろんな話をして……」
>柊哉「そうやって、生きて……いけないかな……?」
なんかさーコイツ状況に合わせてコロコロ意見変えてねー?
一応理屈としては「何も知らない雪花を怖いと思ってたけど彼女の過去を知ってしまったから」ってことになるんだろうけど、彼女が何か事情を抱えていることくらいは(エロゲのお約束とか抜きで)最初から予想できたはずで、お前はその辺を慮ることなく雪花を助けてやろうと図々しくも近づいたのかよと主人公の薄っぺらさに辟易する。「15歳の主人公に求めすぎだろー」と言われれば確かにその通りなのだが、そういう主人公が雪花みたいな子に対して上から目線で接しているのを見て腹が立たないほど俺もオトナではないので。
>雪花「でも……ごめんなさい」
>雪花「良く、ないよ。わたしなんか特に……力もないし」
>雪花「独占したいような、苦しさとか……、嫉妬とか、肌を重ねたいって思いとか……」
>雪花「でも……今はそういうの、ないんだ。なんとなく……わかる?」
この辺りの彼女の考え方・感じ方はまつりとは異なる。この点についても色々思うことがあるのだが後述。
>雪花結「どこかで、考えてしまうでしょう? また……ああなっちゃったらどうしよう……って」
>雪花「「信じてる」でも、駄目だよ。わたしは幽霊で……取り返しのつかないことは、あるんだから」
これも後述。
>けれど、今は……
>こんなにも多くの仲間に、囲まれている
……さて、そろそろこのシナリオを総括しよう。シンプルに読めばこの話は私がダイッキライな啓発シナリオで(何でこんなに嫌ってるかというと、リアルにこういうタイプに絡まれてウザイ思いをしたことが結構あるのだ。一般的に見てもこういう言説を他人に強調するタイプってのはお花畑の世間知らずでなければ新興宗教の教祖とかブラック企業の社長といった『人喰い稼業』の連中が多いと感じる)、「まずは自分から他者を信じることだよ(キラ☆キラ☆キラ)」「自分から一歩を踏み出さなければ居場所は手に入らない(キラ☆キラ☆キラ)」「自己開示をしないと一人ぼっちのままだよ(キラ☆キラ☆キラ)」てなことに雪花が「気づき」を得て(大爆笑)人々に受け容れられていく愛と勇気と希望の物語! ということになるだろう。繰り返しになるけど、別にこれらの言説を間違いだとは思わないよ? しかしやっぱ人間関係ってのはそう単純じゃないわけさ。どうしても人には相性があるし、他人から受け容れられやすい人とそうでない人というのも頑として存在するわけで、もちろん信頼の形成には時間がかかるものだ。だというのに、これまで他人から受け容れられない側の存在だった雪花が啓発セミナーの結果数日で主人公達の「仲間」になりましたーて話をされてもこちらとしては「パワーストーンで宝くじが当たって恋人が出来て痔が治りました」と言われてるような気分にしかならない。雪花が受け容れられたことを説得力を持って描きたいのなら、もっとじっくり尺を使って細部を埋めるべきで、雪花が消える直前のシーンのようないかにも「ボク達和気藹々とやってます」っていう白々しい中身を欠いた台詞の羅列でやるべきじゃない。まさにアニメエヴァ最終回のような嘘くささではないか。
初回プレイで私が抱いた感想は以上のようなものだった。ただ、エンディングリストを眺めながら、そして後のシナリオを進めながら「違う解釈もできるかな」と思い始めるようになった。今の(ゲームを1週終えた後の)自分としてはこれから書く解釈の方がずっと自分好みで、もう一度雪花シナリオを読み返しても大きな矛盾のない解釈だと思うのでそちらを書いていきたい。
エンディングリストを眺めると、雪花のGOODENDに添えられた花の解説にこう書いてある。
>スノードロップ
>花言葉は「希望」「慰め」など、辛い寒さや悲しみの中にもたらされる、希望のような存在とされています。
>しかし、そんな素敵な花ですが、人に贈る際はその色が死に装束を連想させ、「あなたの死を願います」という意味になりますので、どうかお気をつけ下さい。
GOODENDだというのにあんまりな解説である。他のキャラのGOODENDに添えられた花の解説にはこんな不吉なことは書いておらず、ひたすら良いことばかりが書いてあるにも関わらずである。
視野を広げよう。そもそもこの解説に限らず、このゲームにおける雪花の扱いは非常に悪いとも言える。ヒロインの中でエッチシーンが唯一3つしか存在しないし(せっかくのヒマリなのに!)、共通では僅か数台詞しか出番がなく、他ヒロインのシナリオにおいては雛菊に除霊されるエンドを除き一切登場しない。……いや、登場しないどころか彼女の存在は無かったものとして扱われている。物語全体を眺めて、悪霊になるか(雪花BAD、雛菊BAD)、やっぱり消えるか(雪花GOOD)、存在自体が無かったものとして扱われるか(それ以外全部)、の結末しか存在しない。心残りを解消しても幽霊として存在し続けた蘭子とはエライ格差である。この格差は一体どこから生まれているのか?
他の幽霊に目を向けると、雪花に劣らず不遇な幽霊がいる。そう、かすみだ。彼女は雛菊ルートで自発的に消える他は悪霊となってまつりに消滅させられる場合が殆どだ。雪花ルートでは花鎮めの祭り後もやや生き延びたようだが最後の集合シーンに現れることはない(単に呼ばれなかっただけでまだ存在しているのかもしれないが、そう考えると仲良しの由梨が呼ばなかった理由が謎になる)。
ほぼどのシナリオでも消滅を余儀なくされる雪花・かすみと殆どの場合消滅を免れる由梨・まつり・蘭子の違い。それは主観的には可愛さ(雪花ちゃんもかすみちゃんも可愛いよぉ!)であるが客観的には霊能力の違いであろう。まつりはかなり強力な霊として描かれている(現にかすみを消滅させている)し由梨は100年もの時を生きた霊でその力はまつりが自らの世界から排除できないほど。蘭子も編み物を嗜み、料理が得意とまで言い切る(これらが幽霊にとって非常に高度な技術であることは、まつりが料理でかなり苦戦していることからも窺えよう)霊能力の高い霊である。それに引き替え、かすみは公式に「力が弱い」と説明されているし、雪花は服を変えることすらできない(ただ、公式での表記は『霊能力が安定せず』であるし、柊哉を掴んだり自らの世界を構築したりできるようなのでMAXの値はかすみよりマシなのかもしれないが)。力の強い霊は長く存在し続けることができて人間とあまり変わらない生活を送ることさえできるが、力の弱い霊はあまり長く存在できず、ともすれば悪霊になってしまう。そういう格差がこの作品には厳然として存在しているのだ。
この格差は制作者が意図的に用意したものであろう。
>長嶺「けれど、すごく伸びる人、伸びが良くない人……それは必ず存在します」
>長嶺「いわば持って生まれた力です。皆さんは力と生きていくことになります」
>長嶺「どうか誰かの力を恨んだり、妬んだりすることのないように」
と長嶺が発言していることからもそれは明らかである。ちなみにこの時霊能力の個人差は精神状態に起因しているとも説明されているが、この説明は疑わしい。この説明を聞くとなんかいかにも雪花は引きこもりがちだから霊能力が低いように思えてしまうが、実際は社交的なかすみも霊能力は低いのである。
さておき、こういう絶対的な格差を物語に用意しておきながら、対人関係は「一歩を踏み出せば」「相手を信じれば」リア充生活が待ってるぜという格差否定の話に至るのはどーも釈然としない。いや、世の中には誰もがプロ野球選手になれるわけではないことを知っていながら「努力さえすればノーベル賞が取れる(○○大学に入れる/学者や医者や弁護士になれる)」と信じちゃってる人がいるものですけど(私が知ってる人に、世界史Bの教科書を貰った電車帰りに教科書を通読して、どこを聞かれても8割は答えられた人がいる。また、常に曖昧で1分前に教えた用語をもう綺麗さっぱり忘れてしまう人がいた。果たして後者は『努力さえすれば』前者に追いつけるのであろうか?)。大抵の人は痛感してるだろうからしつこく繰り返す必要はないだろうが、人に受け容れられるというのも当然才能の格差があり、例えば犯罪に手を染めていないことが明らかとなった小沢一郎氏が「一歩を踏み出せば」「相手を信じれば」多数の国民に受け容れられ祝福の中で議員生活を送ることができるか否かを想像すればその格差は明らかであろう。
で、物語を読み込むと、雪花シナリオにおける啓発セミナー的な言説はあくまで「強者の論理」に留まっており、対人関係弱者である雪花はやはり最後までその格差に絡め取られたままだった、と解釈することも可能なのである。例えば雪花は次のように発言している。
>だから……、誰のことも信じられなかった。怖かった……
>周りと違うことが……、誰かにそれを見破られることが……
この発言を聞いてどう感じるだろうか。雪花が入った高校は一貫校で外様に冷たいとかイジメの対象は誰でも良かったとかいう発言もあるのでいかにも「雪花は普通の子で運が悪かった」ように感じたかもしれないが、上記台詞は普通の子が発することのできる言葉ではない。いじめられたのは高校であったかもしれないが、中学以前も雪花はあまり周囲に溶け込めず、孤独な学生生活を送っていたことが窺える。実際雪花は次のようにも発言しているのである。
>雪花「別の学校に行けたらいいけど、行ってもまた、いじめられるかもしれない」
>雪花「終わらないの、この世界は、絶望に満ちてて……」
>雪花「……わ、わたし、みたいなのは……仕方、ないの……仕方……ないから……」
雪花の持つ「異質さ」の正体はハッキリとは分からないが(憶測だが私はある種の『完全主義』『異常な潔癖症』が正体だと思っている。他人を傷つけろと言われて耐えられずに自殺してしまったことも根拠の一つだ。もう一つ、実は雪花BADにおける雪花は雛菊BADにおける雪花や奏菜を襲おうとしたかすみとは異なり『悪霊』ではない、あるいはそれらとは別形態の『悪霊』だと個人的には考えている。このシナリオの雪花は直接的には誰にも危害を加えようとしていないし、理性を保っているように見えるからだ。また、悪霊になったかすみも他の悪霊も黒い波動を発したり真っ白だったりとハッキリとエフェクトが入っている。それに対して雪花は作中一度もそうしたエフェクトが入っていない。そこを重視すれば、雪花は一度も悪霊になどなっていないとさえ言いうるのである。すなわちこのシナリオで雪花が柊哉との完璧な関係・完全な世界を創りあげようとしたのは『悪墜ち』したからではなく彼女本来の意思によるものではないか)、とにかく彼女には「何か」があることは間違いないように思われる。そして、啓発セミナーでどんなキレイゴトを並べたところでその「何か」が消えるわけではないだろう。
やっと結論に入るが、つまりこういうことである。雪花は「一歩を踏み出し」て、また他のキャラの優しさにも支えられて数日間だけ表面的なリア充生活を送ることができたが、それは雪花が内面に抱えている「何か」のせいで必ず近いうちに破綻する(最初の数日だけリア充グループに溶け込めたけどすぐ置いてきぼりを喰らったという話はよく聞く)。そして彼女はそれをうすうす分かっていたのだ。だから彼女はこう言った。
>雪花結「どこかで、考えてしまうでしょう? また……ああなっちゃったらどうしよう……って」
>雪花「「信じてる」でも、駄目だよ。わたしは幽霊で……取り返しのつかないことは、あるんだから」
もちろん雪花は柊哉も、他の誰も傷つけたいとは思っていない。だが彼女が持つ「何か」は必ず彼女を孤独へと引き戻そうとする。もう自分の世界に柊哉を引き込むことは無かったとしても、単に彼女がまつりや奏菜達のグループに溶け込めないというだけでも柊哉は彼女の為に心を砕かねばならないことになる。
だから彼女は、柊哉たちの輪の中に入っていられる間に消滅する道を選んだのではないだろうか。まつりや柊哉や奏菜たちリア充と雪花には大きな壁がある。偶然柊哉が気に留めてくれたこのルート以外で、彼女達は雪花の存在を全く無視していたし、柊哉など気に掛けたとしてもすぐ忘れて雛菊の尻を追いかける場合すらある。また、このルートでも結局柊哉が雪花を愛していたかはかなり疑わしい。まつりや雛菊のルートだとかなり積極的に好意を見せていた柊哉が雪花に対してはあまりにドライなのである。つまるところ、彼が雪花に抱いていた感情は同情に毛が生えたモノ、雨に濡れた捨て犬を拾う気持ちでしかなかったようにも見える。だが捨て犬は、雪花は、戯れに与えられたその愛情が「死ぬほど」嬉しかった。だから彼女はそれを手放すまいと柊哉を閉じ込めようとしたし、彼が与えるリア充の論理=啓発セミナーを信じてみようとしたのではないか。それが長続きするはずがないとどこかで分かっていながら。そしてそれを信じていられる間に消えようとしたのではないか。所詮雪花はリア充グループには入れない。時を重ねてその事実が露呈し、柊哉を苦しめる前に、自分が悪霊となってしまう前に。
このシナリオは、いわば主人公達リア充生活を送る人々の影を描いたものではないか。このシナリオで悪役にされたまつりは確かに「自分が楽しければ良い」という手前勝手な面があるし、奏菜はウジウジして自ら行動を起こさないような面がある。そうした負の側面を作品の影となってこのルートが引き受け、作品の立体感を支える役目を担ったのではないか。影は影でしかない。だから雪花がいくら空を見上げても太陽に届くことはないし、まつり達のような光と共に在り続けることはできない。光と一瞬だけ交わることができたこのシナリオは「慰め」でしかなく、じじつ彼女が加わったリア充グループの輪はまだお互いの内面にまで踏み込んでおらず、白々しさが残っていた。また、もしも彼女が柊哉と添い遂げようとするならば、自分という花を贈ろうとするならば、それは「あなたの死を願います」という意味に他ならない(雪花BAD)。これらは「しおり」に書かれた言葉の通りである。そして他人を傷つけることを極端に嫌う彼女は、かつて「人を傷つけろ」と言われて自殺したことをなぞるように、今度は幽霊としても消滅した。リア充グループと少しだけでも関われた「慰め」を胸に、来世を願いながら。
絶対的な格差の中で雪花は報われない弱者だったけれど、最後まで弱者だったけれど、彼女はそれでも「他人を、特に大好きな柊哉くんを傷つけたくない。彼の中で綺麗な自分のままでいたい」という意地を貫き通した。こう考えた時に私はこのシナリオが初めて腑に落ちた。もちろん「啓発セミナー」と解釈する方が圧倒的多数であろうし作者も十中八九そのつもりで書いている。しかしここまでに書いた通り「啓発セミナー」的解釈で生まれる矛盾や違和感をこの解釈では綺麗に解消することができるし、雪花の言動も遙かに納得いくものとなる。特に「なぜ雪花はこのシナリオ以外で登場させて貰えないのか」というかなり大きな疑問の答えにもなる点は大きい(『啓発セミナー』的解釈だと『雪花は外様ヒロインだから』『雪花を他キャラに絡ませるの難しいし』と消極的な理由付けになるのだろうが、私の解釈で行くと『他のヒロインは幽霊の光の部分を、雪花は影の部分を担当しているから棲み分けをしなければならない』と、そのこと自体に積極的な意味づけができる)。話としても格段に立体的で美しくなるので、私はこの解釈を採りたい。
てめー自分が気に入ったキャラをてめー好みに解釈したいだけだろって? 否定はできないが、少なくともこれだけは言える。SkyFishはおそらく上の方が企画段階で相当締めていて、設定やプロットをきっちり詰めた物語を毎回提示してくる。そして、そういう土台のしっかりした作品だからこそ、読者はその上でのびのびと想像の羽を伸ばすことができるのだ。
物語に戻ろう。
>雪花の頬を、涙が伝う。
>幽霊の、涙。
>花びらが舞う、小さな光。
>花びらが舞う。
>雪花がこの場所にいた証。小さな、証明。
このシナリオにおける「ソラの花」とは雪花の涙であった。
ちなみに雪花BADであるが、
>雪花「ずっと……傍に居てくれる……? わたしが、立ちあがれる日まで……」
と言ってることから、雪花は元々永遠に柊哉を縛り付けるつもりはなかったようである。もちろんその後ずるずると縛り付けて永遠を願うような描写が見られるが、彼女は本質的に他者を傷つけることを極端に嫌う性格であるから、本当に柊哉が命の危機に瀕したときに彼を手放してしまう可能性も無くはないだろう。
-雛菊-
さて、お次に選ぶのは雛菊ちゃんだ! じっさい共通ルートをプレイし終えた時点でキャラの好みは雪花≧雛菊>その他 だったので(プレイし終えた後もだいたいそのままだが。もちろん絶対的には全ヒロイン好きになれた)ここまでは悩まずに選ぶことができた。早速選択肢に戻り「用事もないし断る理由もない」を選ぶ。
>かすみ「竜笛って、吹ける?」
唐突に竜笛なんて単語が出てきてビックリ。言われてみりゃ花鎮めの祭りだから雅楽が必要になるんだろうけど。龍笛ってあのなんか怖くて寂しい感じがする楽器のことだよね(正直雅楽自体に怖い印象を抱いてるんだけどね)。
>雛菊「何がわかったのよ。貴方私を輪の中に入れるためにチームに入ったんじゃないの? そんな受け答えで許されるの?」
まあ、彼女は雪花に次いで(雪花が圧倒的過ぎるんだけど)浮いてる感はある。人物としての「強さ」をランク付けするなら雪花<<雛菊<奏菜<まつりという感じ(杏は彼女自身のコミュニティとの関わりが描かれないから除外)。
>雪花「……中條くん。どこか……行くの?」
雪花たんは可愛いなぁ(実はここで雪花が出てくるのはBADまっしぐらなんだが)。
さてこの後は雛菊が個人☆レッスンしてくれる展開。結構キツイことも言うが既に柔らかい内面を見ているのと、御苑生メイさんの可愛らしい演技もあって全然キツさを感じない。むしろ甘い。
>柊哉「うん。南須原さんは……今日、迎えとかないの? いつも車で通ってるイメージだったけど……」
>雛菊「平日だけね。この街って意外と不便なのよ」
>雛菊「うちは地下鉄でこっちから真逆の終点まで行って……ちょっと北のほうね」
>雛菊「そこからバスに乗らないと辿りつかないのよ。不便ったらないわ」
>雛菊「通勤通学ラッシュ時はすごく混み合うし……だから平日は送って貰ってるの」
雛菊の通学事情。当初名古屋付近とあたりを付けたがもはやさっぱりワッカリッマセーン。
>柊哉「もう、いいんじゃない?」
>柊哉「なっ……何がよ!!」
>柊哉「……南須原さん、桐野さんとは普通に話してるじゃない」
>雛菊「そっ……それは……、そうだけど……、でも、それは、それは……」
>柊哉「一緒にやってくれてる、手伝ってくれる子だから、仕方ないなってこと? 仕方なく、話してるの?」
>雛菊「そうじゃないけどっっ!!」
>雛菊「そうじゃ……、ないけど……。ないけど……、ない……けど……けど……」
>雛菊「いや、悪いわ。悪いに決まってるわ」
>柊哉「何、その断定」
雪花ルートでも思ったが、なんでこの主人公はこうも喋り方が偉そうなんだ? 同級生相手にここまで上から目線で攻撃的な喋り方をできるヤツってのも珍しい。しかもこれ、犬のように尻尾振ってお近づきになった雛菊相手の台詞だぜ。雛菊(や雪花)がヨワヨワな反応をするから笠に着てるって面もあるのだろうが、それはそれで作品自体が主人公のこういうムカツク喋り方を肯定しちゃってるわけでモヤモヤする。
>一樹「2人っきりにさせるんだよ。ほら、早く早く」
それに引き替え一樹はさすが「いつき」の名を背負ってるだけあってイイヤツである。
>雛菊「上手だったわよ。綺麗だった。……頑張ったわね」
柊哉が下手だった頃は嫌でも目立っただろうが、綺麗になっても分かるというのはよほど柊哉の癖を熟知しているのだろう。
>雛菊「何よ、その声。しっぽ振ってる犬みたい」
主人公のこういうところがキモくてヤダって人もいると思うけど、私はこういうところはむしろ好意的に見ている。可愛い女の子に尻尾振って何が悪いんじゃーい!
かすみちゃんがおかしな感じ。それにしても、共通や雪花ではあまり感じなかったが雛菊ルートは(それ以降にプレイしたシナリオも)日付またぐ演出が頻繁に入りすぎるような気がする。シーンをブチブチ切ると小説としてはアウトだがエロゲーだと許されるのは分かる。だが、その度に日付をまたぐ演出を入れるのは正直頂けない。この辺もっと上手くやれないものか。
>雛菊「ふふ、でも不満ばかり抱いて生きているわけではないのよ。そういう面から見ると、不満ってだけ」
>雛菊「物事にはいろいろな見方があるのよ。事象だって、そう」
さっすが雛菊サマ。イイコト言うじゃないですかー。
私の感想も「これだけ高い点数付けておいて感想に不満タラタラ書いてるってお前なんやねん! もっと低い数多のゲームにどんだけ不満抱いてるか怖いわ-」って思われてそうですが、ゲームを気に入らないと逆に不満って出てこないんですわ。気に入ったゲームこそ「ここがこうなればいいのにー」とか思いつつ楽しめるわけでして。
>雛菊「一つの面から見れば、楽しいだけのただのイベントでも……」
>雛菊「そうでない面から見れば、深い意味をもった、大変なイベントだったりする……かもしれない」
これ、おそらく花鎮めの祭りのことを指してるんだろう。花鎮めの祭りってのは要するに鎮魂の祭りなわけで、表には出てこないもののおそらくこの学園は実のところ巨大な鎮魂機関として機能している。この作品に出てこない学園のお偉方は、おそらくかなりの歴史と組織力を持った(学校一つ作ってしまうくらいだし)鎮魂集団で、「自分たちの後継者を公的機関で育成する」「霊に対する理解を広げる」「学園生活を楽しんで貰って霊を鎮魂できるなら何よりだ」といった目的意識でこの学園を動かしているのだと思う。鋭い雛菊のことだからその辺察しているのだろうね。
> 雛菊「貴方、もしかして何か知っているんじゃないの?」
ほらね。実に勘の鋭い女だ。
案の定な花鎮めの祭りの解説。
>雛菊「寂しさは霊にとって……『良くない物』なのよ」
これ、「良くない物」じゃなくて「良くないモノ」と書いて欲しかった。物質じゃねぇんだから。
>まつり「ねえ、柊哉。柊哉って……その、雛菊と仲、いいよね」
このルートだとちょっとまつりと距離感がある。それはさておき、BGMが雪花の曲なのは何でなんだぜ。まあ曲数が15しかないから使い回すしかないんだろうけど。
>雛菊「幽霊は消え行くべき存在で、隙を見せればつけ込まれるだけよ」
さて、この信念が最後まで貫けるかが気になる。まあSkyFishだからキャラの信念をねじ曲げるような真似はしないと信じているが。
ダークかすみ登場。BGMは雪花の曲。もう雪花の曲=悪霊BGMじゃないか。ひどいやw
>かすみ「……元気でね。雛菊ちゃん」
うわーん! かすみちゃんがー!
ちなみにかすみちゃんがこういう綺麗な終わり方をできるのはこのルートだけで、その理由はこのルートだけかすみと雛菊の距離が埋まったからなんだよな。
>一樹「さては実家に戻ってる間に、久しぶりに会った幼馴染と……」
彼がこういう下世話な言い方をするのはこれが初めてかもしれない。
>雪花「あ、あの……中條くん……」
雪花たんキター! このルートでは雪花たんが雛菊に深く関わるんだろうか。ドキドキ(ある意味その予想は当たります)。
>雪花「あ、あの、良かったら……えっと……、い、今って、時間……ある……?」
>柊哉「あ……ごめん、ちょっと……忙しくて……」
>雪花「……そう」
>雪花「わかった。話しかけて、ごめんなさい……」
まつり達とダベる時間はあるけどお前と話す時間はねーから! まあリア充にコミュ障が話し掛けると普通はこうなるわな。
ここで謝っちゃう辺りに雪花たんの人の良さと弱さを感じる。雪花ルートで柊哉に避けられてる辺りでもそうだが、彼女って一生懸命相手を慮ろうとしてるんだよね。「部屋を覗いたりはしないよ」って言っておそらくそれを守っただろうし。だけど気持ち悪がられる。コミュ障だから。まつりは部屋を覗くどころか寝ている柊哉のパンツを履き替えるような真似をしても許される。リア充だから。この対比ってのはおそらくわざと用意したもので、コミュ障の悲哀を感じるネェ……。
>柊哉「ごめんね、また話そうね」
>雪花「うん……、柊哉くん……」
柊哉の社交辞令に無垢な信頼の表情でそう答える雪花。残念! 柊哉はお前のことなんて見てませんから! お前は消えるか忘れ去られるかしかない存在ですから!
>雛菊「私は勝手に立ち聞きするような子とお話するつもりはありません」
みょーに表現が可愛い。彼女ってズバっとは口にするものの基本的に可愛いんだよね。相手に対する思いやりや理解も人一倍深いし。だから何言われてもぜんっぜん堪えないというナイスキャラ。
>柊哉「南須原さんはまだ、幽霊はみんな消えるべきだって、思ってる?」
>雛菊「思ってるわ。当たり前でしょう?」
>雛菊「ただ……、ただ……」
>雛菊「……少しでも、一緒に居た子と……話をして、彼女が、目の前で消えて……」
>雛菊「……涙で、見送ってあげたって、いいじゃない……」
これは雛菊を象徴する台詞だと思う。彼女は鋭い理性と豊かな感性が両立したキャラなんだよね。うーん良い子だー。そこから彼女がなぜ幽霊と距離を取っているのかも窺える。彼女は幽霊を本質的に相容れない存在だと思っているだけでなく、幽霊と関わりすぎて悲しい思いをするのが嫌だったのだ。
ところで、かすみとの最後の会話でもそうだったが、彼女は決してかすみを「友達」とは認めていない。ここでも「少しでも、一緒に居た子と」と表現している。この辺はホント理性の人だよねぇ。
>雛菊「それとも、「そんなことしてないよ」とでも言って、涙を流せばいい? 可愛い子ぶってやれば、私への嘲笑も収まるでしょうね」
女社会ってこういうところあるよね。上で例に挙げた小沢一郎氏もおそらくそういうところが嫌われてるんだろうね。本人は「俺は何にもやってないのに低俗な連中がありとあらゆる言いがかりを付けてきやがる。何を謝ることがある」とでも思ってるんだろうが、世間からすりゃ「小沢! 反省しろ!」「世間を騒がせたこと自体が罪だ! なぜお前はそんなにふてぶてしいんだ!」ってことになる。彼がプライドを曲げて本当に申し訳なさそうにペコペコしてれば世間からの風当たりも大分違っただろう(私は『生活』支持者ではありません。念のため)。
>雛菊「私と居ると、貴方までいろいろ言われるわよ。……早く、どっか行って」
良い子だよなぁ。
>どうしたら、届くんだろう。どうしたら、わかってもらえるんだろう。
>……雛菊さん……
なんかストーカーみたいな思考になってきたな。
……と思ったら本当に翌日からストーカーを開始した-!?
これまであまり良い印象を抱いていなかった主人公だがここには爆笑した。なんだ面白いところもあるじゃないかw
>……僕が悪いのかな。
>……僕じゃなかったらオーケーしてくれるとか……
うははははは!
好意をぶつけられることに弱い雛菊ちゃんは何だかんだで主人公を無視しきることができない。クラスでも賭けの対象になっているが、ある意味でこれはクラスメイトからの好感度を上げているのかもしれない。トドメは最終兵器妹ちゃんによって毒気を抜かれ雛菊は完全に陥落する。
>雛菊「とは言っても私が好きなミルクティはこういう缶に入っているものとは次元が違う最高級のものだけれど……」
こういう冗談を言う辺り、雛菊は自分のキャラをよく分かってるね。
>柊哉「つい、なの? 悪気はない?」
>雛菊「少ししかないわ。少しはあるわ」
>雛菊「……いや、もう少しあるかしら……」
わははははは!
>雛菊「そんなことないわよ貴方だって悪い子じゃないと思うわ」
棒読み。あっはっは!
冗談を交えつつ雛菊は自分の身の上話。夕暮れの河原でこういう話とかもう完全に恋人の行動だよね。でも夕暮れの河原って危なくないか? 霊的な意味で。
>雛菊「上手くやってるわよ。仕事だって、家族や、母さんの協力がなきゃ出来ないことだったし」
>雛菊「可愛がられてないわけでもない。愛情を感じてないわけでもない」
>雛菊「根底に、そういう感情があるだけ」
>雛菊「……わからないわ。けれど、自分が一人でないと、錯覚しそうになる」
>雛菊「……いいえ、きっと、錯覚。境遇が少し似ていても、完全に同じであることはありえないのだから……」
>雛菊「……なんて、ね。ふふ……、そろそろ、帰りましょうか」
この理性と感情に揺れる感じがたまらない!
可愛い子だなぁ。
>あれ……、僕の言葉、スルーされてる……
あるある! これ、恋人関係の時ですらあるよね。カノジョはぼくのカノジョであるはずなのに、なんかぼくを差し置いて女の子と会話しててぽつーんてする感じ。
>奏菜「うん、気付いたら見えてたかな。小さいときは、そんなにもっとぼやけてたけど」
>雛菊「……ぼやける? そういうのもあるのね」
やっぱり雛菊の方が奏菜より霊感強いのかな。いや最強厨みたいな議論になるけど、奏菜もまつりと手が繋げて一樹はできないから一樹<奏菜<雛菊という感じがする。あ、でも一樹は奏菜と違ってぼやけて見えたことがなかったみたいだし、かすみが消える時も奏菜より先に察していたから奏菜<一樹<雛菊かな。まつりの件は相性問題だとすればいいし。柊哉はぼやけて見える描写がなかったのでまつりから力を受け継いだ時点で奏菜以上ではあったんだろうけど、雛菊よりは下という気がするな。霊の状態を感知することができないし(ただしこれは霊感の差じゃなくて知識と経験の差かもしれんけど)。概ね奏菜<一樹,柊哉<雛菊という理解で良い気がする。
杏とテレビを見る。きゃびっとちゃんの立ち絵が表示される唯一の場面。じつはきゃびっとちゃんてパンツ見えてるんだよね。
>雛菊ちゃんはゆっくり、クラスに打ち解けていった。
さて、ここからスキップモードが激しくなっていきます。こういうのちゃんと描写しろや!
>柊哉「ごめん、北尾さん。僕ちょっと、約束があって……」
>雪花「ま、待って、中條くん……、私、貴方と……」
さーてもりあがってまいりましたー!
>雛菊「さっきの子、名前なんて言ったかしら。何を話していたの?」
ま、ルートに入らない限りコミュ障の扱いなんてこんなもんです。
>雛菊「ねえ、それよりこの途中式おかしくない?」
学校に殆ど通ってないのにこれである。きっと陰で必死に勉強してるんだろうなw
>雪花「南須原……雛菊……」
>雪花「彼女と、話すから……私は要らなくなったの……?」
ちょっと話し掛けられただけでここまで思い詰められるのどんだけー! って感じだけど、実際雪花の考えはあながち間違いでない。
>奏菜「それにね、北尾さんとお友達になれたらって、ずっと思ってたんだー。だから、期待してるね」
こういうことをサラッと言えちゃう辺りが奏菜ちゃん。ええ子や~。
>雪花「そんなことを頼みたくて、お願いしたくて、貴方と会ったんじゃない。自分のこと、話したんじゃない」
>柊哉「みんなと……、話したかったんじゃないの……?」
>雪花「そんなの……いらない……、いらない!」
上に書いた自説の根拠となるシーン。「啓発セミナー」的解釈でこのシーンを見ると「あーあ、殻に閉じこもって悪墜ちしちゃったーかわいそうにー」程度の意味しかないであろうが、「雪花は最初から最後まで一貫して柊哉しか欲しくなかった」という自説の立場から見れば「これが彼女の本音なんだろうな……」としみじみしてしまう。雪花ルートで彼女が柊哉以外の人間と関係を持とうとしたのはあくまで「柊哉がそう言ったから」なのだ。それは神社で柊哉に言われるままにお祈りをしたのと同じなのだ。きっと彼女は小学校や中学校でもクラスに入って1人目の友達を作るけど、そこから先に進めなかったんだろうな。彼女としてはその友達だけいれば良かった。彼女にとってその友達が唯一絶対だった。だけど、その子からすれば雪花はあくまで「友達の1人」で、段々他の友達を作って雪花から離れて行ってしまう。やがては自分以外に友達のいない雪花を気持ち悪いとさえ感じるようになる。そうして雪花は「裏切られ」る。もしかしたら雪花の世界で奏菜が役を負った子は高校時代における雪花の「最初の(そして最後の)お友達」だったのかもしれない。彼女の気持ちはこのゲームにおいて誰も、主人公さえも受け止めることができない。そういう悲哀を感じるのさ。
>雪花「貴方が隣に居てくれないなら……、何もいらない……、いらない、いらない……」
ここのヒマリさんの演技上手いわー。ちなみにヒマリさんはサンプルボイスSPで「雪花と自分とは何の共通点もありません」と言っていたが、スクデイの桂言葉が遠野そよぎさんに「嫌ですよ-、私世界ちゃんの方が好きですよー」と言われてしまったように、こういう一途に思い詰めるタイプは女性からは好かれないようだ。男性から見るとすっごく魅力的なんだけどねー。まあ、男性が大嫌いな「自分では何もしない、何も生み出さない癖に手柄と名誉だけは手に入れるヤツ」は女性から見ると「キャー! カッコイー!」となるわけで(例:光源氏)、男と女で見方ってのは大きく変わるものなんだなと(完全に余談だが、何かを生み出す男ってのは女性からは『こいつ猿山の下のランクにいるんだな』と見えるんだろうね。何もしない男こそ真のボスでカッコイイ)。
さて、柊哉は雛菊に雪花のことを相談する。
>雛菊「貴方がこれ以上あの子と話しても、多分、良い方向には行かないの。良くない方向に、既に向かってしまっているから」
>雛菊「……貴方、あの子のことが好きなの?」
>雛菊「どうなの? それが一番重要なことだわ」
>雛菊「北尾さんは貴方が、みんなにお願いして回ってると思ってる。そしてそれ以上に、貴方を信じられなくなっているのでしょうね」
本当に雛菊は頭が良い子だよね。
>奏菜「動かないほうがいいじゃなくて、「動くな」ってことじゃないの?」
>奏菜「いやいや、そういうことだよ。ひなちゃんは可愛いなぁ」
奏菜の解釈だと「雛ちゃんは柊哉くんが好きだから北尾さんに近づいて欲しくないんだよー^^」のようだ。
>雪花「うばわれる。どこにいても、これから、どこにいっても、このせかいはかならず」
やっぱコイツ高校に入る前からアレだったろー。
>雛菊「奏菜と二人で……ねぇ……」
奏菜ちゃんの解釈大当たり-! まあ雛菊から見れば雪花よか奏菜の方が遙かに手強いライバルだよな。
>雛菊「もしかして……、いや……まさか……まさかね……」
勘がいいねー。
>雪花「あなたに、おはなしが、あるの。きてもらってもいい?」
>雛菊「…………」
>雛菊「ええ、いいわ」
でも付いて行っちゃうのかよー!
>雛菊「北尾雪花なら、消えたわ」
>雛菊「消したの。私が、消したの」
プレイ後の感想になるが、雛菊はここで耐えきれなくなってしまうんだよね。まつりの方はかすみを消しても耐えられたのに。また、このENDがあるから、語られなかった男子生徒の霊を雛菊がどうしたかについても、雛菊が消滅させる形では無く男子生徒が自発的に消える形だったんだろうなと推測できる。しかし男子生徒は一体何に満足して消えていったんだか。「あ、憧れだった雛菊様と少しでも一緒に居られて俺感激ッス!」「……そ、そう。良かったわね」「せ、せめて一回だけ握手を! 握手を!」「……まあ、いいわよ。ってちょっと、あんまり鼻息を荒くしないで頂戴!」「ブヒイイイイイイ! これで俺成仏できるー!」こんなやりとりがあったからとても柊哉には話せなかったのだろうか。
>雛菊「貴方の……隣で……みんなの輪の中に、入れるんだって……」
やっぱり雪花はみんなの輪の中に入ることを望んでたんじゃねーか! dovよお前の解釈は間違っている! と言われそうなので補足。ここで雪花が言った「みんなの輪に入る」というのは「あくまで柊哉との関係だけで、その他の人間からは普通の人として尊重さえされれば良い」という程度のものではないだろうか? 柊哉だけでなく奏菜とも友達で、まつりとも友達で……という関係を雪花が望んでいるようには「貴方の……隣で……」という言い方からは見えてこない。あくまで彼女が重視していたのは「1人」だと思うのだ。単に輪の中に入るだけならば柊哉に拘る必要はなく、奏菜の優しさにでもすがれば良いし、実際雪花と同じ状況にあったとして大抵の人はそうするだろう。だが彼女がそうしなかったのは、やはりどこまで行っても「みんなの輪」などではなく「1人」が重要だと思っていた証左だと思う。
>雛菊「ぐちゃぐちゃなもの……、いっぱい頭の中に流れ込んできたの……」
>雛菊「どこからがあの子の妄想で、どこからが真実なのか、もうわからないのよ……」
>雛菊「あの子の隣で……、笑っている、貴方……」
うわー、これはエグい。そりゃこんなの見せられたら雛菊は柊哉を信じられなくなるわー。
>雛菊「もう、貴方とは居られない」
>雛菊「一人で、生きていく」
うーん? ここでいきなり雛菊を雪花と対比させたり「馬鹿な子供」云々と評価したりする流れには乗れなかった。
確かに雛菊も「みんなの輪」の中には入ってなかったが、それは雪花とは全然違うと思うのだ。雪花の場合彼女は本質的には輪の中に入ろうなどと最初から思っていなかった(あくまで究極の『1人』との関係の付随物として扱っていた)のに対し、雛菊は周りの環境が良くなかった。だから環境的に恵まれた蘇芳学園では自発的にゆっくりと輪の中に溶け込んでいこうとする努力が見られたし、じじつ彼女は柊哉の手を借りずとも輪の中に溶け込んでいる(雛菊ルート以外の全シナリオ)。なるほど彼女が主人公を信じられなくなった気持ちは理解できるが、主人公がいないと彼女は一人で生きて行かなければならないというオールオアナッシングは雛菊に関しては成り立たないと思うのだ(雪花はその通りだが)。
無理矢理根拠付けると、彼女がここまで心を許せた相手というのは本当に柊哉が初めてで、その最初の相手に手酷い「裏切り」を受けたから羮に懲りて膾を吹くようなことになったのだ! と言えなくもないかもしれない。しかしそう解釈するにしても、賢い彼女は理性では「これは雪花が生んだ妄想だ」と分かっているようなフシがあったので、やっぱり雪花のように単純なオールオアナッシング思考には陥らないと思うんだけどねぇ。
彼女が「何も知らない子供」「世間知らず」と評されることもやや違和感がある。まあ実際彼女は18歳以上の子供だし、子供っぽいなーと感じるシーンが無かったわけではない(そういうシーンが全く無いエロゲヒロインとか可愛くないし!)。しかし彼女はよく自分の立場を理解して努力を重ねてきたし、どんな時でも取り乱したり愚かな行動に出たりして他人に大きな迷惑を与えるような真似は絶対にしなかったし(彼女本人のルートですらそうである)、それどころか常に人の為に役立とうとしている。家族との関係も良好に保ち、学校に通えない環境下で勉強をしっかりこなしている。彼女はむしろ「年齢に似合わず立派」と呼ぶべきで、上から目線で批判できるような存在であるとは思えない。だいたい、どー考えても彼女は私よりも、一般的な社会人よりも稼ぎが遙かに多い(とほほのほ)。
このENDに関しては、ライターが一般的な「お嬢様キャラ」のイメージで勇み足をしてしまい自らのキャラの本質を見失ったように感じられる。それともライターはこれだけ立派な雛菊を鼻で笑えるようなスバラシイ聖人君子様なのであろうか。
さて、GRANDエンドで顔出しくらいはさせて貰えるかなと思っていた雪花は残念ながらこれ以降ただの1シーンも登場することが叶わない。つまり雪花の出番はこれで完全に終わったわけで、このゲームもこれで事実上終わったと言って良いだろう。
正直ここで筆を措きたい気分が結構強いのだが(既にワード換算で35000字に達していることだし)、乗りかかった船なので一応最後まで続けてみようか!
雛菊GOODへ。
>雛菊さんは、遊びに誘っても普通に来てくれるようになった
おそらくここがBADとの違いなんだろうな。柊哉が積極的に何度も「遊びに誘う」のがGOOD。
>雛菊「楽しい……けどっ。けどっ」
雛菊モジモジ可愛い。
>雛菊「奏菜とは……、二人きりに、なるの?」
まあ奏菜はやっぱり危険なライバルだよなー。
昼食でのイチャイチャ。なんかダメな男に尽くす良妻の図になってるー。
資料室に閉じ込められる雛菊。BGMが思いっきり雪花なんですがw 犯人はもしかして雪花なのか!?
なんというかうーん、おきまりの展開。まーこれは吊り橋効果で二人をくっつけるギミック以上のものではないね。
>雛菊「自分の力だけで、手に入れるものはなんでも手に入れた」
>雛菊「地位も、名誉も、仕事も……、容姿すらも……」
雛菊ちゃん整形疑惑。いや、芸能人なら多少はやってるだろうし、むしろ情念で整形繰り返してる方が個人的には萌えるんですがw
でも萌えゲー的にはNG扱いなんだろうなー。公式は整形であるとは言わないだろうし、仮に炎上するようなことがあったら「化粧のことです」と公式アナウンスされそう。
>柊哉「最初は……放っておけなかっただけで……。このまま、一人にしたくなくて……」
そうかー? 最初から柊哉は犬だったと思うぞ。なんかこう「雛菊ちゃんは輪に入れない子で主人公が入れてあげたんだよ!」設定は後付け感が強いというか、ここまでに数多くの矛盾があって素直に呑み込むことができない。
さて、上から目線で雛菊に告白させて自分は好きとは言わない主人公。ホントコイツ男の風上にも置けないヤツだな。
初エッチ失敗から再エッチまでが短いのは抜き的には良いことであろうと思う。
>奏菜が貴方のこと、好きになったらどうするの?
警戒してますなー。
>雛菊「消せ!! 絶対だからね!!」
ここの喋り方は歴代SkyFishの痛い系女子を彷彿とさせる。まー実際今作では雛菊がその枠なんだろうけど。月原美園とか百日紅鳴ちゃんっぽい喋り方だね。
>雛菊「料理、してあげましょうか?」
もうグダグダだなw
書いてる方もネタが尽きてるんだろうなー。
ところで、「北」尾雪花と「南」須原雛菊が対立したんで「東」瀬まつりと「西」園奏菜も対立するんだろうか?
>柊哉「ストッキング……破いていい……?」
一回目Hでストッキングを脱いだのはこのシーンの為の伏線だったと。
わたしゃそっちの趣味がないのでよくわからんが、雛菊が脱いでしまったときに「ああっ、もったいない!」と思った人がいた……のかな?
ところでこの資料室でのエッチって割と凄いよな。いや学校でエッチという時点で凄いけど。雛菊ってここに閉じ込められたことあるわけじゃん。いわば祟りのある場所でエッチするとか根性座り過ぎだわw
仮に雛菊を閉じ込めたのが雪花だとしたら、自分が資料室に閉じ込めたのが裏目に出て雛菊と柊哉が初エッチに及び、今度は資料室で堂々とエッチを見せつけられてショックで寝込みそうだ。いや既に資料室にはお札貼られて近づけないようにはなってるんだろうけど。
>雛菊「霊が自分の居場所を見つけて、受け容れて、人間と会話をして……」
>雛菊「それはね、きっと奏菜や理事長がこれから頑張って、作って行ってくれると思ってるの。向いてそうじゃない?」
>雛菊「誰にも危害を与えないのなら、いい。だって、私たちのような人にしか、見えないのだし」
>雛菊「でも……そうでないのなら……、いえ、そうでない者のほうが、きっと多いわね……」
>雛菊「私は、そっちをなんとかすることにしようと思う」
これで奏菜ルートの方向性も大体見えてきたね。
しかし、このシナリオの後半はかなりグダグダで萌えイベントを積み重ねただけだった。雛菊可愛いから悪くはないんだけどねー。
>僕たちは2人とも「浄霊師」となった。
>浄霊とは、除霊のように、強制的にこの世から排除するのではなく……
>霊を「浄化」する……対話し、悩みを解決したり……悩みを断ち切ることで、この世から送り出す……そんな職業だ。
述語が「職業だ」なんだから主語は「浄霊とは」じゃダメだよね。「浄霊師とは」じゃなきゃ。それはさておき、雛菊ルートはここでもっと悩めば良かったと思うんだ。いきなり浄霊師になりましたという結論を天下りで持ってくるんじゃなくて、その結論に至るまでの雛菊の葛藤を丁寧に描けばシナリオも格段に締まったと思う。
>僕の気高き花は、ここにある。
ここ=空港なのでソラと花に繋げたかったんだろうが、こりゃ流石に頓知レベル。雪花では割と綺麗に繋げたんだけどねー。
ブルーデイジーの解説を読み、そろそろシステムボイスを変更しようかなと思い当たる。ここはやっぱり雪花たんだよね、うん!
雪花の音声テストボイスに大笑いしつつ、色々試してみるとセーブやログ呼び出しの台詞もかなり酷い。ただこれ、面白いけどボイスの途中まで右クリックでセーブ画面から抜けられないから長すぎる台詞は実用性に欠けるなあ。一応、音声の途中でも「戻る」ボタンを押せば抜けられるようにはなってるけど。
-杏-
さて、次は妹ちゃんシナリオにでも行こうか。おそらく彼女は本筋からちょっと離れた萌え&主人公の過去編という位置づけだろうし。
奏菜ちゃんの手伝いを見送り(やっぱ奏菜ちゃんのBGMいいねー)、まつりと会話。
>まつり「……良かった、の?」
>柊哉「何が?」
>まつり「奏菜ちゃん……手伝わなくて……」
>柊哉「まつりこそ」
>まつり「だ、だってっ! だって……あたしは……」
>柊哉「幽霊だから?」
>まつり「……」
>柊哉「幽霊だから、出来ないの?」
>柊哉「幽霊だから、奏菜ちゃんの手伝いは出来なくて……、まつりは奏菜ちゃんと離れて、寂しくなっちゃうの?」
相変わらず実にウザい主人公である。こいつ雪花シナリオでも雛菊シナリオでも何もしてないくせに口先だけは凄い偉そうなんだよなー。しかもそれで「僕はみんなの輪の中に入れてあげてるんだ」と何かした気になってるのがマジでタチ悪ぃ。
>柊哉「僕のパソコン、使っていいよ」
1週目ではなにも思わないシーンだったが2週目だと「おいおい、そのパソコンはエロ画像or動画が入っててパスワードがかかってるんだろ」と思ってしまう。油断して使わせたことが後のエッチシーンに使われたのは爆笑モノだった。
>南須原さんは、みんなの前で舞を披露して……
今更だけど綺麗なCGだよなー
GW直前の日。実は最後の共通シーンでもあるのでskipで飛ばすことが可能。
>杏「その言い方では、今は暗いと言われているようで、釈然としません」
ちょっと不安な「釈然としない」の使い方。「なんか含みがあるようで腑に落ちない」って意味なんだから、含みの中身を推測できてる時には使わないんじゃないかなぁ。いやまあこれは自分の感性がそう思うってだけで多分この使い方でも間違いではないんだろうけど。
>杏「兄さんがそう仰るなら、そういうことに致します?」
>杏「そんな、謝るようなことをなさったんですか? あの下着、新品ですよ?」
わはははは! 杏だけに暗に「お兄ちゃんオナ○ーしたの?」って言ってるのか。なかなか言うねぇ~。
>私は……、幼きあの日に……気付いたんです。知って、しまったんです……
>兄さんが、世界で一番、大切だって……
>兄さん、何か欲しい物や買いたいものは、ありませんか?
この台詞の繋ぎ方だと、買い物のシーンが「幼きあの日」の回想シーンに思えてしまうぜ。
>杏の洋服は、母さんの趣味に因るところが多い
>決して、安くはないであろう洋服を……杏には買い与えてしまうのだ
実際彼女の服は高級感があるよね。
>いえ、お洋服も、一泊分しかなかったですし……ええと、ええと……
4倍サイズの背景と立ち絵とカメラワークを上手く使って「坐っていた杏が立ち上がる」演出。雪花の時にも目にしたけど、この演出は凄いな。さすがSkyFish。
>杏「……にい……さん……」
この台詞の時点で既にまつりの表情が「ヤッバー」ってなってる。察しがいいな!
>杏「……じゃあ、履歴、見せていただけますか? 残っているはずですよね?」
基本的に、杏ちゃんは察しがいいけど見逃してくれるタイプ。だけどさすがに今回は見逃してくれないかー。
>「お兄ちゃん」……僕のことを、杏は今そう呼んだ。
気付かなかった人の為に書いたんだろうけど、個人的には書かないで欲しかった。説明しないことで生まれるインパクトの余韻ってのはあると思うんだよね。
>杏「本当のこと……、話してもらっても、いいですか……?」
こんな時でも優しい尋ね方。できた妹や~。
>杏「まさか……、覚えてないんですか……? あの時の、こと……」
主人公の記憶喪失ネタは食傷気味。
>杏「……帰り、ます……。無粋なことをして、すみませんでした……」
この期に及んで気遣ってくれるとは、この子は天使様じゃなかろうか(雪花ちゃんが女神さまです☆)。帰ったらきっと1人で泣くんだろうなー。
>奏菜「まつりちゃん、昨日私のところに飛んできて、すごい落ち込んでたの。自分のせいだって……」
そんなに仲良くなってたんだねー。いや、花鎮めの祭りの前には微妙な感じだったのにいつの間にこれだけ仲良くなれたのか割と謎だけど。
>杏「……お尋ねしますが、奏菜さんは、兄さんとお付き合いをしているとか……そういうことではありませんよね?」
まつりは幽霊だから、主人公の一番近くにいる人間は奏菜になっちゃうんだよなー。
>杏「お兄ちゃん、誰と、お話してるの?」
雪花たんBGMまたもや。もうこの曲は雪花というより「心霊関連一般」の扱いだよなー。
>……これが天才か……
どうしても『水の都の洋菓子店』のつぐみとイメージが被る。
>僕の股の間に、座ったのだった。
で、でたぁー! 妹流奥義、おにいチェアー!!!!
>……止めよう。寂しくなるもん……
兄の前では言えない甘え口調。
>兄さんの傍にいられれば、それだけでいいと思っていたのに。
>それ以上を望んでしまう。もっと、もっと……と、思ってしまう。
期待してたよりずっと控えめな恋心だった。もっとドロッドロに好きでも良かったのにー。
杏ちゃんの自慰。やっぱり控えめな感じだよなー。
>柊哉「誰とも話してないよ。どうしたの?」
いきなり声が再生されてビックリ。幼い頃の柊哉は声つきなのね。しかも音でけー!
>……兄さん?
さりげな~く尻に敷く。杏は妹キャラと言うより良妻・幼妻属性って感じだな。
>杏「みゃ、みゃー……!」
謎のかけ声!? あざとい! あざとすぎるよ!!
>杏「あの、この街が見下ろせる大きなお城の跡があって……、そこに行ってみたいんです」
お城っていかにも「出そう」だけど。この城はまつりかグランド辺りで大きなイベントの場となるんだろうか?(なりませんでした)
>柊哉「杏……、僕は……」
>言わなければならない、気がした。
>杏は、待っていてくれている、気がする。
>望んでくれている、気がしている。僕の想いを、言葉を。
なんつーかなー。
こういう考え方をされると主人公がヒロインをお義理で好きになってるような気がするんだよ。極端な話、ヒロインに嫌われてもグズグズ涙を流しながら「それでも僕は好きなんだー!」とシャウトしちゃう話の方が好み。
緊張のあまり席を外してしまう杏。そこに幽霊の女の子が登場する(雪花のBGM)が、この女の子は真っ白な経ち絵。
これはCGが仕上がらなかったのだろうか? そうでなくて柊哉にもこう見えてるのだとしたらあからさまに悪霊だよなこれ。
小さい頃出会った幽霊に主人公は殺されかけてました。うーんベタやねぇ。
>杏「貴方は、私の光だから」
クッサ! ちょっとクサすぎる台詞だろー!
私が主人公に思い入れてないせいもあるんだろうけど、これはあまりに唐突な台詞に見える。もちろん「両親を喪った杏にとって新しい家族となった主人公は光だった」という意味なのは伝わるが、どういう感じで光だったのか丁寧に書かれてないから「えっ?」って感じちゃうんだよねー。
>以前、雛菊さんに言われたことを思い出す
>「そういう事例もある」と。自殺の名所で、不自然に落ちたフェンスの話……
おーい。このルートでは主人公の雛菊に対する呼び方「雛菊さん」じゃないだろー! それはさておき、伏線回収完了。
>杏「教えて、くださらないのに……」
>杏「信用してほしいだなんて……無理ですよ……」
うーん。この「自分のことを語らなきゃ人から信用して貰えないよ。輪の中に入れないよ!」っていう啓発セミナー、この作品では割としつこく語られますが果たしてそうですかねー。もちろんある程度は正しいとは思うけど、人間関係ってむしろ「語られない」ところで成り立ってる部分が大きくないですか? これは美学の問題になるんだろうけど、こういう「正論」の押し付けめいた言い方をされるよりもシンプルに「お兄ちゃんのこともっと知りたいよぉ!」って言ってくれた方が自分としては好み。
>杏「そのミライちゃんが、敬語をよく使っていて……自分のお兄さんのことも「兄さん」と呼んでいたのです」
おぉー。敬語と事故の繋がりがイマイチ分からなかったけどこれは面白い繋ぎ方。欲を言えばそれが予想できるような伏線のチラ見せとか欲しかったかも。
>杏「あと、「敬語をちゃんと使える、礼儀正しい子」だと、近所のおば様に褒められたりして、ちょっと嬉しくて……」
このフォローも上手い。やっぱりちょっと変わった行動であることには違いないので、こうやって丁寧に理由付けをして「それなら仕方ない」と納得行く感じに。
>杏「あの……他に……好きな人、出来ますか……? これから……」
>柊哉「杏を悲しませるようなこと、しないよ。だから、ずっと杏だけかも」
>柊哉「杏は、それでいい?」
だめだ! この主人公絶対好きになれない! 何で「ぼくはきみのためをおもってきみいがいのおんなのこをすきにならないよ~」って一々押しつけがましいんですかねコイツ。しかもそれについて相手の同意を求めるんですかねコイツ? 「俺はお前だけが好きだ。お前しか見えない」と言えばいいところで一々恩を売るのが気持ち悪すぎる。
主人公がダメだと全部ダメってプレイヤーも多いかと思いますが、私は主人公が嫌いでも結構無視できるタイプなので、以降主人公など存在しないものと考えてプレイする。エロゲなんてヒロインさえ可愛ければそれでいいんや!
>柊哉「そんなふうに言わないでさ、僕だっていろんなこと間違うし……、間違ったら杏に言って欲しいよ」
>柊哉「そうやって二人で歩いてくのが大事なんじゃないかな……」
>杏「兄さんは、すごいです。さすがです」
ぐぬぬ……こんな男を褒めるとは……(いや、杏の性格的にヨイショの可能性も高いが)。
杏にフェラしてもらうシーン。パソコンを気軽に使わせていたことが仇に。
>杏「えへへ……恋人ですよね? らぶらぶですよね? 兄さん」
ここのCGはアングルも相まっていい感じ。このゲームはCGや演出の使い方が抜群に上手い。
続いては裸エプロン。
>僕たちがこの街にやってきて、1年が過ぎた。
>杏、卒業おめでとう。
つまり杏ちゃんは中三だったわけか。
というわけで妹モノとしてベタな結婚落ち。ベタだが絵がすっげー可愛い。杏ちゃんは実にCG映えする。
>花びらが、空を舞った。
うーん、雛菊に劣らずタイトルへの繋ぎ方が強引じゃないか?w
最後のシナリオで綺麗に繋げることに期待しますか。
-奏菜-
さて、お次はちょっと悩んだがおっぱいデカくてエロそうな奏菜ちゃんに決めた! まつりちゃんはエロスが足りないし! ここまで来たらせっかくだからメインぽいまつりを最後に残そうという打算も正直ある。
せっかくだから予想してみるが、この手のきょにゅーふわふわっ娘ちゃんは案外重いシナリオが用意されているのが定番なわけで、南北の対立があったことから東西でも対立があって、たぶんまつりとすれ違いするんじゃないかな。で、落ちは雛菊ルートで示唆された通り学園の先生になって「これからも幽霊のみんなの居場所になりたい」って感じ(どっちの予想も微妙に外してました。クッソー!)。
>奏菜「……芋煮……?」
このチョイスはいかにも彼女らしい。
>奏菜「わかる……んだけどね。ご飯が食べれないってこと、私にはまだよく、わかんないよ」
お腹で幽霊のことを考えるのが奏菜ちゃん流と。それにしてもこのCGは幸せいっぱいそうで素敵。このゲームはどの子も可愛いなあ。
>雛菊「こちらは経験者ばかりだから、そんなに気を張らなくても大丈夫よ。うまくやるわ」
雛菊ルートだと1人未経験者が紛れ込んで来ますがね。
>蘭子「わ~っ! すっごーいっ! すごいいっぱい! 食材!」
チョー久々にみかける気がする蘭子さん。記憶によると共通で全校集会やってた時以来だから実プレイ時間にして10時間ぶりくらい?
>学生A「え~、お粥だってっ!」
>学生B「美味しそう~! 貰いに行こうっ」
いやーお粥でこんな好反応は頂けないんじゃないすかね?
薬草粥なんて美味いものじゃないし。
>奏菜「終わった……私……、今……なんでもできる……! ふふふっ……!」
あるあるw 大変な仕事終えるとこういうテンションになるよねw
>柊哉「……ううん……、そんなことは、ないけど……。貴重な経験、いっぱい出来たと思うし……」
相変わらずハッキリしない喋り方だなー、と思いつつも学園祭で配膳を手伝ったくらいで「貴重な経験いっぱいできた」と言えてしまう辺りは素直に羨ましい。確かにこういうことシレッと言えちゃうヤツはモテそうな気がする。
すみれさんが登場したのでskip開始。すみれさんの顔が見たくないわけじゃないよ。
筋肉痛ネタ。
>奏菜「うんっ。花の金曜日! 花金!」
obsn
かすみちゃん登場。奏菜とかすみって同系統のキャラだと思うんだよね。で、色々デコレーションされてる奏菜が女の子受けする女の子、シンプルなかすみが男の子受けする女の子。
>柊哉「大したことじゃないよ……。だから、言わなかっただけで……」
どのシナリオでも報告しようとしないダメ主人公。こういうのもイラッとするんだよなー無能なくせに勝手な自己判断しちゃうヤツって。
この後も他の子に相談するタイミングは山ほどあったのに全部スルーする主人公。そして「死にたくないな」とか自己陶酔に浸りまくる。
>自分でなんとかしようなんて、勝手だって分かってる。
いやいやいや。お前何にもやってないじゃん! 何もしないでずっと考え事に浸って自己陶酔してただけじゃん!
>雛菊「ごめんなさい、なんだか……少し嫌な予感がするから、残りたいところではあるんだけど……」
相変わらず勘が良い雛菊。しかし彼女がいない場合かすみちゃんを成仏させるのって誰になるんだ?(二週目の俺:まつりに消滅させられました)
ああ、由梨が雛菊の役を担うのか。……そう思ったのも束の間、
かすみちゃんが悪落ちしちゃったーっ!!!?
>僕も……奏菜ちゃんも、頭ではわかっていても、離れられない。
無能主人公今日も絶好調!
そしてかすみ消滅。
>近付くだけで、恐ろしい、重い気配が、滲み出て
こういう気配は雪花もかれん(柊哉を交通事故に追いやった子)もひめ(柊哉を突き落とした子)も、柊哉に攻撃する時ですら漂わせてなかったよなー。彼女たちと悪落ちかすみちゃんとはまた違う存在なんだろうか。
>奏菜「あああああああっ!!! うあっ、ああっ、あああああっ!!」
これはショックだろうなあ。……しかしこれ、主人公のナルシスト行動がこの結果にかなり寄与していることについては糾弾されなそうでガッカリ。ヒロインが雛菊ちゃんだったら容赦なく糾弾しただろうにね(実際雛菊BADは主人公のナルシシズムへの糾弾とも取れる)。
落ち込んだ奏菜を善人面して慰める主人公。なんというマッチポンプ!
いやまあ、実際のところ主人公の行動を批判するのは神の視点だからできるのであって、実際に主人公の立場だったら出来ることはあんなものかもしれないけど、しかしやっぱ主人公はヒーローであって欲しいわけですよ! 女の子を掴まえるんだからそれなりにカッコイイところを見せて欲しいわけですよ! だというのに柊哉の在り方と来たら何もしない・ナルシストで僕いつも悩んでますってポーズ・上から目線・そのくせ女からの評価が高い とリアルで知ったら絶対嫌いになるタイプの男なんで悪し様に言いたくなるわけですわ。
GWで戻らない奏菜ちゃん。目からは一筋の涙。これは同棲フラグ!!!
>柊哉「由梨さん……どうして、ここに……」
今回も雪花のBGM。ていうか何気に由梨チャイムを押したぞ!? 霊力たけーぜ! 伊達に歳喰ってないや!
>由梨「みんな、気付いていたの。貴方の……誰かの責任じゃないわ」
オトナな気遣いを見せる由梨さん。しかしこれで主人公のナルシスト行動は天下御免のお墨付きを得たのでもあった。クッソー主人公自分が悪いとは思ってなさそうだからまたムカツクんだよなーw
>奏菜ちゃんを、救うためにも。
できんのか? お前に本当にできんのか? まあ今回のルートでも自己満足に終わらないことを祈っているよ。
>昼の電話で……
>僕は、「良かったらしばらく僕の部屋に泊まらないか?」……と、そう提案した。
なんか色々手順ぶっ飛んでねー?!
いや、期待してた展開ではあるけどさー!
>柊哉「奏菜ちゃんのほうこそ、大丈夫だった? そういえば、寮は? 食事とか……」
質問攻め。
>僕は週間で連載している漫画とか、いくつかタイトルを挙げてみる。
週刊、やで。
>柊哉「奏菜ちゃん、ご飯食べよう。お腹すいたでしょ」
ここで電気を付ける描写が上手い。さすがSkyFish。
ここから柊哉の啓発セミナー開始。……で、
>奏菜「ありがとう……、ありがとう、柊哉くん……」
フッ、チョロいもんだぜ。
>柊哉「いいんだよ、辛い時は……そんなこと。誰に頼ったって、いいんだ」
もう語尾に(キリッ とか付けてやりたいわー。
>柊哉「そっか……。わかった、言ってくれてありがとう」
奏菜が「混んでるところは嫌」と言ったらこの反応。感謝の気持ちって大切だよね☆
>奏菜「だから一人暮らしは……、結構楽しいけど、やっぱり少し寂しい」
田舎から出てきて一人暮らしを始めた子とか狙い目ですよねー! しかも落ち込んでる最中とか食べ頃ですよねー!
>夜になり、僕は奏菜ちゃんに声を掛けて見る
みる、やで。
>奏菜「かすみちゃん、なのにぃ……、一緒に過ごした、お友達なのに、なのに……」
やっぱり幽霊と人間はどこかで相容れない、という問題提起は鋭いと思うし、その問題から逃げずに向かい合ってる点は非常に好印象。
>奏菜「私、気付いてたのに、なのに……」
まあ、実際気付いてたのは主人公だけじゃなくて、主人公だけが糾弾される謂われはないんでしょうな。うーむw
さてまた主人公のカウンセリング開始。その結果翌日デートに誘われ
>奏菜「……あのね、柊哉くんのこと、好きなの」
フッ、チョロいもんだぜ……。
>奏菜「まつりちゃんっ。久しぶり~! おはようっ」
あれっ? 微妙な空気が漂ったりしないの?
もうこのシナリオは後イチャイチャするだけ?
>奏菜「うん~っ、そんなに高いところは行けないけど、楽しみにしてるっ」
あれ、奏菜って高所恐怖症だっけ、昨日のデートで城跡行ってたよなとか素で考えてしまった。お値段の話ね。
>奏菜「つ、付き合ってるのは内緒! ね?」
こういうぽややん系キャラって微妙にめんどくさい要素を備えてることが多いけど何でだろうねー。このゲームの場合単に雛菊との対比(雛菊は思いっきり公表)なんだろうか。
大叔母が亡くなる。これがどう影響するのだろうか。微妙な影を落としている感じではあるけれど。
2回目のエッチを超え、二人でお弁当。奏菜はこういう幸せいっぱいのCGがよく似合う。冷凍食品を上手に活かせるのはある意味家庭的だよね。
まつりを一樹と由梨が慰める。一樹はいいヤツだなあ。
>奏菜「これから、ずっと……、ずっと……、何かあったら、何かしたら、それ、全部……」
>奏菜「まつりちゃんに、報告しないと、だめ? 言わなきゃ、だめ?」
なかなかエグいことを言う。
奏菜が死者の夢を見る。ここのシーンはゾクッとした。彼女が「死」に取り込まれてるというか魅入られてるような感じで。
>一樹「奏菜ちゃんのこと、支えてあげられるのは、お前しかいないんだから……」
>一樹「頑張れよ!」
正直一樹の方が柊哉よりよっぽどイイヤツだと思う。
>奏菜「ねぇ……、まつりちゃん……、私たち、友達なのかなぁ……?」
おおおっ!? これは本格的にキテるな!?
>今は、その体温も、全てが隔たりとなって、大きな壁みたいになって。
>その前に立っているだけで、息が苦しくなるの。
この辺からプレイメモが急減している。奏菜シナリオは序盤は主人公の啓発セミナーにウンザリだったが、この辺から始まる後半の展開はすっごくいいんだ。物語に引き込まれてメモを忘れるくらいに。
奏菜シナリオはここからエロゲ史上かつてない(多分)問題提起の答えを模索する話へと進んで行く。
>いつか、消えてしまう、なら……
>まつり「奏菜ちゃん、あたしと居るの、嫌になっちゃった……?」
>奏菜「まつりちゃんのこと……、私、今は……友達とも呼べないんだ」
>奏菜「……何も、ないよ。あったと言えば、あったけど……、まつりちゃんは悪くないの」
>奏菜「悪くないけど……、駄目なんだよ」
>奏菜「私ね、覚悟が足りなかった。自分で選んでこの場所に来たはずなのに、違ったの。駄目だったの」
>奏菜「怖いんだよ。また誰かが消えちゃうことが」
かすみの消滅に対する後悔、大叔母の死に対する後悔、そうしたものが積み重なって、奏菜は死と向かい合うことが辛くなってしまった。それは彼女が人一倍他人を気に掛けてしまうが故でもあるのだろう。そしてまつりは幽霊、つまり死そのものだ。彼女と向かい合うことは嫌が応なく死と向かい合うことであり、それに奏菜は疲れてしまった。
>奏菜「誰にも、消えてほしくない……。誰にも、傷付いてほしくない……」
>奏菜「自分が……傷付きたくない……」
彼女の優しさはつまるところ「自分が傷付きたくない」というエゴイズムに根ざしていた。作品の影である雪花が彼女の世界で奏菜に「自分が傷付きたくないからイジメに参加する無力な女の子」の役を割り振ったことを思い出す。彼女には確かにそういう負の側面があるのだ。
>柊哉「……僕と居るのも、辛い?」
>奏菜「それは……」
>柊哉「誰にも消えてほしくないから、傷付きたくないから、一緒にいないことを願うの?」
>奏菜「やめて……、やめてよ……」
>柊哉「ここに居なくたって、悲しみはある。別れだって、あるよ」
>柊哉「それでも……それを場所のせいにして、奏菜ちゃんは逃げ出すの?」
>奏菜「やめて! 聞きたく……ないっ」
>柊哉「ちゃんと、堪えて。奏菜」
>奏菜「柊哉くんが私を責めるなら……、一緒には、居たくない」
m9(^Д^)
カウンセラー気取りの口先主人公め!
貴様なんざこのまま奏菜を一樹に寝取られてしまえ!
>柊哉「まつりのせいじゃないよ。あれは、奏菜ちゃんの問題だと、思う」
>柊哉「だから、僕たちは待ってるしかない。奏菜ちゃんが、自分で決めなきゃいけないことだから……」
なん……だと……。あんだけ奏菜を追い詰めておきながら自分は正しい側にいると思い込んでいるだと……。しまった! 啓発セミナーの教祖ってこんなヤツばっかりだった!
まつりの手首が透けるシーン。これ、何かの伏線だと思ってたら何の意味もない表現でした☆
>奏菜ちゃんの心情を理解したくて、支えになりたくて、それでも。
>どうして頼ってくれないのか、情けない自分に苛立ってしまう。
>こんな僕だから、奏菜ちゃんは話してくれないんだって、わかってるのに……
ぼく悩んでみました☆ この底無しのナルシシズムは一体どこから湧いてくるんだ……。
>すみれ「西園のことなんだが……、進路について、どうやら悩んでいるみたいなんだ」
まあ、学園も「死」と向かい合う場所そのものですからな。
>どこで、間違っちゃったのかな。
>ゴールデンウィークに実家に戻っていたら。
>少なくともおばさんには会えた。入院はしてたけど、その頃はまだ話せたって聞いてる。
そこが分岐点だったかー。他のルートだとGWで実家に帰ってるからこんなに後悔せずに済んだと。
>もっと、私がかすみちゃんを気に掛けていたら、もっと仲良くしていたら。
>あんなふうに、消えてしまうことなかったかな。
おそらく雪花ルートでかすみが長生きしてたのは、柊哉が雪花にかまってる間に奏菜がかすみを他ルートより多めに気に掛けてたんでしょうな。
>でも、それでもだめだったかもしれない。
雪花ルートでも最後にはかすみがいなかったことを示唆しているか。結局彼女も雪花も消滅は避けられない運命なんだろうな。
>雛菊「……終わりを、怖れるなら……」
>雛菊「ここに、いるべきでは……ないわ」
>雛菊「ここには……いつだって、死がある。ここはそういう場所で……それから目を逸らすことは、出来ないの」
うーん雛菊サマは実に端的に事実をお伝えになる。まあ、ズバッと言ってくれた方が助けになることもあるだろうさ。
>雛菊「私は、そう……思うけれど……。これ以上は……貴女が、自分で決めなさい」
啓発セミナーすなあ。
>奏菜「自分のことばっかりな自分が嫌いで、だから、誰かのためになるように、振待って、そうやって……」
奏菜の優しさを拒絶した雪花ちゃんは人を見る目があるね。まあ他人のそういう部分を見抜いて拒絶しちゃう超絶潔癖症だから、自分を常に正義だと考え自分の正しさを全く疑わない教祖・柊哉を特別だと思ったんでしょうが。
そして選択肢が出てくる。
>もういいよ……、奏菜を助けたい
>奏菜を「助け」ない
ま、啓発セミナーなら「自分のことは自分で決めなさい」が正解なので後者が正解でしょうな。現実社会は自分にとって大切なことを他人に決めさせちゃってる人が9割だけどね☆ いや、そういう生き方をしてる人が例えば(自分がそういう生き方をできないもんだからって)『自分勝手』な奴らを顔真っ赤にしてキチガイみたいに叩きつぶそうとするのを眺めて「醜いなー」って思う感覚は分からんでもないよ。だけど人間誰しもが社会の中で自分を通せるほど強くはなれないんです。みんなが「自分のことは自分で決めて」しまったらこの社会は成り立たないんです。上から命令されて逆らえずに、あるいは人買いみたいな連中に騙されて福島原発の処理にあたらされる「かわいそうな人たち」がいなければ原発の処理が進まなくて日本人がみんな困っちゃうんです。啓発セミナーの教祖にはそれが分からんのです。
ハッ!? 上の選択肢なら奏菜ちゃんをそういう「かわいそうな人」に仕立て上げて柊哉の奴隷にするエロエロ展開が待っている!? もしかしてAVデビューもあり得るかも!? ドキドキドッキン上選ぼう!
(プレイ後)クソッ、そういえばこれ萌えゲーだった……。確かに、何だかんだで奏菜は自分を壊すような力に対しては抵抗するような子なんだろうな(雪花だったら心を破壊しつくした隷属エンドを迎えられたろうにーっ!)。本人に自覚はないんだろうけど、入院することで全ての圧力から上手く逃れやがって……奏菜ちゃんのAVデビューが見たかったYOー!
そんなことを思いつつこのエンドのしおりを見ると「堅実な最後」との言葉が。チクショースタッフよく分かってるじゃねーか! 確かにこれはこの学園生活に対する「堅実な最後」だろうな。じっさい、こんなふざけた学園に付き合い続ける方がどうかしてると思うよ。……堅実じゃない奏菜ちゃんAVデビューエンドがあるFD発売まだかーっ!
さて、仕方ないので啓発セミナー的な選択肢を選ぶか。「ジブンノコトハジブンデエラビナサイ」うーん何て白々しい言葉だ。
>柊哉「一緒に、探そう? 見つけよう……?」
>柊哉「本当は……、違うでしょ……? 奏菜ちゃん、ただ、怖いんじゃ……ないでしょ……?」
>奏菜「え……?」
>柊哉「人と離れるのが、人一倍寂しいだけ……、奏菜ちゃんは……」
さすが新世界の教祖。普段の啓発セミナーは落として落として落として持ち上げる方式だったが今回は最初から救いの手を差し伸べている。柊哉さまー僕にもタラシのテクニックを教えてくださーい!
>柊哉「……そう、一番傷付かなくて済むのは……誰も大事に思わないことだよ」
>柊哉「……出来る? 出来ない……でしょ……?」
>柊哉「だって……それが、奏菜ちゃんなんだから」
>柊哉「そんな奏菜ちゃんが……僕は、すごく好きなんだよ」
この辺で柊哉は内心ドヤ顔してそうだな。
>奏菜「あ、ああ……、私……そんな……」
>柊哉「……したいこと、思ってること……、全部言って? 曲げたくない一番大事なこと、一番望んでること……」
>奏菜「私……、私は……、柊哉くんと……、一緒に居たい……です……」
この子完璧に落ちましたわ。
>奏菜「ごめんなさい……、柊哉くん……、いっぱい迷惑かけて……、私……」
>柊哉「ううん、僕も……ごめん。酷い言い方、してしまって……」
>柊哉「もう、一人にしないから……一緒に探そう……? 一緒に……」
柊哉くんお前は萌えゲーの主人公程度じゃ役不足(正しい意味で)だろ。寝取りゲーに出演して寝取りの神になれよw 寝取られゲー好きな人たちがきっと拍手喝采で迎えてくれるよw
>保険の先生「西園さん、西園さん」
音でけー! 確認したがちゃんと「その他女性」の音声は下げてあるのになー。この先生やたら収録音でけーよ!
保健室でのエッチを経て、まつりとの和解。これって結局その場の勢いと周りの人間との関係に絆されるだけだよなー。彼女にとって一番重要なことがそれだったんでしょうけど。
4人でのお出かけを経て二人きりでデート。帽子屋でのCGが素敵。エッチシーンのCGも素敵。奏菜ちゃんのCGは全体的に柔らかくて好みなものが多い。
蘭子さん登場
>蘭子「怖くていいから、今を大事にするの。今いる場所で、少しでも誰かが笑顔になれるように」
>奏菜「……はい……、はい……っ……」
>蘭子さんと出会って……奏菜ちゃんはやっと、自分の生き方を決められたようだった。
早っ!?
まあ、結論は雛菊ルートで示唆された通りでしたな。
>奏菜「でもね、蘭子さんが思ったみたいに……私も何か、居場所を作ってあげられる人になりたい」
>菜奈「パパーっ、おかえりなさい!」
声デカッ!? どうもその他男性・その他女性は音声が大きめに録音されてるようだ。
>だからどうか、自分の力を怨まないで
>出会えた幸せを、生きている喜びを、噛みしめて生きて行こう
これがこの話の結論ですね。駆け足でやや天下りではあるがキッチリ結論を出したところは好感。
>僕たちを祝福するように
>ソラの花が、揺れた気がした。
もうソラの花言いたいだけちゃうんかと。
さて、しおりを見るとカンナ(黄)「快活」「情熱」「雄大な美」「永遠」「長続き」といった単語が並んでいるが、「快活」「情熱」は分からないでもないけど他はあまりピンと来ないかも。全体としてとにかく明るいイメージなのは奏菜にピッタリかもね。
それから、彼女のシステムボイスはとってもいい。「こちらがロード画面だよぉ」「ロードしました。再開ぃ」「こちらがセーブ画面ですぅ」「上書きしても大丈夫?(小首を傾げるように)」「次はここからね、覚えたよ」「タイトルに戻る? ちゃんとセーブした?」「タイトルに戻りますよぉ」「今日は会いに来てくれてありがとう。待ってるから、また来てね?」と、丁寧でこちらを気遣ってくれる感じに癒される。AV女優に落としたいとか考えてごめんよぉ!
-まつり-
システムボイスを雪花ちゃんに設定しつつ「まつりと約束をする」を選ぶ。ロード時に雪花ちゃんが「わたしに会いに来てくれる?」というので申し訳ない気持ちでいっぱいに。
>多分、これ以上友達に迷惑を掛けてしまうのが嫌で、僕に声を掛けてきたのだと思う。
いやーお前と一緒に居たかったんだと思うよ。
>まつり「あたし、亡くなる前に入院もしてたから……、学校にね、その頃コンピュータ室が出来たんだって」
学校に導入されはじめたのって'95とか'96頃だったらしいので、その頃15だったということは、今生きてれば大体30代前半~中盤くらいか?
まつり×DALL。なんかすっげー壊れそうな組み合わせ! うーん、まつりと二人きりのシーンなのに流れるのは奏菜のテーマBGM。もうやりたい放題だな! ちなみにこうやってテーマBGMとキャラの組み合わせを無視するゲームには覚えがあって、『水の都の洋菓子店』がそういう曲の使い方をしていた。淡い色彩とか杏に似すぎた「つぐみ」の存在とか、実は両スタッフ関わりあるんじゃねーかと疑いたくなるレベル(ちなみにストーリーは全く別物です)。
>……幽霊って……僕にとって、どんな存在なんだろう。
これがこのシナリオのテーマ?
>まつりのために何かしてあげたい。それだけなんだ。
>この胸にある感情は……
>それだけ……、それだけなんだ。
今回はちゃんと相手を愛してくれるんだろうか。啓発セミナーじゃなくて。
まつり襲来。今回はちょっと神妙。向こうも意識しているのだろうか。
>まつり「……ペンって、どうやって持つんだっけ?」
いくら幽霊歴が長くてもそれは流石に忘れないと思うが。……と、初回プレイでは思ったが、これって身体を失ったことの表現かもしれない。ペンの持ち方って身体が覚えるものなんだよね。だから身体のある私たちは「忘れねーだろw」って思うけど、身体のない幽霊は覚えてくれる身体がないから忘れてしまうという表現なのかもしれない。そう考えると非常に上手い表現だ。
>まつり「でも……こうやって出来ること増えるとさ、なんか……なんでもできるんじゃないか、とか……」
そう錯覚してしまうけれど、嫌が応にも差はあるわけで、それをどう扱うかだよなぁ。
>……この胸にある、ぼんやりした気持ちは……難だろう。
やっぱりこの辺は弱いなと感じる。プレイヤー視点で主人公がまつりを好きになる過程が全然見えてこない。いや、むしろこのシナリオでは最も描いてくれてるんだと思うけど、下手に描いてしまうからこそ物足りなさを感じちゃうっつーか。
>……結局、まつりは来なかった。
>い、いや、当たり前だけどね! 僕がおかしいだけだけどね!
会いたいならそう本人に言えばよくね? 「僕と茶でもしばきませんか」とか言って。あ、茶は駄目か。どうもこの辺のヘタレさと啓発セミナーで笠に着てる姿とでイメージ悪くなってるよなぁ。
>まつり「……ありがとうって、言われた」
カンシャ!
>僕は、何を望んでいるんだろう……?
主人公に興味がないせいで、こんなことを言われても「へぇ、そうですか」としか思えないのであった。
>奏菜「まつりちゃんっ、おはよう!」
「まーつりちゃんっ♪」って呼び方してるー! 奏菜ちゃん可愛いなあ。
>自慢でもなんでもなく……、ただ、本当に嬉しそうにみんなに話している。
わざわざこんなフォローを入れるってことは、作者の感覚だと「自慢」は嫌な感じがするんだろうなー。まつりが無邪気に自慢してても、私は嫌な感じはしないんだけどね。「えっへーん」って感じで。
>南須原さんは、みんなの前で舞を披露して……
彼女の艶姿もこれで見納めかー。
>この二人、いずれすっごく仲良しになるんじゃないか……?
O☆YA☆KU☆SO☆KU
>すみれ「年間のカレンダーでも告知済みだとは思うが」
この台詞見てスキップもやり収めかー。ええ、最後だってしますとも既読スキップ。
>まつり「柊哉っ!」
無邪気な笑顔でモジモジ。かわいー!
>まつり「あっ、あれ! なんか新しい建物できたんでしょう? 666メートルくらいの」
第二東京タワーですな。
かすみちゃん登場。この辺の流れは奏菜と同じか。
>きっと、みんな泣いてくれて……杏に……また辛い想いをさせてしまう。
事故のくだりは覚えてないはずだから実の両親を喪ったことを念頭においた「また」だね。
っていうかここ既読スキップできるのか。セーブタイトルも「まつり・奏菜」になってるし。このルート独自であるらしくスキップできない雛菊との会話を挟んで再度スキップすると、かすみちゃんはこのルートでも消滅。不憫な子……。
>柊哉「まつり!」
ここで真っ先にまつりを気に掛けるところが奏菜ルートとの違い、と。
>まつり「……なんてねっ! 言ってみただけだよー」
ここが彼女の「強さ」なんだろうね。雛菊は雪花を消してしまったらもう学園に居られなくなってしまった。しかしまつりはかすみを消してもそれを乗り越えようとするわけだ。
すみれ先生と由梨の会話。ここ、由梨の方がすみれ先生よりも強い立場で喋ってるんだよね。
彼女は幽霊としてのキャリアも長いし、いわゆる「神に近い霊」として学園の相談役的立場にあるのかもしれない。もしかしたら設立にも結構深く関わってたりして。
>由梨「その日は突然訪れるの」
つまり人間と同じなんだよな。この作品は「幽霊」を通して実は人間の死生の問題を描いている。
>由梨「ある男が居たとするわね」
この「ある男」って光源氏だよなぁw
>奏菜「……柊哉くんが、あのとき……、かすみちゃんが消えちゃったときにね、すぐにまつりちゃんの名前、呼んだでしょう?」
>奏菜「私ね、それがなかったらきっと、勝手に私だけが辛いみたいに思いこんで、一人で泣いてたかもしれない」
これが奏菜ルートとまつりルートの違いか。奏菜は基本的に他人を思いやる子だから自分より大変な子がいると思うとしっかりしちゃうんだよなー。
>まつり「…………」
これ、最初メコスジ見たことを咎めてるんだと思ってしまったw
いや、どうしても最初そっちに目がいくじゃんかー!
>まつり「怒ってるんじゃ、ないの? あたしのこと、責めたくて探してたんじゃないの?」
その発想はなかった。いや、実際怒るって選択肢もあり得るわなこの状況だと。
>まつり「あたしが、悪いんじゃない」
>まつり「あたし、あたしが……悪いんじゃない。だって、こんなことになるなんて……思わなかったもん。知らなかったもん」
「お?」っと思ったシーン。まるで子供が言い訳するみたいだけど、実際彼女(だけ)が悪くないというのはその通りでもある。ただ、エロゲのヒロインがこういう感情を吐露するってのは非常に珍しい。やっぱヒロインってアイドルなわけじゃん。こういう時にアイドルが求められる行動ってさ、「あたしのせいでかすみちゃんが……あたしが悪いんだ……めそめそ」ってしてプレイヤーの分身たる主人公に「キミは悪くないよ」「そうなのかな?(一応ちょっと悩んでみせる)」「もしキミを世界が糾弾するなら、僕は世界と戦う!」「キャー嬉しい抱いて!」ってな感じじゃん。ところがまつりちゃんは「あたしは悪くないもんっ」て言い切っちゃう。こんなんAKBが言ったらスレッド炎上で大変なことになってしまいそうだが、自己啓発系の人ってこういう嫉妬めいた他人叩きが大嫌いだから(奏菜のところで書いた>『自分勝手』な奴らを顔真っ赤にしてキチガイみたいに叩きつぶそうとするのを眺めて「醜いなー」って思う感覚 のことね)敢えてまつりをこういうキャラにしたんだろうな。ただ、本当にプレイヤーがまつりちゃんを嫌っちゃったらまずいから、その前に「私がきちんと伝えなかったのが悪かったbyすみれ」「私も気付いてあげれなかったby由梨」「僕も悪かったby柊哉」(柊哉お前は本当に悪い。切腹しろ! bydov)と散々フォローを入れているわけですな。いきなり「あたしは悪くない」って言わせちゃうとAKBのように叩かれること必至だから、まずは他の連中にも至らない点はあったことを明らかにして「ああ、誰が悪いってことでもなかったんだよな」とプレイヤーに思わせておいたわけだ。
>まつり「なのに……壊れちゃったら、狂っちゃったら、消えなきゃいけないに、決まってる。決まってるもん」
>霊も、人間も、一緒くたには出来ない。
更に「あたしもいずれかすみちゃんのように消えなければならない運命」と示唆することで「ああ、まつりちゃんもまた被害者なんだ」(いや被害者とはちょっと違うけどさ)とプレイヤーに同情させる作戦。そうだ! 加害者として糾弾されたくなかったら被害者面をすればいいんだ!
>まつり「最低でしょ? みんなに怨まれて怒られて、当然の存在なんだよ」
更に「本当はあたしも悪いと思ってる……」と自己糾弾も忘れずにいれておくことで彼女の言い訳は完璧なものとなる。まあ大半のプレイヤーは彼女の言い訳なんて聞いちゃいなくて、ピンクのしまパンから浮き出たぷっくりお○んこを見るのに忙しい気もするけど。パンツを見せたから無罪! それでいいと思うよ。
>柊哉「寂しくないって、自分に言い聞かせるの?」
啓発セミナー開始。
>柊哉「もしもし、まつり」
あーこれ俺も思ってた。携帯で喋ってるフリすれば怪しまれないよね。
>柊哉「……思ってること、話してもいいよ。一人で抱えてるの、辛くない?」
サア全テヲ告白スルノデス!
>まつり「……長くなっても、電話、切らないでくれる?」
洒落た台詞だ。
相変わらずカウンセラー気取りの柊哉にイラッ☆とするが出来る限り無視しつつまつりの話を聞く。
>まつり「あたしの手で……、あたしが強く願ってしまったせいで、桐野ちゃんが消えちゃったんだってわかっても……」
>まつり「それがね、すごく辛くて悲しいことだってわかってても……」
>まつり「あたしね、自分が消えなくていい理由を、いっぱいいっぱい、探してる」
この辺は雪花との対比も意識してるんだろうね。雪花は五体満足だったのに自殺してしまったし、幽霊になっても最後には消えてしまった。まつりは死にたくて死んだんじゃないし、幽霊になっても「生きようと」している。もちろん雪花から見ればまつりの在り方はきっと自己中で傲慢だろうし、彼女のそういう面を感じていたから雪花は自分の世界でまつりをいじめの主犯に置き換えたんだろうけど。
朝起きると部屋にいるまつり。しっかし彼女のやってることってホント地雷行動だらけだよな。可愛い女の子だから許されるけど、どうでもいい相手だったら嫌われても仕方ない行動だらけ。
>まつり「あのね……可愛いって、あたしの文字褒めてくれたのね……」
>まつり「……桐野、ちゃん」
楽しい日常に悲しみを紛れ込ませて「本当は無理してるところもあるんだよ」。お約束の手法だけど綺麗に決まってた。
そしてまた柊哉の啓発セミナー。ホントこれさえ無ければ手放しで褒められるゲームなんだけどなあ。シナリオ中1回くらいならいいけど話の半分が啓発セミナーってどんだけユーザーを洗脳したいんだよ。
>「学園で待ってる まつり」
告白シーンですね。啓発を終えると女の子が「キャー教祖様抱いてー」となるわけです、ハイ。
>柊哉「そっか……、やっぱり「まつりだから」なのかな」
>まつり「幽霊らしくない?」
まつりは「幽霊」という枠を跳び越えようとするキャラなんだろうね。
>だからこそ……これ以上踏み込んでいいのか、本当に悩んでしまうんだ。
ハイハイ悩んでるフリ。どうせまつりちゃんとチョメチョメするんだろうが!
>柊哉「でも、やっぱり……空、なのかなぁと」
>まつり「……でも、やっぱり……、どこかで、見守ってて欲しいよね」
>まつり「……そうじゃないと……寂しいもん」
>まつり「そうじゃないかもしれないって、わかってるけど……」
>まつり「その人がそこに居た跡みたいなのが、だんだん少しずつなくなって行ってしまって……」
>まつり「それが立ち上がることだってわかっていても、やっぱり……近くに欲しいと思ってしまうのは……」
>まつり「桐野ちゃんもさ……ちょっとだけ、見てくれてると、いいな。怒ってないと……いいな」
>まつり「わかんない……、怒ってても、怨んでてもさ……、見ててくれると、いいなぁって」
ここはシビれた。ここでのまつりの台詞はいわば「これまでの物語」、雪花や雛菊や奏菜の物語、あるいはエンディング曲で歌われた内容の総括なんだよね。人が死ぬってのはやはり悲しいことだし、「あの時あれを伝えられたら」「あの時ああできたら」と後悔することだってある。生き残った私たちは彼らが何らかの形で存在していて欲しいと思う。それは彼らを思うが故でもあるし、自分だっていずれは逝くのだから自分のずっと生きていたいという気持ち故でもある。ただ、生きている限り亡くなった人にいつまでも引きずられるわけには行かないわけで、どこかで割り切って私たちは前に進まなければならない、幽霊は消え去らなくてはならないわけだけど、それでも幽霊に消えて欲しくないという気持ちは自分のエゴだと分かっていても棄てきれない。
……これを、生きている者の感慨を、既に死んでいるまつりが口にするのがファンタジーだ。彼女は「幽霊」の枠を超えてこれから「生きよう」としており、「幽霊」にできるはずのない「恋愛」をしようとしている。死に対する諦念を超えようとしている。それがOPで歌われる幽霊と人間との重なり合う旋律であり、ソラの花(ソラに浮いているってことは、既にその花は死んでしまっているのだけれど、人に強い感情を呼び起こすことはできる)のイメージなのであろう。
一連の告白シーンは、死に対する感慨を踏みしめながら、死を跳び越えようとする力強い生の躍動を感じた。確かに現実ではあり得ない話だが、私はこの物語を、物語ゆえの優しさをとても美しいと感じたのだ。
いやー、「死を乗り越えて二人で生きる」とかタッチ以来何千回も繰り返されたテーマだろーとか言われると、ハイソウデスネとしか答えられませんが-。
>柊哉「それで、いいと思うよ。それでまつりが立ちあがれるなら」
>柊哉「前に進めるなら……それでいい。考え方なんて、なんだっていい。その人の指標になるなら」
感動がクソ主人公の啓発セミナーで台無しである。主人公がコイツであったことが返す返すも惜しい。いや、感情論じゃなくて多少は理屈付けて批判するとさ、こいつが常に上から目線なせいで「二人で前に進む」物語じゃなくなってるんですわ。あくまで前に進むのはヒロイン1人で、主人公は遙か先の安全地帯に立って偉そうにあれこれ指示してるようにしか見えなくなるんですわ。ここまで精巧に組み上げられたラブストーリーが、ここまで美しく整えられた告白シーンが、こいつのせいで全部パー。極上の料理にハチミツをぶっかけられた気分だよ!
>僕の影が、一人分だけ伸びている。
OPを意識した表現ですな。
>僕たちは今、二人でいるはずなのに、本当は僕は一人ぼっちで。
>これからもずっと、ふとした瞬間にそれを気付かされ続けるんだ。
お前じゃなければその言葉も納得できただろうけどなー。
ぜんっぜんまつりの隣に立ってないじゃんお前。
>柊哉「……わからない。ごめん……僕一人じゃ、答え、出せなかった」
常に上から目線の教祖様による「キミと一緒に考えたい」アピール。
どうせこのシーンが終わったらもう悩むフリなんてやめてお猿さんみたいに腰振るんだろーが!
>まつり「これって、『生きている』ってことじゃ……ないかな?」
>けれどその壁をまつりが壊す。
>まつり「それよりずっと、柊哉と居て幸せなこと、楽しいこと、嬉しいこと、いっぱい待ち受けてるって、思うんだよ」
スゲーいいシーンだー!
けど寝取られたような気分にしかならないのは何でなんだー!
……ハァハァ。
このシナリオはロックが掛かってるわけじゃないけど、できれば一番最後にプレイした方がいいと思うな。これまでのシナリオが霊と人間の限界を強く感じさせるものだったからこそ、そこを乗り越えようとする二人……じゃなくて一人だな……が本当に眩しく、力強く感じられるのだから。「ハッ、障害が大きいほど愛が燃えるって典型的なロミジュリだろうが」とか言うなよ-! (ちなみに告白前夜、柊哉が「お互いの身分が違う」って考えてたりする)
>まつり「……すいません、出来ないですね」
ここの声優さんの演技にニンマリ。「あ~~~っすいません、出来ないですね(テヘッ」って感じ。
>まつり「比較的プラトニックな、レーティングC指定くらいの感じでお願いしたいところです」
パソコンの使い方を知らなかった癖にレーティングは知ってるというね。
>まつり「……おはよう、柊哉……。起きて?」
すっげー優しい呼び方。胸がドキドキするね!
>奏菜「つ……付き合ってる、の? 柊哉くんと、まつりちゃん?」
>一樹「……そっか。2人が……」
スッゲー微妙そうな反応。
いいねいいねー、そうじゃなきゃロミジュリは燃えないよー!
その後の白々しい盛り上げ方もいたたまれなさが増してグッド。
>一樹「……大丈夫か?」
>柊哉「……大丈夫だよ」
>一樹「なら、いい」
一樹くんカッケー!
対するめんどくさい子こと奏菜ちゃんは根掘り葉掘り尋ねてくる。これが違いですなー。
>まつり「……あたしたち、大丈夫だよね?」
多分大丈夫じゃね? 幸せなエンドを迎える気しかしない。(外れることに定評がある私の予想にしては珍しく合ってました)
テレビのチャンネルを回すと東北地方が表示される。え、そっち? 仙台って地下鉄あったっけ? (ググる)あったー!
おおー、これで色々繋がったぞ。仙台のかまぼこと言えばそりゃもー笹かまぼこでしょー! 駅の画像も仙台駅東口だね! よく訪れてるお城は仙台城か! しかし仙台で「幽霊の学校」とか言われると色々思ってしまうことが。……まあ、最近亡くなった学生の幽霊いっぱいいそうだよね。
>まつり「ううん。想像とかではなくて、順当に成長してた場合の、あたしの姿なのかなーと、思ってる」
まさかここで、
>すみれ「私たちのような優劣は少ない。生前視力が悪かった者も、体が弱かった者も、衰えはないと聞く」 (共通)
という解説が活かされるとは。さすがSkyFish、本当に必要なことだけキッチリ説明入れてくれてるなぁ。
>まつり「でも、自分の姿とかは変えられないんだ。顔とか、手足の長さとかも」
>まつり「でも、今は出来ないけど頑張ったら出来るようになるかも」
>まつり「そういうもの?」
>まつり「そういうものだと信じる!」
まつりの発想が凄いな、と思うと共に幽霊の学校が凄いな、と思った。まつりみたいにポジティブな幽霊も世の中にはいっぱいいるんだろうけど、1人(幽霊の数え方ってこれでいいのか?)のままだったらこういう発想には至れなかったと思うんだよね。みんなで集まって人間と共同生活する場が作られたからこそ、まつりみたいな幽霊がこういう発想もできるようになったわけで、学校を1つ作ったことがどんどん可能性を広げているわけだ。おそらくまつり以外にもこれまでの発想の限界を打ち破るような幽霊がいっぱい出てくるんだろうねー。
デートという障害。
>奏菜「……虚ろな感じで……、髪の長い女の子が歩いてて、わ、私……なんだか、寒気がして……」
いかにもな幽霊像。髪が長いってことは雪花じゃないね。
それにしても、こんだけ幽霊だらけの学校に迷い込んでくる幽霊ってのもすげーな。幽霊って基本的に別の幽霊を避けるものじゃないのか?
雛菊の扱いが酷い。寝てる間になんちゅー真似をw
資料室で雛菊が倒れてたってことは、これは雛菊を閉じ込めた幽霊と同一なのかな? 資料室はなんかヤバイようだ。
>長嶺「空気……霊の居る場所の周りに気温の低下が見られることが多いんです」
>長嶺「それを調べるための……機材なんですね」
心霊現象を科学的に語るのはなんか面白いな。
さてここで選択肢。
>「先生に話す」「先生には黙っておく」
これまで散々ディスコミュニケーションの弊害みたいなことをやってたし、先生に言わなければ明日雛菊の体に入ってまつりがイケナイことをするに違いないので正解は分かりきってる。まつりが入った雛菊とエッチできる「先生には黙っておく」こそが正解だな!
>まつり「……体が……欲しい……」
なんかエロいなw
>先生に、話すべきだったんだ。まつりを、止めるべきだったんだ……
ユーザーフレンドリーな解説。
そして雛菊CGへ。これ、確かに雛菊から微妙にまつりっぽさを感じるのがものすげーな。
>まつり「柊哉と……もっと……」
>まつり「肌を……重ねたいんだ……」
キターーーーーー!
……けどエッチシーンなかった…… OTL
>奏菜「柊哉くん……、見えないの……? みんな、居るよ……?」
なぜ柊哉ば幽霊が見えなくなったのか。妄想丸出しで理屈付けるとこういうことじゃないかな。
柊哉がまつりから受け取った霊が見える力は「まつりを見つける(そしてまつりの死を悲しいと言ってくれる)」というまつりの願いを叶えるためだった。だから柊哉がまつりを認めなくなった時点で目的を果たせなくなった能力は柊哉の中から消えてしまった、と。
>杏「……兄さん、私はいつでも、兄さんの味方です」
>杏「兄さんが自分を許せなくても、その心の傷はすぐには癒えなくても……」
>杏「私は……兄さんの味方ですから……」
これ、実は杏ちゃんにとって最高のエンドのような。
このエンドについては栞を見ると、「移り気」「浮気な人」と書いてある。うん、まつりは幽霊である自分を受け容れて恋をしようとしたのに、その気持ちを忘れてしまった。このエンドについては「悪い」のはまつりであって、柊哉が「悪い」わけではないと思う。……って何で俺はあんなやつを擁護してんだ。
しおりはあと2枚。色を見る限り両方ともまつりなのかな。
「ロード画面だよ。わたしに会いに来てくれる?」という雪花ちゃんの誘いを振り切り先程の選択肢に戻る。まつりちゃんin雛菊のカラダとエッチしたかったなー! そういう背徳的なエンドがあってもいいと思うのにー!
>まつり「え……? え……、由梨さん……。びっくりした……、どうして、ここに……」
>由梨「偶然通りかかっただけよ」
嘘吐け-! ずっと見てたんだろ? いかがわしい目で! 俺は知ってるからなー!
>由梨「……一人で、抱え込んでいてはだめ、あなたは、いつも一人で考えている気になる」
>由梨「貴女は本当は想いを吐き出すことで考える人間なの。本当はいろいろなことを、話したくて仕方がないはずよ」
まあ啓発セミナー的言説ですがこれは個人的には許容範囲かな。じっさいまつりは困ると必ず1人になりたがる描写があったからね。かすみを消した時もそう。デートが上手く行かなかった時もそう。
>由梨「私はもう一度貴女を失うなんて……、そんなのは嫌よ……」
キマシタワー!
いやこれ一週目(まだおまけシナリオ見てない時点)のプレイメモでそう書いてたんですが、まさかマジでやるとはw
>奏菜「そんなの、いいよ」
雛菊の扱いホントひでぇやw いや「雛ちゃんはどうでもいい」って意味で言ったんじゃねぇって分かってるけどw
>奏菜「それより、まつりちゃんが心配なんだよ」
あ、そういう意味だったw まあ奏菜から見ればめんどくせー孤高女よりも友達の方がよっぽど大切でしょうな。
まさかの奏菜ちゃんによる啓発セミナー開始。奏菜導師! 僕の相談にも乗って下さい!
この後すみれちゃんがまつりを心配するんだが、なんか構図がシュールで笑ってしまった。すぐ傍に真っ黒い悪霊がいるのにそれを放置してのんびり会話してるとかw
>まつり「雛菊に……、彼女に、何か言われたの?」
>まつり「……そう。でも、貴女に危害を与えようとしたんじゃないよ」
>まつり「あの子、誤解されやすいし、口調きついけど……、悪い子じゃないんだよ」
まーた雛菊は余計なことを言っちゃったのか!
ところで危害は「与える」じゃなくて「加える」ものじゃないかな? かな?
>由梨「…………」
駄目だw 二週目に見ると性的な意味の視線としか思えんw
>まつり「……ただいま」
またもや奏菜BGM。いや一々指摘するこたないけど気になるんだもんよー!
>まつり「ううん、今はね……なんだか収まった感じ」
収まった理由がさっぱり分からん。素直に考えると禁断症状の時期が過ぎたってことになるんだろうけど。
>まつり「あたし、やっぱりわかってても、悪い感情、溢れてきたら流されちゃうから……、わかって、欲しいんだ」
まつりって生きてたら多分オタクとか嫌悪するタイプになってたよねw
コミケ帰りの紙袋持った連中見て「キモッ」とか言ってそうだw
>まつり「老婆心、なんて……」
実際BBA……。
>まつり(ここは……柊哉の夢の世界のような場所……。あたしが作り出した、幻覚の世界なの。
>由梨「そういうのには、蓋をするのよ」
これが長生きの秘訣か!
>由梨「だからまつりが、……成仏って言うのかしら? 幽霊にはならないで、転生して、またこの世に生まれたいと願うなら、きっとそれは叶うわ」
>まつり「……実際には、叶ってなくても?」
>由梨「実際には叶わなくても」
映画か何かで見たことあるな。死の床に瀕した人の死への不安を和らげるために坊さんがこんな話をするシーン。坊さんが話す内容もまさにこんな感じだったな。つまりこれは歴史に裏打ちされた死に逝く者への慰めの言葉なんだよ! さすが由梨さん伊達に歳はとってない!
>由梨「貴女だけじゃないわ。誰だって、生まれたときから、最後は死ぬのよ」
幽霊という題材を扱ってるけどベースはあくまでここにあるゲームだからねー。
シュウくん登場。仮に彼が当時3歳だとしてまつりは27歳くらいということに。あれ、思ったより歳喰ってねーな。
>まつり「お姉ちゃんの腕見る? 注射のあと、いっぱいだよ?」
長いこと病人やってる人って病気自慢したがるよな。
>まつり「……あたし……、このまま眠るように、死んでいくんじゃないんだね……」
この辺にちゃんと触れているのは死生を扱った物語として誠実だと感じる。
>あたしは、シュウちゃんにいろんなことを話した。
>少しでも……あの子の心に、何か残せるように。
死ぬのは良い。忘れられるのが怖いってやつか。
>由梨「本来の友達を遠ざけて、小さな病室で、小さな男の子に……何を語って、自分を保っているの?」
こういう言い方されると確かにまつりの行動はなんか気持ち悪いなw
>由梨「あの子が、悪いんじゃないわ。死を、理解できないのだって……、仕方のないことで……」
だが、ショタに覚えて貰おうという目論見は外れたのであった。
>あたし、勝手だ。
>シュウちゃんのためになんて、言って。
>何かを遺したいだなんて、言って。そんなのウソばっかりで。
>あたしが、ただ単に、悲しんでほしかっただけで。
>死なないで欲しいなんて、言ってほしかっただけで。
「死ぬ人にとっての最大の慰めは、自分の為に泣いてくれる人がいることだ」って話はよく聞くけど、私にゃ理解できない話だな。死期が近付いて初めて理解できる話なのかもしれんけど。
>まつり「同情されるのも、可哀想って言われるのも、嫌。嫌なの」
>まつり「……こんな気持ちで……、死ななきゃいけないんだったら……」
>由梨「ねえ、もう一度、考え直して。本当に、それでいいの?」
うーん? 考え直してどうにかなる話じゃないだろ、こういう感情は。
忖度するに、作者の中では「まつりはシュウちゃんに死を悲しんで貰えなかったせいで自暴自棄になってるけど本当はみんなの気持ちを受け容れたいと思ってるんだよ」ってなってるのかもしれないが、実際嫌だろ、管に繋がれまくった自分を哀れんで見られるのは。男の俺だって嫌なんだからオシャレに興味がある思春期の女の子なんて心底嫌だと思いそうなもんだけどね。
>由梨「……私が、悪いのかしらね。私が……、長く一緒に居過ぎた?」
この由梨の発言については何故こんな言葉が出てきたのかさっぱり分からなかった。客観で見られるプレイヤー視点では「病人の話し相手になって気を紛らわせてあげてるんだからあんたの存在はむしろプラスだろ」としか思えないのだが、まつりが気分を害しているのを見ている由梨としては「私がいけないのかも」って思っちゃうのかなー。
>まつり「……由梨がいたから……、由梨みたいに、ずっと一緒にいてくれる友達を求めちゃったんだ」
>まつり「そんな人、いるわけないのに」
そうかもしれないが由梨もいない状態よりはマシじゃね?
>本当は、由梨が居てくれたから、今まで大丈夫だったのかもしれない。少しだけ、気持ちが落ち着いて、だから……
>由梨……、こんなにも、ずっとあたしの傍にいてくれたのに……あたしの都合で……
>本当はずっと傍にいたかった。もっともっと、ずっと一緒にいたかった。
ですよねー。上の発言はお互い気が立って売り言葉に買い言葉で出ちゃったと。
この辺の声優さんの演技がかなり良い。
>もしも……会うその時が違ってたら……、もしも、あたしがお姉ちゃんじゃなくて……
>シュウちゃんが、あたしと同い年で……、そうだったら変わってたかな……
>もしも、あたしが由梨みたいに、幽霊になって……
>ああ、でもダメか……。シュウちゃんに、あたしは見えない……
>この力が、シュウちゃんにあったなら……
>シュウちゃんに、幽霊が、見えたなら……
>そしたら……、大人になった、シュウちゃんに、会えるかな……
>会いたいな……。どんな子に、なってるんだろう……
花が柊哉に飛んでいく描写。何の花かは教養が足りずわかりませんでした。しおりモードで確認したけどどれかに似てるって感じじゃなかったし。
ところでここの病院CG、液晶TVがあるのはまずいだろー。年代設定がおかしいぞー。
>由梨「まつり……」
あんた姿消してただけなんかい!(と、初回プレイは思いましたが、おそらく心配して戻ってきた由梨の姿を力を失ったまつりはもう見ることが出来なかったという描写か)
>柊哉「……この力は、まつりがくれたものだったんだ」
>まつり「……あたしが柊哉に会えるように……、霊になっても、柊哉のことを忘れてしまっても……」
>まつり「そこに可能性があるように、あたしが望んで、残した」
あーなるほど。だから一樹や奏菜、雛菊と違って柊哉だけ親戚で幽霊が見える人がいなかったんだな。
OPでの二人の出会いはまさに運命的だったと。
>まつり「あたしが勝手に望んだせいで、あたしが、この力を柊哉に渡して」
>まつり「そんな想いを……、あたしは、世界で一番大好きな人に、させちゃったんだ……」
一回死にかけてるからなー(杏シナリオだともう一回)。
さすが傍若無人ヒロイン。
>まつり「柊哉……、あたしが死んで、悲しい?」
>まつり「答えて……、柊哉……」
答えをはぐらかす柊哉。
>まつり「ねえ……、柊哉……」
>まつり「あたしが死んで、悲しい?」
>柊哉「え……?」
お前はボケ老人かーっ!
そして選択肢。
これ、「悲しい」って答えたらまつりの望みが叶って消滅しちゃわね?
えーいだったら望みは叶えてやらんぞ! 俺がジジイになっても少女の姿でイチャイチャして貰うぞ-!
>柊哉「だから……傍に居て」
>まつり「うん……約束する。ずっと……、柊哉の傍にいるよ……」
>柊哉「探して行こう。2人だけで……誰に認められなくても、構わない……」
>まつり「うん……、うんっ……」
主人公が柊哉じゃなければすげー感動できただろうなぁ……。
>まつり「柊哉に、触れたい。もっと、もっと、柊哉に近付きたい」
>まつり「柊哉と……一つになりたい……」
まさかのロリまつり(いや当時も15であるはずなんですが)とエッチシーン!?
>まつり「こんな……こんなこと言って、嫌われないかな……」
>まつり「あたし……あたし、本当は、ずっと、柊哉と……」
「こんなこと言って、嫌われないかな」から続けて「本当は、ずっと、柊哉と」と繋げられると「わたしはショタのシュウちゃんに発情してました」って聞こえちゃうんですがー。あと流石に腕は注射針だらけじゃありませんでした。
>まつり「だってあたし、柊哉のこと大好きだもん。なんとかするよ!」
恋で全ての障害を乗り越えるって話素敵だよね-!
まつりが見てる前で自慰。ヤダーまつり幽霊なのに精液がかかってるじゃないですかー! これも霊能力で再現してみせたんだろうか。
>杏「……誰にやってもらってるんです?」
半分分かってても見逃してくれる杏ちゃんマジ天使。
>杏「あの、私、兄さんのことが好きなんですけど」
>杏「いえ、恋愛感情の「好き」です」
>杏「辛そうだったら、私が奪いに行きますので」
キミは良い子すぎた。
もう少し積極的に好意を示してくれたらもっとキミを好きになれたなー。
>幽霊は、……原理はわからないけれど……、自分の世界を作り出すことが出来る。僕たちで言う、夢の中の世界。
>僕が良くわからずにいたら、「ホラー映画で、怖い夢を見せたりするでしょ?」と言われた。
これ、喩えとしては雨月物語で骸骨になった妻がダンナとチョメチョメする例を挙げた方が適切だと思うけど。まー雨月物語を知らない人もいるか。
>空を見上げるとその場所に、小さな花が見えた気がした。
>それは、僕だけに一瞬だけ見えた花……
>そっと、空に手を伸ばす。
>僕だけに見えるこの花を――
>僕は、君に送るから――
ソラの花の意味については告白シーンで書いた通りの理解をしているけれど、やはり取って付けた感が否めないな。そしてエンディングへ。他のヒロインはかなり後の時間を描いているのにまつりは1年後なのが「やっぱりこれは一時の夢に過ぎないのかな」という不安が消えず、儚くも美しい。
クリアすると「おまけシナリオがオープンしました」との表示が。しおりを見にいくとその途中のエクストラ画面に「bonusおまけシナリオ」の文字が点灯。とりあえずはまつりのもう一つのエンディングを見に行きましょうかー。おっとその前にしおりを読もう。
このエンドを象徴するのはジャスミン(茉莉花・白)。「素直」「可憐」「愛らしさ」「官能的」「誘惑」といった意味があるらしい。彼女らしいイメージだが、彼女は幽霊であるせいか綺麗過ぎてそこまでエッチに積極的って感じはしなかったかも。生きてればまさに官能的な女性になったのかもしれないけどねー。
選択肢に戻り、「やはり悲しいことだ……」を選択。
>まつり「辛い……、辛いよぉ……。死にたく、なかった……」
>まつり「生きて、いたかった。柊哉に触れたかった。体温を、感じたかった」
こういう言い方されるとやっぱり幼いシュウくんにロクでもない劣情抱いてたように聞こえちゃうんですけどー。
>まつり「……あんまり、時間……なさそうだなぁ……」
ま、こうなりますわなー。
>まつり「仕方ない……か……」
これはまつりらしくない言葉かも。諦念は彼女に似合わない。まーあがいたところでどうしようもないってのがあるし、彼女は目的を達しちゃったから「もういいかな」って気分になったのかもしれないけど。
>まつり「……奏菜ちゃん、いっつもあたしのこと考えて、思ってくれるから……大好き。すごく、感謝してるの」
消えると思うとこういう素直な言葉が出てくるってやつですね。
>雛菊「……貴女、もしかして……」
今日も雛菊サマの勘が冴え渡る。この子と付き合ったら浮気とか絶対できないよね。
>まつり「だから……、ずっと意地張ったままじゃ、駄目だよ?」
最後まで理解できなかった要素。主人公に対してだけかもしれんけど、雛菊って外面良くても本音は隠さない(隠せない)ヤツだから、こんな子がリアルにいたらむしろ弄られキャラになるとしか思えん。
>柊哉「まつりならさ、これから何でもできるよ。だって、こんな短期間でいろいろ出来るようになったんだし……」
>柊哉「これからもさ、いろんなことに挑戦してよ」
死亡フラグみたいな台詞を吐きやがって。
>まつり「芽が出て、それが成長して……綺麗な花が咲いて……」
>まつり「そうして種が出来て、枯れて行く。そうやって、巡っていく」
ここからがこのルートにおけるテーマ。
>柊哉「居なくなって欲しい時は、どうしたらいいの? ずっと傍に、居てほしい時は?」
>まつり「その想いだけ、伝えてあげたらいい」
>まつり「生きているって、どういうことなのかなって、最近よく考えるんだよ」
>まつり「ここに、存在することって……どういうことなのかなって」
>まつり「「生」にはいつか終わりがあって、いつか「死」が訪れる。それは当然のことで……」
幽霊なので「生」「死」がカギ括弧で括られている。
>まつり「でも、小さな言葉が、小さな思い出が、その人が居なくなってしまったとしても……世界の中で、生きている」
>柊哉「そうかも、しれないけど……、だから悲しくないわけじゃ、ない」
>柊哉「別れが……辛くないわけじゃ、ないじゃないか」
>まつり「……いつか、誰も死なない世界が来るのかな?」
>柊哉「……来たらいい。来てほしいよ」
>柊哉「その場所で……まつりとずっと一緒にいたい」
>まつり「あたしは、幸せだよ。柊哉」
>まつり「あたしの言葉は……この世界でずっと生きていく。記憶から抜け落ちても、誰が言ったかわからない言葉になっても……」
消えゆく存在にこう言われてしまってはもう、かけてあげるべき言葉なんてないよな。
今を大切にして、彼女の消滅を受け容れて、後は悲しんであげることしかできない。
>まつり「今日はね、行きたいところがいっぱいあるんだからっ、笑ってよ、柊哉っ!」
ここの声優さんの演技が凄すぎる。空元気(いや、心底楽しみたい気分でもあるんだろうけど)というか、泣きたい気持ちを抑えて前向きに喋る感じが凄くよく出てる。どれだけの努力を重ねてこんな演技に至ったのか。
>まつり「あ、でもカレールーは結構な進化を遂げてるよね……! なんか美味しそうだもん……!」
そうなん?
>まつり「「2日間煮込んだ味!」とか、どういうことなのって思う……っ。食べてみたい……!」
>柊哉「普通に美味しいけど……、そんな変わんないと思うよ?」
>まつり「あー、やっぱりルーはそういうものなのか……」
ですよねー。
>柊哉「野菜食べずらいよ!」
お馬鹿っ! 「食べづらい」でしょ!
>まつり「あたしね、欲しい物があって、望むものがあって、幽霊になったの」
>まつり「多分、あたしだけじゃない。みんなそうなの」
>まつり「何か……一番望みがあって、それを叶えるために幽霊になって……けれど、その望みに対して一番大事なことは忘れてしまう」
>まつり「すぐには、叶わないように」
>まつり「あたしたちに与えられた、試練みたいに」
この辺はご都合主義設定だけど、作品として扱いたいテーマの装置だから仕方ないか。
>その手が、透けていて。
奏菜の時も手から透けたわけだけど、何で奏菜ルートでまつりは消えかかったのか結局わからんちん。
>まつり「何もかも、理解して……生きていたいって、行きたいって、思ったらね」
>まつり「全ての世界が、今までとは違って見えたんだ」
>まつり「街を行く人々も、緑も、花も……」
>まつり「吹く風の音も、誰かの声も、何もかも……」
ここまでは凄く良かったのに。
>まつり「その世界であたしは生きていて……、あたしの世界で一番愛する人が……大好きな人たちが、生きてる」
>柊哉「まつりも……いるよ。僕の中にまつりは居て……僕が生きてるんだから、だから、まつりも……」
ここ、まつりの台詞で「その世界であたしは生きていて」は要らなかったんじゃないかなあ。まつりが「あたしは生きていて」って言ってるのに柊哉が「まつりも……いるよ」と応じるのは変。もちろん「生きる」の意味が生者と死者で違うのは伝わるけど。
>まつり「勝手だけどね。生まれ変わるまでの時間は、柊哉のことを見守ってる」
>まつり「それで生まれ変わって……、柊哉の傍に居るの」
>まつり「そんなこと出来ないかもしれないけど、あたしは出来るって信じてる……」
>まつり「自分が生きていたことを……自分の死を……やっと、受け入れられる」
望みを叶えて、自分の死を受け入れることでやっと幽霊は消えられるんだね。
この後惨めったらしく柊哉がまつりを求めるのはナイス。何だやればできるじゃないか主人公。最初からお前がそういうヤツだったらなー。
消える瞬間を描かない演出。
>ずっとは、泣いていられないけど、楽しいことが、これからたくさんあるけれど……
>時々、ふとした瞬間に……
>きっと、まつりを思い出す
>柊哉「……お腹、空いた」
初回プレイではこの>「……お腹、空いた」で初めて涙腺決壊したんですよ。ああ、これが生きるってことだよなぁって。抽象的に美しく語られるよりもこういう地に足の付いた表現が好き。なので――
天使まつりちゃんCG。
わははははは!
正直これは笑ってしまった。やりすぎだろー! あざとすぎだろー! 千の風になるあの曲じゃないんだからさー!
>僕だけに見える、ソラの花を。
>天使になった、キミに送るから。
うわー、ト書きでも天使って書いちゃった-。ハズカシー!
これはライターさん本気で感動させようと思ってやったんだろうか? それともまつりに湿っぽい終わりは似合わないと思って、わざと笑えるようなオチにしたんだろうか?
>しおりモードに「グランドルート」が追加されました。
このエンドを象徴する花はジャスミン(黄)、花言葉は「素直」「可憐」「優美」「幸福」「優雅」わははは似合わねー! まつりに「優美」とか「優雅」とか似合わねー!
-おまけシナリオ-
>まつりと会った時……、私はこれを、運命だって、そう思ったの
なんか出だしから不安になるBGMだなーw
>私は、まつりと、これから一生を、2人きりで生きて行くことができるのだから!!
ちょっとちょっとナニコレ!
>由梨「はぁ……、まつり……」
>由梨「大好き……、愛してるの。まつり……」
ヽ(>ヮ<ヽ)≡≡(ノ>ヮ<)ノ
CGまで用意して妄想世界展開してますがな(唖然)。
>由梨「この街のホテル街の場所は、既に把握ずみよ……」
ここの声優さんの喋り方に笑った。はあくずみよ~♪ って感じ。
>由梨「ねえ、私……まつりのことが、ずっと好きだったのよ」
二人でホテルに入ってから告げるのかよ!w
>由梨「……そうして……、……に……ぷれ……、物では……、……サプラ……、……。そう、すれば……」
もはや何言ってるのかわかんねーw
>時計を見ると、私が教室に来た時刻から、もう1時間半も経過している。
あるよねー。
>由梨「ちょっと、人類の文明と、その進歩について、考えていて。そうしたらなんだか止まらなくなってしまったのよ」
てきとー極まりない言い訳。
>今、私は……この男と、天秤にかけられている……?
イヤダヨネーコウイウノ。
>……悔しい。
>悔しい悔しい悔しい。
雪花たんのBGMにて。
おいおいこんなしょーもねー理由で悪霊化したら爆笑なんですけど!
>私の方がずっとずっと前からまつりを思ってたのに。
ここは「想ってた」の方がよくないですかー?
>あの子が思い出して、そのまま消えてしまうことを怖れて、何も出来なかった。
やっぱりそういう理由だったんですね。
>由梨「看病……ですって……!? まつりが……献身的に……? 手料理なんかも振る舞って……、おかゆを……?」
妙に具体的な妄想。わざわざおかゆって単語をチョイスしてるあたり、奏菜シナリオで薬草がゆを絶賛してたことも考えると作者はおかゆ好きなんだろうか。
>まつり「柊哉~」
まつりちゃんは笑顔でそわそわ可愛い。
>由梨「はっ……! あの男を衰弱させることには成功したけど、まつりがすごく心配している……!」
嫉妬に狂っても悪霊化しないあたりやっぱすげーんだなこの人w でも衰弱させるとかやってることは悪霊と大差ないというw
>由梨「……中條くん」
怖い、怖いよ!
>由梨「ちょっと……いいかしら。話したいことがあるの……」
マジで不機嫌そうな声。
>全く! 本当に煮え切らない態度!
>これが最近の男の姿なのかしら? どうしてこんな男に……
いいぞ! もっと言ってやれ!
>由梨「……完敗、だわ」
騙されるな-! こいつは口八丁だけで何もできない男だぞー!
>柊哉「僕は、由梨さんにずっと、まつりの友達で居てほしいと思ってるよ」
今日も教祖様の弁舌が冴え渡る。
>由梨「ありがとう、貴方と話せて良かったわ」
>由梨「貴方、いい人ね。悪い人じゃなさそうで、良かったわ」
由梨の敗北確認……。
>由梨「本当よ。抱かれてもいいかなって、思うくらい」
なんかすっげーNTR感が……。作品の主人公にNTR感をここまで覚えた作品は生まれて初めてだよ!
このシナリオのまつりってみょーに可愛い。これが彼女パワーか。
>由梨「……まつり。少しだけ待っていてね。私も、そっちに行くから……
3Pキターーーーー!
>まつり「入院してた時は、時々だけど、妙にべたべたしてくる幽霊だなぁとは思っていた」
なんという由梨……もとい百合の園。
つーか柊哉とまつりが仲良くなるのにしかめっつらしてたのはそういう理由かよ!
>まつり「ねえ、柊哉……、たまにだったら……」
ちょw
>柊哉「だめっ! 絶対、だめ!」
こうして主人公は綺麗な役回りを死守するのであった。
どうせまつりに押し切られるフリをして今後も3P楽しむんだろうがな!
>由梨「……中條くんが亡くなるまで……ね……。ふふ……ふふふ……」
随分気の長い幽霊だな!
とはいえ確実な手段であるのも事実なので、なんか生々し過ぎて嫌だw
>由梨「……え? 私の本当の想いはどうなのかって?」
>由梨「さあ……ね。それは、神のみぞ知るって……ところかしら……?」
これ、「ifです」って主張しているのが由梨本人な上に本編と何ら矛盾しないから「本当に由梨は百合だった」と解釈もできちゃうんだよな。読者のご想像にお任せするってスタンスなのだろうけど。
俺? 俺はもちろん百合は由梨説に一票!!!!
-グランドルート-
しおりを読んでから物語に入るという、これまでとは逆パターン。スミレ(菫)の花言葉は「つつましい幸福」であるそうだ。てことはヒロインはすみれ先生!? でもエッチ枠はもうさっきのifで使い切っちゃってるじゃねーか!
>授業内容は少しだけ実践的になってきて……
>実際に霊に遭遇した体験談について、回避方法についてなど……
これ、楽しそうだよね。
いや本当に命を狙われる身としては洒落になってないんだろうけど。
>去年、私立蘇芳学園に入学した僕は……
>……いろいろな、体験の中で……
ここのスライド演出いいね!
とりあえずこのルートはまつりが存在し続けるルートの続きって位置づけのようだ。うーん、私はもちろん存在し続けるルートの方が好きだけど消える方が美しいって思う人もいるだろうから、「グランドルート」って名前を付けるのは良くない気が。
これだとまるで「まつりが存在し続けるルートこそがTrueですよ」と言ってしまってるかのようだ。
>現実でも、その……まつりにしてもらったりしているわけだけど、流石に言わないでおく。
まつりの能力がより精妙に!?
>奏菜「一樹くん、のろけ菌が移るから逃げよう?」
○○菌って言い方好きだよなーSkyFish。
>まつり「柊哉、興味あるよねー?」
>柊哉「いや、どっちかというとまつりのほうが……。なんか最近マニアックなことばかり覚えてくるし」
>まつり「え-、嫌なの?」
ちょっと-! そのシーンもシナリオに入れて下さいよ-!!!! せめて回想シーンに!
>長嶺「個人的に、仲良くなれればなんて思っています。チャンスだけでも、いただければと」
長嶺先生がすみれ先生をお誘いするシーン。SkyFishは教師ネタ、しかもなんか教師の悲哀を感じる系のシナリオがやたら多いけど教師経験ある人(まさか現役教師だったりしてw)がスタッフにいるのかな。
>すみれ「……無理です」
男性経験の少ない女性は「無理です」多い男性は「駄目です」って答えるって昔読んだ恋愛マニュアルに書いてあった!
>蘭子「私は……、ずっとすみれちゃんと一緒に暮らしてるよ?」
ええええーーー!?
>蘭子「あれ? これでいいんだっけ?」
可愛いw
>一樹「……いいな……、長嶺先生、絶対もてるはずなのに……下野先生狙いとは……」
すみれ先生に失礼だろw
>蘭子「お友達の枠をちょっと越えた、親心みたいなものなのよ!」
>雛菊「……親心……?」
今日も冴え渡る雛菊の勘。あんた浄霊師なんかよりギャンブラーの方が向いてるんじゃないか?
>雛菊「……蘭子さんって……」
>雛菊「下野先生の、お母さんなんじゃないの?」
初見ではここまで蘭子さんの正体に気付いてませんでした。ダメダメだな俺。
>お母さんだけは、私をちゃんと見てくれた。
霊が見えない人でみえる人を受け入れてる例って実は彼女しかいないよね。杏もルート入ると受け入れようとし始めるけどかなり抵抗あったみたいだし。
>すみれ「……お母さん……」
制服姿のすみれ先生を可愛いと思ってしまった。この頃は結構母親に似た髪型をしてたんだな。
>蘭子「貴女のように、霊の見える人たちが集まってて……、そこにね、幽霊さんたちは、たまに遊びにやってくるの」
>蘭子「そこで、普通にお話して、出かけたりして……」
>蘭子「人間の友達も、幽霊のお友達も、出来るような場所」
>蘭子「そういう場所があれば、きっと、救われる人も多くなる」
>蘭子「私たちは、苦しむだけの存在じゃなくなるわ。きっと……、きっと……」
>すみれ「そうなったら……、貴女は、幸せになりますか?」
>蘭子「今も、幸せすぎるくらいだけど。……そうね。きっと、そう」
>蘭子「私ね、この世界で生きて、……亡くなってしまって、こんな姿でこの場所に居るけれど……」
>蘭子「それで、誰かに何か残せるなら、何かが出来るなら、こんな幸せなことってないわ」
学園が生まれた経緯はこんな小さな家で、娘の母に対するありふれた感謝の気持ちから生まれた。ありがちだけどいい話だよね。ホッとする。
>そうして、遂には私の手を離れて、話がどんどん大きくなっていき……
なんかきっと日本の巨大霊媒組織みたいなのが動いたんだな。政財界の大物にも深く繋がりのあるようなw
>すみれ「理事長?」
BGM雛菊のテーマ。こういうのやめてよー! キャラのイメージソングはそのキャラのためだけにつかったげてよー! いや予算の関係で曲数減らすとこうせざるをえないというのは分かってるけどさー!
>でも……私のせいで、すみれちゃんが前に進めないのなら……
すみれが自分の生を満喫するためには蘭子が成仏しなければならない。
>すみれ「そんなの……そんなのどうだっていいっ!」
>すみれ「私は……お母さんが居てくれれば……、それだけで……それだけで、良かったの……」
ここの演技は凄かった。声優の藍川珪さんは『九十九の奏』でお名前を拝見した程度だけど上手い声優さんだぁ~。
>まつり「……おかしい……」
>蘭子「え……?」
「え」と思わず蘭子さんにシンクロしてしまった。
>まつり「おかしい、おかしい、おかしい! こんなのだめだよ! ぜったい、おかしいよ!」
>まつり「思い出したから……満足したから……、それで終わりじゃないよ」
>まつり「確かに……蘭子さんが居なくなって、そうして出会える人もいるかもしれない……」
>まつり「でも、蘭子さんと一緒に居たって、歩める未来はあるはずだもん!」
まつりらしい身勝手というか「子供な」理屈。おめーそうは言うけど「心残りを解消できたら成仏」のルールはここまで絶対だったわけで、無理なものは無理だと思うぞ。
>まつり「じゃあ……、もう、遺されたあたしたちのことは、心配じゃないですか……?」
>まつり「最初は、そうだったかもしれない。でも……次の目標を見つけたって、いいと思う」
なっ!? 心残りの再生産!?
>まつり「……幽霊たちが、笑える場所。ここはそういう場所で……」
>まつり「一人でも多くの幽霊に笑って欲しいんじゃ、なかったですか?」
畳み掛けるまつり。まさかの!?
>まつり「この場所にはまだ、蘭子さんが必要で、蘭子さんの場所がいっぱいあって……だから、ここから居なくなること、ないですよ」
>蘭子「でも……私……私は……っ……」
>蘭子「ここに……、ここに、居たい……っ! すみれちゃんと、一緒に居たいよぉ……!」
>蘭子「離れたくない……みんなの成長も、もっともっと、いっぱい見ていたい……」
>蘭子「この間、種を植えたお花だって……まだ、芽が出たばっかりだし……」
いいのかよこれw 勝手に心残り増やして生き残り(もう死んでるけど)を図ろうとしてるぞw
>蘭子「でも、私のせいで……すみれちゃんの、邪魔をして……私なんかに縛り付けて……」
>蘭子「もっと、もっといっぱい、いろんな人と話して、恋だって……してほしくて……っ! その可能性を……私が、奪ってる気がして……」
そうだよその問題どーすんだよ!
>すみれ「……もう、お母さんは全部……思い出したんだから……。ここからまた新しい道が、始まるだけだよ……」
>すみれ「離れて、行かないで……、一緒に行こう? 私を……一人にしないんでしょう? お母さん」
娘からの激しい攻勢。
>蘭子「ここに……居ても、いい……?」
>すみれ「私は、一度も居ちゃだめなんて言ってないよ」
>蘭子「……みんなも……いいと、思う……? こんな、選択……」
当然みんな大賛成。雛菊ちゃんのツンデレが笑える。
そしてホントに消えずに済んだ蘭子さん……マジかよw
いや、理屈は分かるけどそれで蘭子さんは救われて、かすみちゃんと雪花ちゃんはどのシナリオでも救われないってどういうことかとw
真面目に考えると、おそらくこれは霊能力の差なんだろうね。蘭子やまつりや由梨は霊能力が高いからこういう無茶も許されるし長い間存在できる。かすみちゃんや雪花ちゃんは能力が低いから消えざるを得ない、と。そういう絶対的な格差が存在して、その格差の中で上層の人たちだけがこういうハッピーエンドを迎えられる物語だと考えると中々黒いものが。ただ、「学園」の存在がなければそういう上級の霊もおそらく生存の道は開かれなかった(あるいは非常に限られてた)はずで、確かに格差は存在するけれども上級の霊がまず先に幸せを得ることで霊の可能性ってものが広がって、やがては下級の霊も幸せになる道が広がっていくのかもしれないなーと思います。人間社会もそんな感じじゃないですか。
>雛菊「個人的には、霊が……霊になった当初の目的を達成したにも関わらず、ここに残ると言うのには疑問が残るけどね」
うん、ぼくもそう思う。
>一樹「……蘭子さんに対する口調が、優しくて可愛すぎる」
ですよねー。
>蘭子「はっ……! ここに、私は、眠ってないってやつね……!」
>すみれ「……風になってもいませんけれど」
その曲、何度かこのゲームのプレイ中に思い出しました。ハイ。
>雛菊「意外とこの街って、見るところあんまりないのよね。年に1回くらいは必ず来るわ」
確かに仙台はそんな印象。3回しか行ったことないけどね。しかしこの花園ってどこをモチーフにしてるんだろうなー(2014年1月4日追記: きっとここだ! http://www.pmiyazaki.com/kyusyu/huistenbosch/tu_3.htm しかし経営危機らしいんですが、大丈夫?)。
>まつり「今年も楽しみだし、多分来年も楽しみだし、再来年もきっと楽しいし……」
>まつり「楽しくて幸せな時間が、きっといっぱい続いて行くって、思う」
>まつり「もちろん……辛いこともあるのかもしれないけれど……それを乗り越えた先に、きっとまた幸せがあって……」
>まつり「それを信じて、あたしは、柊哉と生きて行きたいです」
幽霊と人間はやっぱり相容れないという話から始まって(雪花ルート)、遂にこの物語はこんなところにまで到達した。そんなに長い物語ではなかったけれど、一つ一つのシーンが味わい深くて宝物のような作品だったと思う。
>空にだけ咲く花が存在するなら……
>物を所有できないまつりにも、既に消えてしまった大切な人たちにも……
>きっと、変わらずに想いを、届けてあげられる気がした。
>柊哉(この花を……君に贈ろう)
>そうして、この世界で。
>僕たちは……生きて行く。
そういえばこのシナリオ文句付けてねーなと思ったけど、そうか柊哉の啓発セミナーがなかったからか(最後に酷いオチ)。
-全体を通して-
雪花シナリオは、一般的には「自分から一歩を踏み出すことの大切さ」「人の輪に入ることの大切さ」を描いた物語と言えるだろう。ただ私はそういう考え方が好きではないのでややアクロバットして「まつりや蘭子といった光り輝く存在の影の気持ち」「どうしても光を憎まざるを得ない影が一瞬だけ光と交わる機会を得られ、そこに刹那的な救いを見いだす気持ち」を描いたものだと解釈した。ただいずれの考え方を採るとしても、「幽霊というものが人間とは決して同じではない、相容れない部分もたくさんあること」を示したシナリオという見解は一致すると思う。
雛菊シナリオも、人間の立場から描いたとはいえ雪花シナリオとテーマは共通していると言って良い。しかし雛菊が抱えている悩みはそう大きくないので雪花とは異なり彼女に萌えるシナリオだと捉えても良いかもしれない。また、彼女は「霊の居場所を作ることで救う」奏菜とは真逆の「霊を成仏させることで救う」という役割を担っている。この2つの考え方はどちらが一方的に正しいとは描かれず、例えば雪花やかすみのように(今更だけど名前からしてこいつら儚いよね)「弱い」存在であれば雛菊のやり方の方が幸せになれ、蘭子のように「強い」存在であれば奏菜のやり方の方が幸せになれることが示唆される程度である(まつりはどちらでも幸せになれる)。
杏シナリオは、近親キャラのお約束に漏れず主人公の過去に迫る。とはいえ大した情報が提示されるわけでもなく、単に彼女に萌えまくるシナリオと解釈しても良いかもしれない。また、杏くらい理解のある子でも相当受け入れるのが困難という形でいかに霊が見える人がこの世界で異端であるか、分かり合えたつもりでも一般に霊がいかに危険な存在であるかも描かれる。
奏菜シナリオはこのゲームでも特にデキの良いシナリオで、幽霊=死と向かい合う苦しみが描かれる。ただ彼女が下した結論自体は「関わってしまった以上付き合っていくしかない」という感じで、周りに流された感があるのでプレイヤーに迫ってくるものは少ないかもしれない。もちろんそれはそれで彼女らしい結論だとは思うのだけれども。
まつりシナリオ前半はいわばここまでの4ルートの総括、そしてそこからの飛翔と言えるだろう。まつりは非常に「強い」子として描かれており、雛菊が耐えられなかった「自分が意図しない除霊」奏菜が大いに苦しんだ「死と向かい合うこと」を乗り越えて、雪花シナリオでは至れなかった「幽霊と人間との恋」を実現している。「幽霊は消え去るべきもの」という雛菊の考え方に基づいたエンドと「幽霊の居場所になって仲良くやっていきたい」という奏菜の考え方に基づいたエンドの両方がグッドエンドとして用意されており、「死」に対するアンビバレンツな感慨を象徴している。
グランドエンドはまつりシナリオでも描かれた「可能性」をさらに発展させた。幽霊は願いを叶えれば消えるもの、だったら新しい願いをどんどん作っちゃえ、という斜め上の発想で学園という存在がもたらした「幽霊」の進化を描いた。一応雛菊が浄霊の為の発想を提示してまつりが蘭子の居場所を作るという共同作業で幽霊に対する2つの考え方が止揚されたと見られなくもないが、蘭子が消滅しない幸せを描いた以上雛菊の考え方は否定されてしまったと受け取れなくもない。ただ、蘭子は「強い」霊であるから、「弱い」霊に対しては依然として雛菊の考え方が有効であるのかもしれない。学園は比較的「強い」霊ばかりを集めたわけだし、現時点では「弱い」霊の方がずっと数が多いことも示唆されているしね。
-後記-
何でこんなド長文を上げたかというと、ひとつは、こういう感想を自分が読みたいなと思っているからです。
アニメや漫画だとやってる人いるじゃないですか。シーン1つ1つを取り上げて思ったこと、考えたことを書いているようなブログが。私はそういうのを読むのが大好きなんです。自分が感動したシーンを他の方はどう感じているのか、自分と他人との感想の違いはどういうところから生まれるのか。そういうことを考えるのが楽しくてしょうがないんですよね。
しかし、エロゲーでこれをやって下さる方は殆どいません。というか私は今まで見たことがありませんでした。その理由はもちろん、アニメや漫画が比較的小さい区切りで提供されるのに対してエロゲはドカッと大きな固まりで提供されるので、全てを書き上げるのにもの凄い労力が必要ということがあるのでしょう。批評空間でもたまに長文を上げる方はいますが、それはあくまで物語から要素を抽出してその抽象的な要素について長々と語っているだけで、シーン1つ1つを細やかに語っているものではないんですよね。私はClover Pointが大好きでマルセル様が5万字以上もの感想を上げて下さった時には本当に歓喜したのですが、中を読んでみると半分がファイヤーエムブレムの話で、残りも夜々シナリオのごく一部でしかなく、とてもガッカリした覚えがあります(そういう感想が悪い感想だとは思いません。ただ私の期待とは異なっていたということです)。
しかし、エロゲーの物語的完成度は決してアニメや漫画に劣るものではないと私は考えています。だからこそ、気に入った作品のシーン1つ1つについて語りたい! 他の方が語っているのを聞きたい! ずっとそう思って来ました。もし同じように考えて下さっている方が拙文を読んで楽しんで頂けたら、これ以上の喜びはありません。……とはいえ、かなり主人公批判ばかりの内容になってしまったのは申し訳ないと思っていますけれども。
もう一つは、既にお察しかと思いますが私はSkyFishの作品が好きだからです。このメーカーを多くの方に知って欲しいからです。とはいえお金貰って書いてるわけじゃありませんよ。お家で使ってるお出汁はトビウオ出汁ですけれど。
ここのメーカーの作品はとにかく誠実という言葉がよく似合っていて、音楽も演出も声優さん選びもシナリオも全てに職人気質といいますか、ちゃんとプロとして一手間かけてるなと感じる作品を常に出してきます。あまりシナリオの評判は良くないですが、それはエロゲ界で醸成されてきた「お約束」といいますか「メーカーとプレイヤーとの間の暗黙の了解」を全く守らないからに過ぎないんですよね。例えばマックに入ってジャンク感溢れる「あのポテト」を期待していて、出てきたのが非常に手間暇のかかった料理人の「じゃがバタ」だったとして、大抵の方は「想像と違ったけどこんな美味しいじゃがバタを食べさせてくれて嬉しや~」とは思わないでしょう。しかし、ここまでを読んで下されば(少なくとも私がそう主張している根拠は)ご理解頂けたかと思いますが、このメーカーさんはキッチリとテーマを決め、プロットを組み、ドラマとして仕立て上げるという基本的な作業を決して怠りません。その上で決してテーマや設定が押しつけがましくもなりません。こういうメーカーって希少だと思うのですよね。
とはいえ、知名度のある作家さんなら許されることであってもこの業界で「質は裏切らないが期待は裏切る」というのはやはり購入に躊躇してしまうものだと思います。例えばこのメーカーの『キスよりさきに恋よりはやく』は批評空間で中央値70点平均点66点と散々な評価で、大抵の方はその数字を見た時点で購入意欲が激しく失せると思います。軽く擁護しておきますと、この作品は通常別々に語られるヒロイン別のルートをチャンポンで提示して「今自分がどのヒロインを攻略してるのか分からなくなる」というトンデモナイ真似に挑戦した怪作だから点数が低くなりました。しかしプロットやテーマがグチャグチャかというとそんなことはなく、キチッと作品として筋が通り成り立っているのも事実です。「そんなことが可能なのか?」と思われたプロットオタクはプレイしてみるとよかですよー。少し脱線してしまいましたが、確かに大抵の方は「職人気質なんざどうでもいい。とにかく俺を怒らせないような作品を作れや」とお考えだと思います。しかしきっと「多少のことには目を瞑るからきちんとプロの仕事をしたものを、他にないものを、お前だけの主張のあるものを出してみろ!」と思っている方も少数ながらおられると思うのです。じっさい、そういう作品も多いであろう同人ゲームの売上げは近年商業エロゲの売上げ減に反して伸びているとも聞きます。そういう方にはSkyFishのゲームが合うかもしれないと私は期待するのです。
ですから私の望みは2つ。1つはSkyFishのゲームがもっと市民権を得て、語ってくれる人がもっと多くなること。もう1つは、今回私が書いたような感想を、お好きなゲームで書いて下さる方が現れることです。もしもある休日の朝起きるとシーン1つ1つについて語られた長文の感想が上がっていて、エロゲのディスクをPCに入れ、コーヒーでも用意して、他の方の感想を読みながら一緒にゲームを読み進められる昼下がりが来るとしたらこれ以上の喜びはありません。ないはずです。
以上、長々とお付き合い下さりありがとうございました。万が一ここまで読み通して下さった方がおられるのなら、心よりの感謝を申し上げます。THANK YOU!