後一歩、後一歩があれば!
人工3のレビューのときに
「求めてるのはガンパレのエロゲ版」
と書いたのですが、やってくれました。
今までのイリュ作品はストレスが溜まる物が圧倒的に多かったのですが、今回は「これができたらもっと良かったのに」とポジティブに捉えることができました。
なぜポジティブに感じられたのかを考えると、本作は今まで不満が集中していた操作性、動作の軽快さが大幅に改善されたことが大きいと思います。
■キャラメイク
今までの人工シリーズと違い、カスタマイズの幅は狭まりましたが、制限したことによってキャラ同士のアクションに整合性を取れるようになったのか、キャラの身長も変更できるようになりました。
また、見た目も大体かわいらしく出来上がります。
男キャラも作れるけど、あまり気にしませんでした。
声のバリエーションはかなり豊富。同じ性格でも声の高さを5段階で変えられるので、結構違って聞こえます。
ただ、台詞のバリエーションは少なめ。
性格は半分で良いから台詞のバリエーションを倍以上にして欲しかったです。
■動作の軽快さ
過去作は一人表示でもGPU全く使わずに限界だったのが、複数人表示でも重くならない。
今回は色々と工夫したようです。
複数CPUを使う、GPUを多少使う(10%程度)、背景は1枚絵にする(PSのバイオハザード方式)、マップ画面上ではローポリゴンモデルを使う、ハイポリゴンはHシーン、会話時のみ。
要するに3D技術の向上ではなく、実力に見合う方法で軽くしようとしたわけですね。
技術進歩が無いことにはガッカリですが、無理して重くされるよりは遥かにマシです。
カスタムレイド3Dは背景も3Dでキャラも2人表示されても高FPSで動く上にCPUも一個しか使わないので、カスタムレイド3Dのエンジンを買ってしまった方が良いと思うんですけどね。
■操作性
今まではキャラクターの体をマウスで触ろうとしたり、3Dマップの移動先をクリックして移動だったりしましたが、今回は動作を選択して実行という形式になりました。
マップ画面では、目的のキャラや場所を選択するだけで移動。
Hシーンでは、体位を選択するだけ。
自由度は大幅に下がりましたが、今までのように思ったような行動ができないってことは無くなったのでストレスは感じなくなりました。
Hシーンで部位毎に行動を選択できるともっと良かったですね。
■Hシーン
モーションはかなりエロいです。
台詞は種類が少なめで、エロさは声優の差がかなり大きい印象。
これも、上手い人だけでやって台詞を倍にして欲しかった理由です。
あと、部位毎にアクションができてリアクションやゲージに影響がでればもっと面白かったですね。
■システム
ガンパレードマーチのような会話システムがあります。
クラス内のキャラで勝手に行動し、人間関係が構築されていくので、何をしてるのかは見てるのもちょっと楽しいです。
残念なのはキャラの行動パターンが極めて少ないこと。
授業を受けるのも、部活に出るのも自由にして、キャラが授業を受けたり部活に励んでる様を見ることができれば、もっと良かったです。
後はなんでも良いのでゲームの目的付けをすると評価が上がったかも知れませんね。
「誰かの学力を一定以上にする」「特定のキャラ同士を恋人同士にする」等の目標が提示されて、それを達成すると衣装や選択できるパーツが増えるとか。
他のシステム面での不満点は以下の通り。
・起動ディスクが必要(何が目的で入れてるの?)
・マウスをウィンドウから外せない(地味に鬱陶しい仕様ですよね)
■ 総括
「~ができれば、もっと良かった。」いう記述が多いように、全体的に不満点は少なく、今までよりもかなり完成度は高いと思います。
あと一歩が出せれば、名作になってたかも知れません。