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doomさんのひだまりバスケットの長文感想

ユーザー
doom
ゲーム
ひだまりバスケット
ブランド
eufonie
得点
65
参照数
1554

一言コメント

主人公を許容できるか否かにつきます。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

基本的にキャラも立っているし日常もそれなりに面白いんですが・・・
いざ佳境に入って問題が発生すると
途端に主人公のダメさ加減が浮き彫りになります。

作中で深美にも言われてますが「誰にでも優しい」は褒め言葉ではありません。
特に問題が起きてヒロインやその他が苦しんでいるのに
主人公は周囲の「彼は優しい」の評価につけ込んで一人懊悩するだけです。
最終的に解決するのは成り行きや他者の援助など外的要因によるものがほとんど。

とくにかすがと番長シナリオが酷い。
以下、激しくネタバレです。


かすがシナリオ:
義理は結婚できるということを知っているかどうかは不明ですが
周囲に関係がばれて猛反発を喰らいますが説得もせずに逃げの一手にはいります。
信頼がどうの言うならダメ元でも説得しないんでしょうか。

特に母親は何度も苦しめられ、酷い想いをさせているのに
それを知りつつ隠れて逢引とか正気の沙汰かと思います。
血の繋がり以前に、親のこと信頼してねぇだろ!

なので最後に自宅に戻るシーンは茶番にしか見えず失笑ものでした。


番長シナリオ:
番長いじめに気付くのが遅いのはまぁいいとして、問題は知ってから。
目の前で彼女が苦しんでいるのを知りつつ何もしません。
どころか見かねた深美がいじめっこに物申すのも止める始末。

番長が引きこもってしまい、標的が主人公にシフトしても不動。
その上、自分が標的になったのを番長に暴露してさらに苦しめます。

かすがといじめっ子の浅慮によっていじめが発覚するんですが
その時、番長が切れて退学も覚悟で絞めようとするのも故意に止めません。
割って入って代わりに叩いたのはいじめっ子の親友でした。
その役、お前がやるべきだろ!

その親友も叩いた後にいじめっ子を諌めた後、
見て見ぬ振りをしたクラスメイト達を声高に責めます。
はい、せーのっ・・・お前が言うな!!!!


ただ上記の粗はライターが主人公の優柔不断さを出すために
敢えてそういう書き方をしてるようにも見えました。
どっちにしろ僕には合いませんでしたが。
逆に主人公以外はすごく高水準なんですけどね。
もったいないです。