原作小説のゲーム化と言う企画のようです。テキスト・シナリオ・グラフィック、いずれもゲームタイトルからは想像できない程かなりの高水準。人間を襲うゾンビが街に溢れる中、自分だけがゾンビに襲われない主人公が、自由奔放に振る舞いつつも、ヒロインの深月と接するうちに、徐々に心境が変化していく姿が面白いです。尚、本作だけでは完結しない点にはご注意ください。以下、項目ごとの感想等。
【グラフィック：95点】
人間・ゾンビ・背景等々、全般的に文句ない仕上がりです。
人間に関しては、造形の良さもそうですが
表情差分の描き方と切り替えのポイントが絶妙です。
原画家やグラフィッカーの方々は
かなり原作を読み込んだ上で作られているのではないでしょうか？
また、ゾンビに関しても相当な力の入り方です。
グロさ・禍々しさ・損壊の具合・女性ゾンビの綺麗さ・知性の有無等
ゾンビにまで個性が完備されており
それをCGと言う形で見事に描いているのは素晴らしいの一言。
【音楽：75点】
特別に良いとまではいきませんが、作品の雰囲気を演出するのに十分な音楽でした。
【システム：75点】
可もなく不可もなく。
【シナリオ：80点】
序盤は『緊張感のないゾンビモノだなぁ…』と言う印象でした。
早々にゾンビ姦を実行する主人公の大胆不敵なところに感心しつつもなんとなく読み進めていました。
そして、街の現状が明らかになっていくとともに、高まっていく緊張感。
と、本作はいいところで途切れてしまいましたが、
振り返ってみればこの辺りの緩急の付け方は面白かったですね。
初めから、ただゾンビが溢れたホラーゲーだったとしたら、ここまで楽しめなかったでしょう。
【エロシーン：90点】
今まで想像しつつも出会う機会のなかった
肉体的にフレッシュなゾンビ姦を丁寧に描いてくれたのは、個人的に大満足。
シナリオと合わさり、少しずつ体の状態を確認していく過程がエロかったですね。
また、深月の表情の変化は、
完全にテキストとシンクロしていて、とても実用性が高かったです。
食料を供給してもらうためと理屈は分かっていても、嫌悪感を抱きつつ手コキする状態から
いつしか主人公を頼もしく思うようになり、
口には出さずとも主人公を徐々に受け入れていく過程が
エロシーンにも上手く表現されていて、とても良かったです。
【総評】
総合的に高水準なゲームと言って差し支えないと思います。
（原作は読んでいませんが）本作はまだ中盤には差し掛かっていないような印象を持っていますが
価格は2,000円ととても安価ですし
ここまでプレイできるだけでも、2,000円の価値は十分にあると思います。
ただ、分割作品であることは、事前に何らかの形で表記して欲しかったですね。