シナリオゲーです。個人的に、キャラの魅力が極めて薄いのが難点。全体的な物語の構成は、とても練られて作られていると感心しましたが、『面白いか?』と問われると『あまり面白くない』と答えたくなる作品です。以下、項目事の評価など。
まず前置きを。
中盤でかなりだれて投げ出しそうになったので
それなりにスキップを併用しつつ
適当にテキストを読んでプレイしてます。
読み飛ばしている・勘違い・理解が足りない等の事態が含まれている可能性が高いですが
文中で推測言葉で書き続けると読みづらくて仕方ないので、そのまま断定口調で書いています。
その点を踏まえてご覧ください。
【CG:85点】
綺麗です。
【システム:70点】
可もなく不可もなく。
【演出:60点】
欲しいシーンにSEがなく、迫力に欠ける場面がそれなりにあります。
何章か忘れましたが、かなたの高速着替えシーンはさすがにパッチを出した方が良いと思います。
【テキスト:80点】
読みづらいですが、独特の言い回しは作品の雰囲気を出すのに良い効果が出ていると思います。
誤字が結構あるのが少し気になりました。
【キャラクター:50点】
登場人物の魅力が皆無です。
エロゲーと言う媒体である以上、個人的にはかなり評価を落とさざるを得ないかなと感じたポイントです。
登場人物同士の会話について
・軽い日常会話
・色恋沙汰等で煽り合う会話
・魔法の本を開いた状態での会話
これらが主になっており、キャラクター本来の人となりを理解するためのソースが少ないです。
それが伏線の一部になっているので仕方ないのかもしれませんが
全てのキャラクターがペラペラなライターさんの駒でしかないように感じました。
更に揃いも揃って登場人物が、クズか、気が狂ってるか、ヘタレかで
人間としては見るに絶えないレベルでした。(人間じゃないのもいますけど)
【シナリオ:75点】
一言感想でも書いた通り、
全体的な物語の構成は、感心させられるほど、良く練られていると思います。
体験版をプレイし、シナリオ目的で購入しましたので、先を予想しながら読み進めていたのですが…。
朝令暮改といいますか、一度明らかにしたことが実は誤りだったと言う話の流れが多く
二転三転させる展開ばかりが続き、さすがにイライラさせられました。
そもそも、先を予想しながらプレイすることが誤りだと気づくまでは辛かったですね。
ここまでは私のプレイ方針が誤っていたとしても
キャラクターの取る行動が突飛過ぎてついていけない部分が多くあり
『なんかこの人勝手に切れてる』
『あっ、なんかこの人死んじゃった』
『理不尽な被害を受けて許せるとか、この人は頭おかしいのかな?』
と、なんとも言えない感覚でプレイしていました。
ただ、かなたのサファイアの件は、文句なく伏線回収が上手かったですね。
昔の告白時点からずっと主人公を想い続けて尽くしていたと言う点で、
かなたが少し魅力的に見えるかと思いましたが
冷静に考えると、そこまで主人公に惚れる理由も分からないですし、
命を奪われそうになっても笑顔で居られるのは、まともな人間ではないですよね。
ここもサファイアの演出でしか無いと思えば話の筋は通りますが
そうなると、『かなた本来の恋心はどれだけのものだったのか?』
『本来はただの普通の恋で、劇的に見えたのは全てサファイアの影響で、かなた自身は普通の人なのではないか?』
等々、別の面から問題が出てきて、とにかくすっきりしないですね。
【総評】
この作品ほど『なぜエロゲで出したのか』と思わされる作品はなかったです。
小説で出した方が良かったんじゃないでしょうか?
小説ならば、もっと素直に読み進められた気がします。
【蛇足】
どなたか、このゲームをじっくりプレイされた方の中で
闇子が妃や瑠璃の本を、本人そっくりに書くことが出来た理由がお分かりの方がいらっしゃったら
教えて頂けると嬉しいです。
現実で他人の視点から見ることしか出来ない、自分とは全く別の人間を
内面まで事細かに本に書くことは不可能だと思うのです。