基本はリアルな青春学園モノです。ほとんど会話したこともないクラスメイトに恋をするような、等身大の学生の恋愛を描いている点が好印象。また、それだけでは終わらない伏線も。以下、項目事の評価。
【グラフィック:85点】
基本的には、普通に綺麗なグラフィックなのですが
イベントCGを設ける場面が上手く、満足度が高い作品でした。
例えば、主人公とヒロインが付き合い始め、初めて手を繋ぐ場面等、
ちょっとした関係性の変化があった画面でイベントCGが設けられています。
その他の作品ではスルーされがちな場面ですが
恋愛を描くゲームにおいては、これらのちょっとした関係の変化は
とても重要な場面だと思うんですよね。
これらの場面を大事しているこのゲームは、私をとても満足させてくれました。
【システム:70点】
普通です。
【音楽:85点】
ED曲の『First Love』は曲単体でも良い曲ですが
作中にも関連した曲で、より一層好きになれました。
【テキスト:90点】
この作品において、私が最も満足した点です。
一言感想の繰り返しになりますが
ほとんど会話したこともないクラスメイトに恋をするような、
等身大の学生の恋愛を描いている点が、エロゲーでありそうでない要素で、とても満足出来ました。
会話の内容も同様です。
このような作品がもっと増えて欲しいですね。
【シナリオ:85点】
茜に偏ったシナリオなので、賛否両論ありそうです。
短くカットされているカナ&汐里ルートは、パンチに欠けるのは否めませんが
テキストとイベントCGの差し込み方等々で演出されていたので
私はそれなりに満足することはできました。
亜依ルートは、主人公が本当に亜依のことを考えて行動しており、好感が持てました。
このルートは、主人公の亜依に対する考えが、現実の主人公の茜に対する考えを全く逆にしたような構成で
現実の主人公にとっては皮肉のようなルートでしたね。
だからこそ、亜依ルートを経験した主人公が、TRUEのような行動を取れる原動力になったとも言えますが。
茜&TRUEルートは、伏線の総回収と言う意味合いが強かったように思います。
体験版の範囲から、『茜に偏った作品だな』とは思っていましたが
最後まで通して茜に偏ったゲームだとは予想していませんでした。
良い意味で期待を裏切られましたね。
全体としては、風呂敷を広げすぎずに、いい塩梅にまとめているなという印象です。
【キャラクター:80点】
ラブリーエンジェル、嫌いじゃなくなくない?
【総評】
リアルな等身大の学生の描写と、ちょっとした心境の変化を大事にした作風が
個人的にとても気に入った作品でした。
今後もこのようなテキストを書いてくれるのであれば
引き続き注目していきたいブランドですね。