エロゲーユーザーのためではなく、ヒロイン達のための物語。
一言で表すと、『家族愛』と『ルーンとの付き合い方』をテーマにした作品です。
以下、項目ごとの評価。
【絵:70点】
塗りがどんどん(変な方向に)進化していって止まらないですね。
特にひなたはやり過ぎなのでは?
【音楽:80点】
雰囲気を出すために十分なBGMが揃っていたと思います。
また、OP曲は特に良いですね。
【システム:75点】
可もなく不可もなく。
強いて言えば、オートプレイ時のゲージを消せるようにして欲しいですね。
あれが目障りで気になって仕方ないです。
【テキスト:80点】
自然とキャラクターの良さが滲み出るようなテキストは、相変わらず好みです。
テキスト面だけでも、似たような展開があまりにも多いと言う気はしますが
個人的にはそこまで悪いとは思いません。
【キャラクター&シナリオ】
『まりも:95点』
かわいい!
『葉月:95点』
かわいい!
『りんね:85点』
派手さはないものの、妹だけ自分が妹だと知っている状況の
背徳感や思い悩む姿等は雰囲気が出ていて良かったです。
事実を告げるシーンは主人公があまりにもあっさり受け入れて拍子抜けではありましたが
りんねが幸せになれたのであれば、それで良かったのかなと思います。
『落葉:85点』
コミュ障の父親に振り回される、可哀想な姉妹の話。
落葉と葉月の愚直なまでの姉妹愛が、健気かつ美しかったですね。
『一夏:80点』
全体的に地味でしたが、 ルーンが失われようとしている一夏の心理描写や
告白のシーンが印象的なルートでした。
『琴里:80点』
他のルートとは打って変わって、ルーンを嫌っているエルフィンである主人公と琴里の
傷の舐め合いのようなルートでした。
他ルートが似たような展開の中で、口の中の味をリセットする意味で面白かったです。
特に、琴里のルーンであるアポーツの由来が明かされるくだりは良かったですね。
ただ、最後の家族と再開するシーンはあっさりしすぎて拍子抜けでした。
両親ともにしっかりしてくださいよ…。
電話1本娘にかけていれば何の問題もなかったでしょう?
『コロナ:90点』
意外なことに、最もシナリオゲーらしいシナリオがあったのがこのコロナルート。
序盤は退屈かと思いきや、意表を突く展開から最後まで一気に惹きつけられました。
最後の最後の主人公のサイコキネシスロケットだけはちょっとアレでしたが
全体的に、とても良く出来たルートだったと思います。
『雪々:60点』
ゆきゆきなんていなかった。
【総評】
『家族愛』と『ルーンとの付き合い方』をテーマにした作品なのは良いのですが
どのルートも似たり寄ったりな展開が多く、ユーザー視点で見ると飽きてしまいます。
しかしながら、それぞれのヒロインが幸せに至るまでの過程として見れば
面白くはなくても、それはそれで良かったのかなと思わされます。
最後に全てを持っていく程盛り上げてくれると思っていた雪々ルートが
全然面白くなかったのがとても残念でした。
その分のマイナスを月ヶ園の園児達が帳消しにしてくれて
最終的に85点としています。