強烈な世界観と映画のような演出で表現された、百合ふたなり抜きゲーです。作品の雰囲気、演出、アニメーション、テキスト、CG。どれも商業作品すらはるかに凌駕したレベルで作り込まれており、属性が全く合わない方でも、プレイする価値があると思います。以下、項目ごとの評価等。
【CG:90点】
頭身低めの可愛らしいタッチなので好みは分かれるかもしれません。
私はかなり好みでした。
【ムービー:95点】
主にシナリオパートの肝となる箇所に導入されています。
Hシーンの最後等にもありますね。
CGのタッチをそのまま残した形で、極めてスムーズに動きます。
ごく一部だけムービー演出が入るのではなく
必要な箇所に必要なだけ、贅沢に導入されているのが好印象です。
【アニメーション:95点】
主に、普通のエロゲのようなテキストを読み進めるパートと
Hシーンはアニメーションが導入されています。
『立ち絵:80点』
独特の表情や動きは、立ち絵に置いては若干過剰演出に感じますが
テキストに応じた表情の変化等も表現されているので
総合的に見ればプラスです。
『Hシーン:95点』
複数のアニメーションから選択する形のシステムで
アニメーションのピッチをマウスホイールで自由に変更可能です。
マニュアルの選択も可能ですが、テキストを読み進めるにつれて
自動的にアニメーションが切り替わりますし
それでも物足りない場合は、アニメーションの切り替えもオートにできます。
【基本システム:50点】
Flashを使用している弊害なのか、基本システムはかなり貧相です。
セーブ枠は6枠、各所に演出が入るため、動作は若干緩慢、バックログが読めない等々。
しかしながら、基本的に作品の世界観に没頭してプレイできますので
不便ながらも、そこまで問題には感じませんでした。
【演出:100点】
私は基本的に最高点を95点に設定しているのですが、敢えて100点を付けます。
『随所に散りばめられた演出』
メニューを1つ開くだけでも、様々な演出が入っており、視覚的に飽きさせません。
また、ループ再生させればそれだけで製品になれそうなHシーンの演出を
たったの数秒のカットインのために使用していたり
とにかくこだわりを感じます。
『多彩なCGやイベントのアングル(特にHシーン)』
商業エロゲにありがちな、ヒロインの全身を枠に収めた形の
何の面白みもないテンプレCGに飽き飽きしている私は感動しました。
あらゆるカットがとても扇情的で創意工夫されています。
更に、テキストと連動する形で、アニメーションの切り替えや要所でのムービー演出への移行、
しかもそれらがとてもスムーズで、自然に表現されているのが素晴らしい。
単純にアニメーションを垂れ流すのではなく
テキストが進むに連れて、アングルが切り替わったり
ムービー演出が差し込まれる等、とても緻密に作り込まれています。
全商業ブランドの方々もこの作品をプレイして
何の面白みもなくてスキップしたくなるような、
テンプレHシーンから脱却して頂きたいですね。
【テキスト:85点】
作品の雰囲気の出し方が上手い印象です。
特に、各キャラが一人称視点で、自分の心理を語るパートがとても好みでした。
Hシーンにおいても、その書き方が上手く使われていた印象です。
【シナリオ:75点】
シナリオそのものは濃くはありませんが、
作品の雰囲気醸し出すためや、Hシーンの心理描写を活かすために
必要最低限の分がきっちり用意されています。
演出等も相まって、満足度は十分です。
作品の最後の締め方も個人的には好きでした。
【キャラクター:75点】
個人的には『イツキとカテリナ』の組み合わせがたまりませんね。
Chapter4は至高のChapterです。
その他にも掛け合わせはたくさんあるので
どれか好みのパターンがあるのではないでしょうか。
【Hシーン総評】
各CGの扇情的なアングル、アニメーション、演出等々
どれも最高の作り込みでした。
また、呪いと言う着脱式tnk要素を取り入れることで
攻めと受けが自在に切り替わると言う発想に脱帽でした。
【総評】
こだわりや作り込みが、信じられないレベルでぶち抜けている作品です。
それだけ手をかけて作った作品が、たったの約2,600円。
作品自体はフルプライスでも満足できる出来です。
しかもこれをたったの2人のスタッフで作っているらしいので
世の中恐ろしいですね。
商業作品とはなんだったのか…と思ってしまいます。
この作品をプレイしてしまうと、普通のエロシーンは見ていられなくなってしまいます。
恐ろしい麻薬ですね。