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diad004さんのシスタ×シスタ ~Lovevery Sisters~の長文感想

ユーザー
diad004
ゲーム
シスタ×シスタ ~Lovevery Sisters~
ブランド
Apricot Cherry
得点
70
参照数
2053

一言コメント

エロだけを目的とするならば納得できるが、恋愛を意識するならば鈴音先生関係のルートが納得できない。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

この作品、正直言って自分の中での評価は難しかったです。
CGや立ち絵の一部に多少粗さがあったものの許せる範囲内で、音楽・システム共に不満はありませんでした。
では何かというと、キャラ設定に対するシナリオの甘さとでも言うのでしょうか…


1週目(強制で攻略対象は鈴音先生)
最初主人公は愛歌が好きで、遠くから見ているだけだったが、鈴音先生の押しもあって告白してフラれます。
次に結果を知った鈴音先生が、愛歌が妹ということもあって、主人公と愛歌が恋人同士になれるように、擬似愛歌として主人公とデートをします。
ここで疑問が生じました。

鈴音先生は自らが語るように男が苦手でした。主人公の友達からの誘いも断りましたし、男性教師からの誘いも引き気味で断りました。
では何故主人公と擬似デートをするという現時点では難易度が高い事をしたのでしょうか?
主人公に相手が愛歌と知らずに薦めてしまった罪悪感からもあったでしょうが、そんなことを言ったら愛歌の気持ちを知らないのに、
勝手に擬似愛歌としてデートの約束をして愛歌の情報を簡単に主人公に渡すのは、姉としてもさることながら、一生徒として裏切っています。
鈴音先生が男が苦手という設定ではなく、軽い性格でノリで誘うのであれば、擬似デートは納得するのですが、
複数の生徒達から恋愛相談されていて、男を苦手とするのに主人公の事だけを考えて行動する不自然さに、かなりの違和感を覚えました。

結果として擬似デートによって主人公を特別に見てしまうようになり、主人公も鈴音先生と言うより女性の体を意識する事になって、
鈴音先生に告白→キス→胸を攻める→女性の肉体の味を覚えて堪らない状態→眠っている鈴音先生を襲ってH。
と、非常に速い展開で結ばれます。それもその間主人公がかなりガッつくユーザーとしても引く状態。
こんなので鈴音先生の事を好きと言っても説得力がありません。誰が見ても肉体に溺れているだけ。憐れで情けないです。

鈴音先生も「教師と生徒なのよ」と言っても、一度体を許せば飽きれる位簡単に落ちてむさぼり合う始末。
普通教師は生徒に対してもっと防波堤が高いはずなのですが、明らかに低く、アッという間に崩れるんだもんなあ。
お互いに好きだと言い合っても、肉体だけの幻の好意なのがちゃんちゃら可笑しいです。


2週目(対象は愛歌)
偶然にも愛歌の二面性を見しまって、言わないことを約束に距離が縮まったわけですが、この時点でその後の展開予想が…。
まあ予想どうりだったのですが、愛歌がここまでツンを徹底するとは思いませんで、これは良い意味で裏切られました。
主人公も愛歌に罵倒される中に少しづつ光を見出して、Mっケを見せながら距離が縮まっていくのが面白かったです。
正直マゾ系のキャラは嫌いなのですが、片鱗があるぐらいに留めた会話が楽しかった。
1週目の鈴音先生と同じで肉体関係に溺れはしますが、それまでの愛情経緯が十分だったので不自然さが感じなかったのが良かったのだと思います。


それ以降(姉妹ルート等)
姉妹ルートでも鈴音先生と主人公との状態は、1週目とかわらずに同じ違和感があり、そこに姉を取られると思った愛歌が参加。
その後3人で…。と、まあハーレムENDと言って良い終わり方。


結果だけ言ってしまえばそれなりに楽しめたのですが、やはり鈴音先生がからむシナリオには、どうしても感情移入できませんでした。
愛歌のシナリオが良かった分だけ、鈴音先生の不自然さが目立ってしまって…。
体だけを貪りあう滑稽でしか写りませんしたね。