主人公2人の成長と、登場人物一人一人の内面の描ききりを考えればこの得点。しかし・・・
タイトルだけでなく、作中の各種フラグはしっかりと全て回収しています。
それは素晴らしいし、丁寧に描かれた作品だとも思うのです。
しかし、蓉子や省吾のグランドルートでの関わり方やその設定は、
悪い意味でやはり架空の物語なのだなと冷めてしまう部分もあります。
グランドルートは通常ルートよりも一つ一つのチャプターがテンポよく読みやすいし、
視点が変わってもキャラ一人一人の思考が分かりやすく書かれています。
各キャラでルートを枝別れするよりも、一本シナリオで妥当なまとめ方をしたというところでしょうか。
ゲームをプレイしているという意味での後味は通常の3ルートのほうが良かった。
しかし、主人公2人の物語としてはグランドルートまでは前菜、ifのようなものでした。
グランドルートの意図を考えるたび、あくまでもこの作品にとっては
通常の3ルートはバッドエンドのような気がします。
物語自体は分かりやすいハッピーエンドですが、、、
CGや立ち絵や音楽は秀逸。
シナリオそのものに踏み込んでのみ意見を様々出したくなる作品であることは素晴らしいですね。