一言ではこの作品の良さも悪さも言い表せないでしょう。
改めて批評してみようと思って再プレイしてみました。
初めてこの作品に触れた時の衝撃はもう遠い過去のものになっていましたが、心が震えた幾つもの場面は今も変わらずそこにはありました。
【主人公】
メーカー公認、エロゲ史に残る至上最弱(最強?)のヘタレ男。
優柔負担で決断力も鈍くかなりイライラさせられるけれども、彼の延々と続く独りよがりな自問自答を覗けなければこの作品も唯のありきたりな三角関係物語になってたかと思うと、やはり欠かせない存在なのかなぁと。
口の悪さが少々気になったけど、ある意味この作品で一番存在感のある、憎みきれない存在。
【ストーリー】
昔は私もガキだったので「遙エンド以外認めない!」と、頑なに他の要素を排除してたんですが、今回は広い目で…ただやはりどうしても水月ルートには入れなかった…(泣)
この話の良さも悪さも色々語りつくされているでしょうが、私が今回気づいたのは孝之(主人公)を除く男性キャラの存在感。
大人の包容力を見せるバイト先の崎山店長。
理想の父親。厳しく孝之に人生を説く遙のお父さん。
そして何より、孝之と正面から向き合ってくれる最高の親友慎二。
彼らの存在がこの作品に深みを与えてくれてるのは間違いないでしょう。
慎二はホントイイ奴だー。
欠点を挙げるとするならば、話の都合上水月との絡みが多いこと。(私は耐えられなかった…)
孝之がとにっかく不快!になるときがあること。でしょうか。
【至高のエロゲーとは?】
色々解釈は難しいですが、もし最高のエロゲの定理が
『絵、ストーリー、音楽、という3大要素のトータルバランスが最も高いもの』
とするならば(抜きゲはどうなんだ、とかの意見を排除した個人的で勝手な解釈ですが)この作品はかなり上位に入るんではないかと。
この作品が嫌いな方が多いのも分かりますが、是非ともこれからも沢山の人に触れてもらいたい傑作です。