スマホアプリを使った宝探しと「時の渦」というループ設定をきれいに組み込んだ、現代的で前向きな物語。タイラという主人公のイメージがそのまま物語になったような作品。
竜騎士07氏のエッセンスとしてのホラー・ループと、現代的なアプリをモチーフにした「宝探し」の物語。
ロープライス作品である分、かなり短く纏まっているがKeyブランドの名前を借りて出す以上、泣きゲーとしての要点は抑えており読後感も爽やか。タイラという登場人物が明確に明るい変化を起こす分、ルーパーズのループへの向き合い方は新しいものとなっており、Youtuberや同人作家、筋肉バカのキャラクターのコンプレックスを炙り出してとにかく背中に押すようなエネルギーをもたらしている。
インタビューで氏が述べていたように、Keyの過去作「リトルバスターズ!」に類似する点が多々あり、タイラが仲間として受け入れられミアと仲を深めていく過程はまさに部活仲間のような感じ。望月けい氏のスタイリッシュな絵柄が想像以上によく合う。
話の展開が早くいかんせん主人公の圧倒的主人公ぢからで進んでいくので、特に後半のご都合主義は否めない。レオナとヒルダの関係性にフォーカスした前半部分が個人的泣きポイント。
ミアがタイラに宝探しを通じて新たな楽しみを教えてもらい、二人で過ごす時間が増えるにつれ懐いてきていたのが本当にかわいかった。