超クリティカルヒットのストーリー。こういう限られた時の中で精いっぱい頑張るのは見ていてやはりいい。OP曲も俺的にエロゲーNo1の曲だし。このボリュームで購入金額10000円はちょい高い気もするが、この曲だけで3000円くらいの価値はあるし、ストーリーもツボだったから不満はまったく無い。完璧に名作といえる。
いや、まいった。久しぶりにめちゃめちゃ泣いた。正直やる前はSM○Pのアノ人主演の某ドラマのパクリかなとかも思ったが、あれよりはるかの面白かった。基本的に泣きゲーはヒロインの境遇や想い、離別などによるものが多いが、これは完璧に主人公彼方が泣かせるようになっている。このゲーム最大の魅力はこの彼方にあると思う。つまり彼方を素敵だと思えなかったら面白さは激減すると思う。確かに死が確定されているという泣かせるための背景があるけど、ここまで泣かせられたのは彼方の強さとかっこよさがあるからこそだからだと思う。クリスルートでは「彼方」が「彼方」であるため、そしてクリスが「吸血鬼」としてではなく「クリス」として生きるために生き延びるという選択を捨てる強さと優しさ、そして真実を知ったときの決断。どれもカッコイイというしかない。ノーマルエンドもトゥルーエンドもどちらもいい。一番締りがよく、ほぼ完全に作り上げられたこのゲームでは完成度の高いストーリーになっている。佳苗ルートでは誰よりも大切で悲しませたくないからこその拒絶。これは結局悲しませることになっているし知らせないままでいるのは本編でもあるように間違いなのだとは思う。でもそれを思っても最後まで実践できるのは強くそして本当に大切に思っているからであり、また過去をやり直さずに「彼方」であり続けようとする姿は男でも惚れる。このルートは彼方の本当の気持ちがわかっているから余計に泣いてしまう。いずみ、優ルートでは主人公が死ぬということを使って組み立てていくが、これがまた泣いてしまう。自分は死ぬということを優に話し、心を開かせるが「死」に一番近い者が人を思いやり立ち直させる。この姿にやられた。「僕の方が先に死ぬ」というセリフのときはその事実はわかりきっていてもそこにこめた思いを感じたらもう泣きまくってしまった。いずみのほうも「いずみちゃんは覚えてくれるんでしょ」というシーンは反則だろう。そんな事いわれたら泣いてしまうわ。ただ、ラストは過去の話で終わらせるのではなく、現在の話で終わってほしかったというところが若干不満。二十重ルートでは、ルート入りする前の怖がりながらそれを隠し普通に接しようとする姿がいい。また、ラストダンスのところもかっこいい。ただどうしても他のルートに比べるとやや劣る。このようにまず始めに主人公がいて、その上にヒロインと他のキャラがいるというエロゲーにしては比較的珍しい気がする展開。(普通はヒロインに主人公が合わせるようになってると思うのは俺だけ?)ところでタイトルの「こなたよりかなたまで」というのは俺にはあまりわからなかったが、クリスルートで「彼方」として[こちら側]で生き、死んで[あちら側]へ行ったという意味と、「彼方」として[こちら側]で生きると共に、永遠の時を生きることになって[あちら側]へ行ったとしてもそれは[彼方]のままである、という意味だと思うのだが。まあ勝手な推測だし外れていても俺的にこれで納得できるしいいかなと。最後に「思うように生きるのはとても難しい」…ほんとうですね。