自分は史実「忠臣蔵」が大嫌いである。にも関わらず、全編通して燃えゲーとはこういうものかと言うのを見せつけられた。1~3章が本編、4~5章が外伝と考えればいいんじゃないですかね?さて、賛否両論渦巻く4章以降であるが、自分的にはこちらはとても興味深い内容だった。
4章においては「忠臣蔵」の史実について浅野、吉良、両方からの視点で考察されている。
この4章における一魅の言い分は、私が史実「忠臣蔵」に対して抱いている感想とほぼ全てが同じものだった。
最終的に一魅は「忠臣蔵」の史実に対して肯定的な立場へと移ったが、これは「ChuSinGura」の浪士達を認めたためであり、
私の現実における「忠臣蔵」に対する浅野家のイメージを払拭するには至らなかった。
個人的な見解としては、現実における「忠臣蔵」の赤穂浪士達は紛れも無いテロリストであり、単なる犯罪集団であると現在も考えている。
この作品を楽しめたのは、これが「忠臣蔵」を基にしたフィクションであるからであって、個人的には現実の「忠臣蔵」は茶番劇もいい所である。
さて、本作は「忠臣蔵」を基にしながらも、その「忠臣蔵」に対して否定的な一面、あるいは敵側の視点から史実を見ていくと言うのは非常に興味深い。
無条件に「忠臣蔵」を崇拝するのではなく、歴史的な側面から敢えて否定的な面まで踏み込んだと言う点を高く評価し、本作は名作であると断言する。
蛇足ではあるが、シナリオも素晴らしさは散々語り尽くされてるので今更言うまでもないが、個人的に驚いた点は立ち絵の豊富さである。
全編通して1シーンしか出ない立ち絵はおろか、1シーンしか出ないサブキャラまで立ち絵が用意されている点は驚愕に値する。
ここまで作りこまれているのは他の作品でも今まで見たことがない。
このような造りの細かさも相まって、本作は名作となり得たのだろう。