裏社会が舞台のオムニバスでどのルートも無難にまとまってる
闇金稼業を生業とする男を主人公に描かれる6人のヒロインの顛末。
6人の内訳は、
朋子:一般人枠その1。親の借金のカタとして人質のように囚われた女子校生。本作の天使。
奈々:半人前の裏社会の住人。モデルをやってる女子大生だが貿易商の親が実は密売をしており、自身もそのヤバい仕事に首を突っ込んでいる。
皐月:一般人枠その2。出版社の秘書をやっているが訳あって自分で賄えないほどのお金が必要で、主人公からお金を借りたことで裏社会の思惑に巻き込まれていく。
梨沙:主人公と同業の腐れ縁というかセックスフレンド。情報屋としても有能なのでどのルートでも出番が多い。
夕浬:朋子と同じ学園に通う女子校生だが、実は合法ドラッグの売買に手を染めており裏社会から目をつけられる。
流果:裏社会で主人公以上にヤバい血生臭い仕事を請け負っている。が、ひょんなことから裏の組織、警察双方から追われる身となる。
導入部の共通ルートで6人それぞれの話が同時進行で始まり、選択肢はどのヒロインのストーリーを進めるかを数回選ぶだけ。
シナリオの分量もHシーンの回数も皆平等のオムニバス。
抜きゲーだしストーリーには重きを置いてない小粒な内容だったけど、どのルートもお話は小綺麗にまとまっていたと思う。
ただテキストが、読みにくいほどではないんだけれども文芸小説を読んでいるかのような、ちょっと堅い印象なのが気になったかな。
個人的に好きなのは朋子ルート。一般人で自身は何も悪くない無垢な女子校生が社会見学的に裏社会や人間の業をのぞき見て成長していく物語になっていて、伏線にちょっとした仕掛けも仕組んであり、短いなりに読み応えがあった。
あと奈々ルートが、ストーリーはとりたててどうということないんだけれど、エロゲーヒロイン的に面白かった。処女のくせに自分からサービスするわと主人公に言い寄るも軽くあしらわれて(陵辱的な意味ではなく)おもちゃにされて遊ばれている様が滑稽で、本人は大真面目なんだけど終始コメディのよう。
ほかのルート、ヒロインも挙げればいいとこあるし、ハズレルートやハズレヒロインはなかったと思う。ただ逆にとびきり印象に残るということもなかったのが正直な感想。