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daitetuさんのないしょのティンティンたいむの長文感想

ユーザー
daitetu
ゲーム
ないしょのティンティンたいむ
ブランド
BLUE GALE
得点
80
参照数
1113

一言コメント

ティンティン…イタリア語で「乾杯」の意。それ以上でもそれ以下でもない……訳が無く、本作に於いてはエロゲなので皆様の御想像通りの意味。主なストーリーは主人公のフタナリっ娘と愉快なヒロイン達が織り成す学園エロコメ。女性視点、女性同士の会話を気軽に楽しめました。笑い目的ならオススメ。

長文感想

 フタナリっ娘主人公の学園エロコメディ。
 シナリオバランスは シリアス:コメディ=1:9 ぐらい?
 シナリオボリュームは、基本的にほぼ一本道の展開でかつ攻略ヒロインが少ないのでやや短めです。
 暇で攻略条件さえ知ってれば一日で終わらせる事も可能かもしれません。
 雰囲気は最初から最後まで明るく楽しげで、しかも変にシリアスになったりしないので、プレイしていて飽きたり、苦に感じるところがありませんでした。
 特に主人公とヒロイン達とのやり取りが、「ヒロインがボケて主人公がツッコミ」といった感じで漫才の如くポンポン進みますので、笑い目的でのプレイならオススメします。…ちょいとセクハラ、下ネタ系が多いですが。


参考迄に以下本編序盤より

「理奈……なにやってるの?」
「鼻血が……鼻血が……」
「もしかして、私が勢いよく起き上がったから?」
理奈はこくこくとうなずく。
「そっか、ゴメンね。ティッシュ使っていいよ」
私は机にあるティッシュを指差す。
「ありがとうございます……」
「なんで、わたしの部屋のゴミ箱から使用済みのティッシュを探すのよ!?」
「いや、それは……その……自慰行為した時のティッシュを鼻に詰めれば、亜依ちゃんの匂いが感じられるかと……」
「そういう逸脱した行為は止めてね……」


 エロ面は主人公の娘がフタナリなので人を選びそうですが、そもそも抜きゲーと言える程Hが濃い訳ではないです。
 なのでフタナリ属性以外の方でもプレイ可、逆にフタナリっ娘のハードエロスにハァハァという方には多分物足りないかと。
 ちなみに私はフタナリっ娘がいるだけで無問題なタイプ、むしろ本作に於いては唯一にして絶対の購入動機。
 ちなみにHイベントと日常パートの割合は5:5ぐらいです。

 シチュは基本は合意の上での手、口、ノーマルな性交、後は自慰が多め。
 男との絡みは(一応)無いので安心?です。
 当然お尻とかSM等のハードなのも無いですが、ゴスロリ衣装でのレズ(主人公はフタナリですが)は結構見所。
 後、個人的に痴漢Hはいらなかったと思います…。

 キャラはメインヒロインと言えるのが主人公である桜葉亜依と、その親友で主人公ラブの朋坂理奈ぐらいで、後はHはありますがサブに近い存在です。
 なのでこの二人以外のヒロインを目的にプレイすると思いっ切り肩透かしを食らいますので御注意下さい。
 で、肝心の主人公、亜依は明るい・無垢・微ドジと、雰囲気的にマリ見てやら極上やらの主人公ヒロインに似ていてクセのない可愛さ。
 ツッコミも冴えますし、頭を抱える姿もラブリー。
 もう一方の理奈は打って変わって、お嬢様っぽい外見とは裏腹にかなりの性格破綻者です。
 毎朝主人公の寝込みを襲うは、Hの際は既成事実(妊娠)を狙って中だしさせようとするは…。
 でも凄く良い味出してます。

 システム面は必要最小限程度。
 ただ選択肢が出た時、ウィンドウにセーブポイントが付いているのは良いアイディアだと思いました。
 基本的にセーブは選択肢の際にするぐらいなので。

 テキストは文章の句切りや比喩の使い方に違和感を感じる所もありましたが、テンポは良く、相性は合う方でした。(上記の抜粋文参照)

 グラフィックは絵柄自体は可愛い感じで好きな方なのですが、所々バランスが微妙に感じる所が有るような、無いような…。
 キャラデザインも好み。変に突飛なデザインのキャラもいませんでしたし…いやいたか。
 と言ってもほとんど出番のない学園長だからどうでも良いです。

 ボイス面は全体的に上手い方だと思います。
 まぁ抜きゲーではないので、それ程注意して聴いてはいませんでしたのであてにはなりませんが。
 BGMはほぼポップ調、印象に残る物はそんなにない気がしました。
 ボーカル曲はI'veで微妙におバカ系? 「ティンティン♪」って…。


 総評として、事前の情報からはタイトルやストーリー紹介から地雷を踏む事も覚悟してましたが、予想以上に楽しめました。
 劇的な泣きも激的な抜きもありませんが「笑い」はあります。
 少なくとも自分は笑わせてもらいました。
 本作を作中の言葉を借りて述べますと
(下記ネタバレ?かもしれませんので行間を開けておきます)

                






「最高じゃないけど最低じゃないよ」

かと。