本作はシナリオやエロを語るより、レトリックによる｢笑い｣を高評価したいです。感覚的に｢秋桜｣や｢うそモテ｣なんかと似たような傾向の作品ですが、システムは快適なので安心です。笑い目的なら一応オススメです。
このゲームなにより目を引くのは雪音のセリフ、というか変な口癖です。
「むぎゅ｣だけではＫａｎｏｎ以来の「うぐぅ」や「あう～」から脱却していませんが、そこに電子レンジやらオーブントースターやら冷蔵庫やらストーブやらが加わると、もう何も言えません。
気持ちを家電製品で表現するのは初めて見ました。
しかも意味不明。
何がどう対応するのか調べようとしましたが、さっぱりわかりませんでした。
さてこのゲームを項目別に評価しますと、
シナリオ：メインの二人のみお話有り。
サブヒロインはあくまでサブぐらいな内容。
ただメインのヒロインも後半が冗長で感動はできないと思う。
予想できる展開と結末にも関わらず、無駄に引っ張りすぎていて間延びしてしまった印象。
エロ：回数が多めなので、もしかしたら本作はおかず目的のゲームなのかも。
ただ原画自体はともかくとしても、ＣＧの塗りがあまりに雑な感じな上に、構図もイマイチ。
和姦オンリーとはいえあまりエロいシチュもないし、尺もさほどではない。
おかず目的でやるのなら他の作品を。
システム：おおむね快適。
一通りのものは揃っているし、ディスクレスも出来る。
セーブ数も多く、スキップも速い。
演出面：歌は何気にＩ’veでやはり良い。
音声も及第点、特に帆波のおどおど感が上手い。
ＢＧＭは普通。
逆にグラフィック面はちょっと･･･。
特に背景、何だこりゃ的なモノがちらほら。
デパートや縁日の場面も酷いが、全ての背景で通行人が描かれていないのは不自然＆手ぇ抜き過ぎ。
ここまでですと評価は「凡作」としか言えませんが、これらのマイナス部分を補って余りあるのが「笑い」のセンスです。
もちろん笑いはエロと同等か、それ以上に好みが分かれる要素だとは思いますが、客観的に見てもテキストを頑張って工夫しているのがわかりますので、イチオシニオシしておきたいです。
それにしてもテキスト難し過ぎ。
忖度、右顧左眄、倣岸、韜晦、収斂、無聊、これらの言葉の読み方と意味と使い方わかりますでしょうか？
無知無知な私は辞書を引きつつプレイさせられました。