調教エロとして一通りのプレイがあり、無難な作品です。ですが特別心に残るシーンもなく、インパクトに欠けます。しいて特長を挙げるならば、声優陣のレベルと珍しい縦書きテキストでしょうか。ちなみに巫女の霧柄さんは｢痕｣の千鶴さんに似過ぎ。
｢僕が知らないうちに、彼女たちは変わってゆく･･･。｣
本作の宣伝文句なのですが、看板に偽り有りです。確かに主人公の知らないところでヒロイン達は調教され、エロくなっていくのですが、本当に主人公が知らない、というか勘付かないので、日常になんら変化ありません。夜早く寝るようになるだけです。なのでコピーのような寝取られ的シチュはありません。第一、一人称は｢僕｣ではなく｢俺｣ですし･･･。しかもヒロイン達は、エロエロになってもそんな仕草は微塵も見せない、強者ぞろいです。
まあそれはさておき、本作は調教エロとしてはまあまあだと思います。少なくともバグがあったり、シナリオに矛盾があったりせず、とりあえずゲームとして成立していることは確かです。で本作の長短を挙げますと、
長所
・調教系としては一シーンの尺が長め。
・声優さんは金田まひるさん、日向裕羅さん、北都南さんと豪華な布陣。
・ＳＭ、スカトロ等の痛いシーン、グロいシーンが無く、基本的にヒロイン達の身体は喜びまくり。
・堕ちていくヒロイン達の変わり様がナイス。
短所
・絵にあまり力がない上に、ＣＧの使い回しが目立つ。
・活かしきれてない設定。
・ヒロインが３人と少なめ。
・一度見た調教をシーンスキップできない。
等でしょうか。
個人的にこの設定には捨て切れない魅力があると思います。愛しいものを救うために他の男に身をまかす、というのはありがちですが、本作のような｢肉体は好きな男のものでもその心は他の男｣というのは新しいです。前者では只の寝取られものですが、後者ではより面白いシチュエーションが生まれる可能性がありそうです。
またヒロインがそれぞれ天敵、上位種族、義妹という属性を持っているのも見過ごせません。退魔師という設定には正義のヒロインを汚すというシチュ、上位種には格上のものを堕とすというシチュ、義妹には禁断の匂いというシチュと、このヒロイン達は設定を活かし切れれば、もっと光ると思います。