「孔雀王」チックなお話。誰にでも薦められる作品ではありませんが、音楽や設定等、所々に光るモノがあります。ただ、ほとんどの方は絵柄を見て敬遠すると思いますが…。
まずなによりも目を引くのは、個性的過ぎる絵でしょう。私の記憶が確かならば、この原画の方は成年漫画を描いていたと思いますが、エロゲーにはさすがにクセが強過ぎる気がします。そのわりにはさほどエロい感じもしませんし。ちなみに自分はこの絵のせいで何度も買うのを躊躇いました。
次にシナリオですが、ボリュームはそれほどであるわけではなく、深いモノを求める人には物足りなく感じると思います。仏教をちゃんと学んだ感じは無く、なんか『孔雀王』や『帝都大戦』等の知識だけで書いたんじゃないかなーと思わせました。
ここまで低評価していますが、音楽、これは発売年度を考えればかなり高品質だと思います。和風テイストの曲目が実に雰囲気を出していますし、エンディングテーマもエロゲーには珍しくヴァイオリンを取り入れたりして、個性的な印象です。また所々で描かれる劇画調のタッチの戦闘シーンも他の作品ではあまり見られないものでした。(『二重影』に近い感じです)
それにしても、この絵でのゲームは夏場の暑い盛りにはしつこすぎて、なかなか進めることができませんでした。