人の良さを強さに例えるならこれも一種の俺TUEEEEE系であり、その取り巻きがヨイショするのを眺めるご都合主義なシナリオ。 ヒロインが可愛いとか萌えるとか思うことはあっても、主人公に感情移入はできない。 それでもフィクションでくらい暖かい世界に浸りたいんだ!という人になら需要があるかも。
最後にメリル√をプレイ
メリルの家族であり魔法生物のムルムルが停止しそうな時に
小悪党3人組が薬の最後の材料を持ってきて譲る条件として跪けと言われて
本気で感謝し、王家に対する最上級の礼をしたら調子が狂うとか言って材料を譲ってくれた場面の話
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アリシア
「……はぁ、なんだかんだ言って、
最後は心が綺麗な人が勝つのかぁ」
レビン
「そうだな。さすがオレ達のウィルだな!」
エルル
「先生はやっぱり凄いです!」
~~少し飛んでモノローグ~~
きっと世の中には、
根っからの悪人なんていないんだ。
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この辺りが本作の特徴を端的に表した場面だと思う。
主人公は都会に来た田舎者で村の老人たちに愛情を込めて育てられ、人を疑うことを知らない。
角が取れて丸くなるのが普通のいい人だとしたら、
初期状態の丸を削らずに鍛えて表面の硬いまん丸なのが主人公。(ちょっとやそっとの悪意は弾く)
主人公が悩みを抱えている時、光が弱くなったという表現もあったように
モリーの言う光ってる人というのは疑うことを知らずに鈍感力によってもたらされる真っ直ぐでまん丸な性格で、
滅びの民という特殊性もあって光って感じられるのだと考えられる。
貴族や平民、滅びの民という奴隷階級もある世界で
ラミアの語る笑いながら死んでいった人のいいやつなんかも存在するが、
主人公だけは本物の悪人にひどい目に合わされて世の中の厳しさを知ったりしない。
酸いも甘いも噛み分けるということわざで言えば
人間関係の酸いを噛み分けないまま何もかもうまくいってしまうので、到底共感できない。
本作的には最初から完成された存在であり基本的に成長しない。
そこに引っ掛かりを覚えない、無視できる人になら素直に暖かい話だなーと楽しめるんじゃないでしょうか。
上記のようなご都合主義シナリオを除けば手堅くまとまっており作品全体としてのレベルは低くないです。