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cyokin10wさんのキミの瞳にヒットミーの長文感想

ユーザー
cyokin10w
ゲーム
キミの瞳にヒットミー
ブランド
戯画
得点
79
参照数
32

一言コメント

うあーまいった。そうだよ、戯画はこういうことやるんだよ。ズラしてきたりするんだよ。で、ボクの場合ちょうどそのズレたところに、お目当てだったヒロインが居たりしたのでズッポリ深みにハマって惚れちゃったんです。そんな訳で今回の長文感想の中身、正しくは≪感想≫にはなっておりません。主人公の最初の紹介は「普通の女子」。でもその実は、ボケ揃いの後輩相手に開花した天性のツッコミ気質と、その後輩たちの成長を時に支え時に見守る面倒見の良さと、震えながらも怖がりながらも、自分の欲しいもののために一歩を踏み出せる勇気を兼ね揃えた、とっても素敵な女の子。そんな彼女への恋文です。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想







「あれ、知らなかった?青春って勘違いしたりわがままでいいらしいよ」







やっとわかった。
絶対に見つからない格好じゃない。
私は、あの頃からずっと
委員長に見つけて欲しかったんだ。
私が思うのと同じように、
委員長に好きになってもらいたかったんだ。

好きな人に好きになって貰いたいだなんて
当たり前で、おこがましいことを考えていたんだ。

好きだって認めることさえ怖かった。

「報われたいなあ」

(『キミの瞳にヒットミー』塚端みこ√より)






塚端みこ

○学時代は三つ編み眼鏡なんていう地味な容姿で、ついた綽名は委員長。
それが嫌なのに誰にも言えず、周りを見下すことで自分を守っていた、憶病で意地っ張りな女の子。

恋を憧れと思い込み、でも話しかける勇気は持てなくて
その憧れに近づきたいからと進学デビュー(多分逆走wでも彼女の本質には合っていたのかも?)

話しかけた主人公にギャルって言われるくらい見た目を変えたのに
どこかで会ったことあったかと聞かれて、キュンとしちゃうような乙女さん。

ずっとずっと、委員長に見つけて欲しかったのに
自分と同じように、委員長に好きになってもらいたかったのに

怖くて怖くて何も出来ずに動けずに
好きを認めることさえ怖がって

「報われたい」と勇気を振り絞ったにもかかわらず
意志に体がついてこないで泣き出しちゃう。

昔の彼女を薄ぼんやりとでも覚えていてくれた彼。
『先坂の図書委員長』なんて綽名までつけていてくれた彼。
そのおかげで一目で見抜いてくれていた彼。

そんな彼に向って、偶然に助けられたとはいえ、ついに体が動いた彼女が声をかけた瞬間。

世界に色がつきました。


こんなにも意地っ張りで、こんなにも臆病な彼女の
震えながら逃げそうになりながら、涙声にまでなりながら
それでも笑顔で真っ直ぐに言い切った告白。

夕暮れの中、彼の返事に腰が抜けちゃったけど報われて。

赤面涙目で頭を下げる進学デビューしちゃった元『委員長』は
とても綺麗で魅力的だったのです。





塚端みこ

恋を恋だと認めずに、憧れと思い込むことで
話しかけられなかった自分を慰める臆病者。

奇跡的に同じ学園同じクラスで再会したにもかかわらず
はじめましてでお茶を濁して、あの想いにはフタをして
軽い友達の距離で二年半も過ごしちゃう意地っ張り。

でもそんなあなたが、彼の方から言われそうになった言葉を遮って
自分で伝えた「あなたが好きです」

その勇気とその想い

世界に色がついたとき
ワタシもまた、そんなあなたに≪恋≫をしました。


主人公からプレイヤーへの最初の紹介は『普通の女子』
でもでもボクらの前に披露されるのは、あまりにも濃いキャラをした後輩たちに振り回されながら炸裂する、天性のツッコミ気質と
どんなに周囲に茶化されても煽られてもその想いを認めない、やっぱり意地っ張りで臆病なツンデレさん。

そしてそんな日常の中でも実はしっかり大学の推薦を確保してたりする、裏での努力と要領の良さ。
最終学年になって一念発起で新しい部活つくろうとしちゃったりする、突飛な行動力と勇気。
後輩たちの自由過ぎる振る舞いを受け止めてツッコミ続けて、引退した後も面倒を見続けて、部の雰囲気の良さに一役買ってる懐の深さ。
図書館で、本を換えに行く振りをして席を立ち、一つだけ席を詰めちゃう可愛らしい乙女ちゃん。

「今日も平和だね~」とのほほんと浮かべる笑顔も
思い出してもらえずに、ちょっと寂しそうな悲しそうな声色も
ふてくされてぬいぐるみを抱きしめながら狸寝するふくれっ面も
歩鳥に嫉妬して浮かべる不安そうな表情とジト目も
告白を受け入れてもらえて「よろしくお願いします」と流す涙も

そのどれもがキラキラピカピカ輝いて
ワタシの心を掴んで離さないのです。



【みこ】
「委員長のことわかってないだなぁって、ちょっと優越感」
【章】
「恋は盲目か」



振られることは分かっています。
だってあなたはもう昔から彼しか見ていないから。

でもあなたが見せてくれた勇気を
震えながら怯えながら、それでも笑顔で伝えたその想いを見習いたいから

ワタシもあなたに伝えようと思います。















「塚端みこさん。

 あなたが好きです。付き合ってください」






























ボクは瞳の☆★☆蛇足☆★☆ギャグセンスは嫌いじゃない



・次点で好きなのはつばさです。
 この魔王様が世界征服とかじゃなくて、町内会長くらいで居てくれると周りの人もみんな幸せにしそう。

 当然、父親の言うようにいつかは現実と折り合いをつけなければいけないのですが
 作中のように「魔王捨てるからそばに置いて」なんて悲しい目の覚まし方にならないよう祈ります。



・詩菜ちゃんの感性は実は結構共感できてしまったり。

 彼女の言うピカピカ、キラキラ、素敵、だけでもなんとなく意思疎通出来てた気がします。

 日常の何気ないことにいちいち感動できるのは間違いなく彼女自身の長所だし
 こういう娘はおそらく人の長所を発見したりするのも得意だと思うので
 案外一番恋人としては安心させてくれそうとか思ったりしています。



・上にも書きましたが、瞳のギャグセンスは本当に好きですよ?

 ショートコント「クレバーな犬」や(ほぼアドリブ化してましたが)「コンビニ強盗」、ドナドナされた4匹目
 この辺りは冗談抜きで大笑いしていました。

 ただ彼女はどちらかというとツッコミタイプな気がしましたし
 コントの脚本だけ書いて、他の人に演らせるとかの方が向いているのかなーとも。

 みこや主人公がいじられる際のツッコミ役は概ね彼女でしたしね。




・で、そのみこ《百々瀬かぐや(@あまショコシリーズ)以来3年3ヶ月振り14人目の殿堂入り我が嫁》に対する想いは
 上記ラブレターに全てを込めましたので、これ以上はもう語りません。
 ただちょっと中の人にだけ言及させてください。

 自分はこの作品の発売前に体験版をやって
 おや?有名どころの中に一人知らない声優さんが居て、しかもやたら上手いしかわいいぞ、とか思ったはずだったのです。

 なのにすっかり忘れて『ぬきたし』の奈々瀬で、初めて出会ったと思い込み
 『ハミクリ』のひよりんで、その声その演技に惚れこんだと信じ込んでいたワタクシは、本当にクソたわけです。

 この頃から最高の演技をしてくださっていた柳ひとみさん。
 
 気付かなくってゴメンナサイ。
 殿堂入り我が嫁14人中2人の声を担当してくださってありがとう。

 そして、これからもその素晴らしい演技を、ずっとずっと聴かせてください。



・【みこ】
 「神様、私の彼氏が最低です……」

 あれ!ひょっとしてまだワタシにもチャンスが……!?(ありません)