驚きました。あのアサプロが真面目に三角関係やってます(もっとおふざけ全開だろうと予想してました)。もちろん萌えゲーの範疇ではありますが、特に恋▲の方では物語のアクセント的な枠を越えて読ませてくれるくらいの描写があったように思います。前作までと大きく変えて来た感のある絵の雰囲気や笑いの取り方、一気に使いやすくなったコンフィグ周り等々、進化しようとするアサプロの意欲が感じられる、興味深い一本だと思います。
過渡期、思いっきり過渡期ど真ん中の作品ですねコレ。
ワタクシはアサプロの作品を
『恋愛0キロメートル』(5作目)→『ひとつ飛ばし恋愛』(同6)→『かりぐらし恋愛』(9)→『プラマイウォーズ』(7)
の順でプレイしてきたのですが
『ひとつ飛ばし~』から『かりぐらし~』に飛んでプレイした際に
テキストの笑いの取り方が大きく変わっていることに驚いたのです。
毎度ホームラン大笑い狙いの大振り(ただし三振も多い)で稼いでくるやり方から
ずっとクスクス笑っていられるような、コツコツ単打積み重ねで点を取っていく笑いへと
この変化がいったいどこで現れたのか
それを知りたくて、『プラマイ~』『スキとスキとでサンカク恋愛』へと手を伸ばしたのです。
結果、『プラマイ~』ではその前までと同じやり方をしていたのが
本作『スキとスキとで~』で大きく変化したことに今回気付く次第と相成りました。
ただ、上述したように過渡期です。
笑いの取り方は単打狙いに変わっていますが、(『かりぐらし~』に比べて)どこかたどたどしいですし
コンフィグ周りセーブ周りもグッと使いやすくなっていますが、やはり次作に比べると洗練しきっていない感じ。
そして何より真面目。超真面目。
ワタクシがプレイしたアサプロ作品5作の中ではぶっちぎりで真面目。
もちろん今までのアサプロも、どんなにふざけているように見えても
友人関係の暖かさや家族の暖かさが感じられるような内容にはなっていました。
でも、ほとんどの場合真面目な何某かは物語の最後にちょこちょこっと突っ込まれる程度で。
本作のように中盤からそれなりの時間をかけて
サンカク恋愛の心情描写が為されるようなことはありませんでした。
兄と仲の良い義理の姉あるいは妹を見つめる七瑠とすずの屈託。
志衣菜の攻勢を見ても、(過去のせいで)どうしても素直になれない真帆の苦しみ。
一見バカで能天気なアタックをしかけつつも、どこか幼馴染に遠慮と劣等感を感じている志衣菜。
そのどれもがこちらの胸に切なく響いてきて。
今までのアサプロ作品では感じることの出来なかった良さを、本作からは受け取ることが出来ました。
ただやはり過渡期は過渡期。まだこなれない感が滲み出ています。
単打狙いに変わった笑いの取り方は、特に共通√で凡打の山を築いていますし
一つの画面に表示されるセーブデータの量が少ない故に、意外とデータの整理が大変だったりもします。
次作『かりぐらし恋愛』では解消されている短所が、結構剥き出しで搭載されているのは減点対象でしょう。
(本作からすれば未来の作品を比較対象にするのは多少アンフェアではありますが)
ただワタクシとしましては今までのアサプロよりも
本作以降のアサプロの方が絵もテキストもずっと好み。
すでに発売されている『恋愛、借りちゃいました』
2020年11月に発売される『恋愛×ロワイアル』(ダイマ)
この2本もなるべく早く(多分〇年後になる(ぇ))購入してプレイしたいと思います。
△▼△ 蛇足 ▲▽▲
・ちょっと面白いなと思ったのは
絵が大きく変わったのは本作からに見えますが
絵師さんが変わったのは前作『プラマイウォーズ』からなんですよね。
でもその『プラマイ~』は明らかにそれ以前の作品に画風を寄せていて。
一方シナリオ(テキスト)は今回大きく変わったものの
メインの方々は実は前作と変わっておらずという(サブで次作以降メインの方が入ってきてますが)。
クリエイターさんが変わるタイミングと
作品内容が変わるタイミングになんとなくズレがあるのが興味深いところです。
・前作までどことなく垢抜けない感じのあった絵は良くなりましたねー。
全体的に丸っこく、可愛らしくなったのと
塗りが変わったのか、明るく華やいだ色調になったような気がします。
CGも、ヒロインたちの表情がとても豊かで明るくて好き。
この娘たちがHシーンになると、情感たっぷりの表情をしてくれて。
恥じらいと快感が入り混じったような表情が最高にそそられるHシーンが多かったです。
・そのHシーン。
これはもう、ワタクシこと cyokin10w の性癖を意識して創ってくださったのかと錯覚するほど
性癖に刺さるシーン(サマリーの自己紹介欄参照)が多くて感動してしまいました。
初Hで一枚ずつじっくりと脱がしていって、下着姿や全裸、恥じらう表情を正面から視覚的に堪能し
乳首に吸い付きおま〇こをいじり処女の体を触覚的に味わい、喘ぎ声を聴いて聴覚を満足させ
ついに処女の膣内に挿入っていって征服欲と支配欲を存分に満たす。
これこそが初Hの醍醐味で、この欲望を満たせるヒロインがなんと6人中5人。
(すずのラブホHが初Hだったら完璧でした)
昨今は全体でそういったHシーンが 0 な作品が圧倒的に多いことを考えるとまったくもって驚異的。
細かいことを言うとブラとパンティは別々に脱がして欲しいとか
処女お〇んこを童貞ちんこで覆い隠して見えなくしてしまうのは論外!とか
BGV欲しいよーとか
気色悪いツッコミがたくさん出てはきますが
Hシーンにも超期待できるブランドとして、アサプロを登録させていただきます。
・でも実は好みのHシーンが多かったわりに意外と抜けなかったワタクシ。
原因は萌えの低迷。
真面目な描写や笑いの描写に傾注している内に
可愛い!描写が置き去りになってしまったような。
実は前作までにも次作にもそういった傾向はあったりするのですが
本作は変に真面目さが前面に出ていて、可愛い!描写がさらに削られてしまった感があります。
そういえばパンチラやらブラ透け等、ソフトなエロスも共通√にはほぼ無かったはず。
ワタクシとしましては、エロの安売りは初H時の感動や興奮を削いでしまうのノーサンキューではあるのですが
あまりに少なすぎるのも考えもの(←ワガママ)。
もう少し、ヒロインたちは《あざと可愛さ》や《テンプレエロス》を振りまいても良かったかなと思います。
・そんな訳で、特別好きなヒロインは残念ながらいません。
全員そこそこ可愛くそこそこ笑えてそこそこHで。
そんな萌えゲーの平均点をたたき出してくれたのが
ワタクシにとっての『スキとスキとでサンカク恋愛』という作品だったのでした。