京子関連を除いたほぼ全ての要素が雑で手抜きな作品。誤字脱字は当たり前、瞬間移動も斯くやな場面転換、繰り返される同じシーン同じ会話、甘い既読判定、いい加減な日付管理、リセットされる好感度、本編で使われていないCG差分、オールクリアしても1/3くらい埋まらないCGと回想 etc.etc.……シナリオも京子√以外はツギハギだらけのやっつけで面白く無いですし、南浜よりこさんの絵だけは何とか評価できますが、それだけでは流石に高い点数をつけることは出来ませんでした。
三角関係描きたいなら、共通√でもうちょっとちゃんと人間関係みせておかないと。
京子と千春、二人が普段どういう間柄でどういう風に相手を見ていたのかとか
よく一緒に居るなとか、よく二人でじゃれあってるなとか、おでかけして遊んでるなとか
そういう『仲の良い二人』という描写がほとんどされていない状態で男を取った取られたで葛藤されても
勝手にしろとしか言えません。
まぁこうなってしまったのも
悪名高い共通√中のマップ選択システムのせい、というのが大きそうですけどね。
基本的に選択したヒロインと主人公との関係しか描かれないあのやり方では
ヒロイン同士の横の繋がりとか、主人公を中心としたグループ全体の人間関係とかは全く見えてくることはありませんでした。
で、そのシステムが最悪の形でシナリオにダメージを与えたのが千春√。
一切京子を選択した覚えが無いのに
終盤から千春を選んでいるにも関わらず京子がしゃしゃり出てきて
何故か夏祭りに千春では無く京子を誘い始める主人公。
【勝也くん】
「……祭り……なんだけどさ」
「……また俺と……一緒に行かないか?」
「……京子と行きたいから」
???
さては好感度リセットが響いてバグったか?
と、数日前の選択肢からやり直すべきか葛藤したワタクシの心中を察していただければ幸いです。
もちろん主人公が京子LOVEなのは最初からそうなのですが
それは奈央√でも凛√でも変わりません。
でも彼女たちの場合は彼女たちを追いかけていれば一応キチンと彼女たちを祭りに誘うのです。
それなのに千春√では
繰り返し繰り返し千春を選んで千春とイベントを起こして仲良くなってと積み重ねて来た末に
この所業。
そしてトドメは直前に京子京子とわめきたてておきながら
身体を差し出す千春をそのまま犯す主人公。
こんなのただのクズじゃねーか…………
制作側としては京子と千春をバランス良く選択していて欲しかったのかも知れませんが
(そうしていれば主人公のどちらを選ぶかと言う葛藤も少しは響いたのかも)
プレイヤーはそんなに面倒くさい選択の仕方はしません。
この構成の悪さを中心とした全体的な雑さ、創りの甘さは
物語への没入も登場人物たちへの感情移入も見事なまでに阻害して
この作品を cyokin10w 的落第点へと導いたのでした。
+-+ 蛇足 +-+
・これ京子√を最初に創って
他のヒロインで代替の効くシーンはヒロインの立ち絵だけ入れ替えてシナリオの水増ししてません?
沖縄で大崎さんの告白を覗くシーンや球技大会のシーン
科白すら変わってない時ありますよね。(若しくは京子の科白をベースにちょっとだけ変える)
妙に口調や喋る内容に違和感があったりしたのは、元々京子の科白だからと考えるとしっくりきます。
…………一事が万事。一言感想の方に書いた通り、全体的にこういう雑さに彩られている作品でした。
・全国レベルの強豪がベンチ外選手の不祥事で出場辞退。
青春全部(ひょっとしたらここまでの人生のほとんど?)を賭けたものを理不尽に取り上げられたはずなのですが
軽いなーみんな
寛大だなーみんな
将来が狂ってしまった子も多分いるんだろうになー(遠い目)
・Hシーンは、全裸が素晴らしいことを除けば概ね微妙。
絵は悪くないのですが、Hシーンへの入り方やシーン中のテキストがイマイチでした。
性欲モンスター勝也くんの節操の無さ(と語彙力の無さ)が足を引っ張っているように思います。
・この作品のクライマックスは、絶対に笑ってはいけない球技大会でしょう。
ちょっと野球を知っていれば、野球警察の血が騒ぐこと請け合いです。
*全国レベルの元野球部員たちが学校行事を私物化
*どうもいちいち全試合9回までやっているっぽい(終わらねー)
*ライターが言ってみたいだけのフロントドア(右投手が右打者にツーシーム投げたらバックドアだと思うの)
* 【斗真】
「外角……落ちるフォークか」(落ちないフォークを棒球と言います。それとも落ちる以外の変化をするフォークが!?)
*試合前も試合中もさんざ煽られていたので試合で活躍するのかと思っていたら
ファールで粘っただけで三振して帰ってくる三番バッター拓海くん今日四タコ。
(粘った末にヒットかフォアボールで出塁すると思うじゃん?)
*その拓海には教えなかった相手Pの癖を信夫にだけ教える主人公(普通に酷い)
*癖のおかげでコースも球種も読み切った内角のカーブをわざわざ流してライトオーバーに持っていく
技術とパワーを兼ね備えた右の強打者信夫くん(ベンチ外)
とりあえず自分は、落ちるフォークとライトオーバーで呼吸困難に陥りました。
・プレイの最後の最後、京子√終わりで
トミー・ジョン手術(『肘』の手術)をしてアメリカから帰って来た主人公が
今度は速攻で『肩』を壊して打者に転向していたのには大笑い。
そこは普通に肘が治って投手として復活しましたでええやん。
これじゃ手術で渡米するしないの京子√終盤の葛藤と見せ場が茶番じゃないですか。
笑いを取る以外の理由がワタクシには見当たらないのですが、本当にライターさんは何を考えてそうしたのでしょう。