いやー、素晴らしかった。久々に萌えゲーの大当たりを引きました。出会って、仲良くなって、恋人になって、手を繋いでデートしてキスしてHしてさらにラブラブになっていく。この過程を順序良く(←これ大事)、端折らずに、丁寧に最後まで描き切ってくれました。テキストも読みやすく、会話のやり取りも面白く、明るく楽しく可愛いヒロインたちとの日常を楽しめる、超おススメの萌えゲーです。…………長文感想のほとんどは、晴れて我が嫁列伝(?)殿堂入り(長津田夕美(@キスベル)以来2年9ヵ月振り10人目)を果たしました万能型幼馴染、一ノ瀬結衣語りに費やしています。他の娘たちもみんな可愛いんですけど、それ以上に結衣がツボってしまいまして。そんな訳で、一ノ瀬結衣に捧げる、一点集中突破な感想をご覧ください。
「1ヵ月前にできた友達が、周りの人ですら知らないような情報を駆使して
私を攻撃してきた話があるんだけど、聞く?」
一ノ瀬結衣
勉強は学年トップクラス
友人関係は多彩で、人の懐に入り込むのが上手く
何をやらせても高いレベルでこなす万能型幼馴染
お互い顔を見飽きたと言い合い
お互いが、お互い同士でしか知りえないようなことも共有している
あまりに近過ぎて、恋愛対象にならずにきた女の子
そんな二人が意識し合うようになってしまったきっかけは、ささいな意地の張り合い。
「キスしたの!?誰が!?えええっ!?」
「あ、私だ……」
やり込められかけた結衣が、反撃の為に主人公にしてしまったキス。
した側の結衣の方がはるかに強く動揺し
ここまで築き上げてきていた万能型幼馴染のイメージが崩れていきます。
今までサラッと流していた周囲の茶化しに過剰に反応し
櫛無が主人公の幼馴染になりたいと言い出すと「あげないっ!」と声を高ぶらせ
うわの空のまま、今まであまりしてこなかったはずの主人公との登校やお昼ごはんをこなし
近くにいると動揺が収まらず顔も真っ赤なのに、気を利かせて離れようとすると「一緒にいて!」と押してくる。
主人公への整理されない想いでいっぱいいっぱいで
パンクしそうな頭を抱えて、真っ赤になりながら迷走する彼女が本当に可愛らしくって。
(……私だけ?モヤモヤしてたの私だけ?)
気合い入れて平常心を取り戻したと、ドヤ顔でアピールする彼女は直後
手を握りたいと主人公に告げられ、パニクりながら逃げていきました(笑)
「もう……仕方ないなぁ……」
「そういうなら、付き合ってあげてもいいよ」
主人公からの告白と、それを受け入れたことで、ようやく元の彼女に戻る雰囲気があったのですが、甘かった。
「そそそそういうのは、ちゃ、ちゃんと言ってから、ま、間をおいて
やってくれないと……お、驚くから……私、驚いて心臓とか失うから……」
改めて主人公が手を繋ごうと触れただけでこの反応。
ワガママで面倒くさくて初心ウブで駄目ダメな恋愛ポンコツ初心者、一ノ瀬結衣劇場(第一幕)がここから始まります。
「こういうのは……ちゃんと順を追ってやらないと、あの……ダメになる……」
「誰が?」
「私……」
このクッソ可愛い宣言から、彼女のペースに合わせ(ようとし)ながら進んでいく恋愛模様は
もう本当にもどかしくってこそばゆくって、ついでにエロエロで。
「1日1回は……その……き、キス……」
「3回も4回もしちゃったら、多分頬が緩んで戻らなくなるから……」
何とかデートをこなし、キスを済ませた彼女は、キスにハマりスキンシップにハマり
茶化されながら主人公の服の裾を離さないは
教室で主人公の膝の上に乗ってくるは
補習中の主人公に教師の目の前で抱きつくは
好きな人とくっつくことの幸福と快感を覚えてしまった彼女は、どんどんと周りが見えなくなっていきます。
(そして時々我に返ってワーッとなる(可愛い))
そしてようやく迎えた初H。
勉強したからと、パイズリで主導権を取りに行ったまでは良かったものの
彼女としては順序立てたはずだった行為(パイズリは前戯!)は明らかにオーバーランで。
「恥ずかしいから、逃げちゃおうかなーなんて……あはは……」
これからが本番というところで怖気づいて逃げ出そうとする、いっぱいいっぱいの彼女。
震えの止まらない体を抱えながら、それでも受け入れてくれた彼女の涙と想いが本当に愛おしくって。
久し振りに、本当に素敵な初体験を堪能することが出来ました。
で、そのじんわりとした感動に浸りながら
初心で恥ずかしがり屋の彼女を、これからも大事にしようと決意を固めていたら、これまた甘かった。
手を繋ごうとするだけで逃げ出し
周りに茶化されてはパニクり
初H中に逃げ出そうとした彼女は
主人公の体操服を抱きしめながら教室オナニーに耽り
ご褒美と称し、職場Hを敢行し
10日近くご無沙汰で欲求不満を起こし主人公を野外Hへと誘う
とてもエッチな変態さんへと昇華を(誰が何と言おうと昇華である)遂げました。
これぞ、一ノ瀬結衣劇場第二幕
「告白してきた相手より、好きって言っちゃうと、私の好きが上回って
何しちゃうかわからなくなるから、自制してるの」
うん、アナタこのセリフの時点ですでに、色んな意味でナニしちゃってます。
自制できなくなった自分を見せたら引いちゃうから駄目と、かたくなに拒否する彼女。
でもそんな彼女はとっくの昔に周りを胸焼けあるいはドン引きさせていて。
~前略~
「24時間樹を見てたいのに、どうして私は伊織じゃないんだろ?」
「もう十何年見てきて、そろそろ飽きたかなって言ってたはずなのに
いまは毎日会うたびに好きになる。これって恋かな。愛かな」
~後略~
男子トイレまでついてきて(あまつさえ一緒に入ろうとして!)
出待ちをしてまたくっついてきたと思ったら、そこから奏でられ始める
完全ポエム調の怒涛の恥ずかしセリフの数々。
聞いてるときには大笑いして
後からちょっと依存気味かもと怖くなって
そして最後に、このポエムを滔々と吟じる彼女の華やいだ笑顔と、その幸福そうな声音で
その全てが愛おしさに変換されました。
一ノ瀬結衣
勉強は学年トップクラス
友人関係は多彩で、人の懐に入り込むのが上手く
何をやらせても高いレベルでこなす万能型幼馴染
でも本当は
予習復習をしっかりこなし
一歩一歩確かめながらゆっくりと歩みを進め
経験的に分かっていることから少し踏み外すと、途端に慌てふためいちゃう
不器用で誠実で恥ずかしがり屋な、努力型の女の子
「これからも、ずっと好きな――」
「ううん、愛してる人といられるのが、嬉しい」
言葉が軽くなっちゃうから言わないと語っていた言葉を、最後の最後に言ってくれました。
巷に氾濫しているであろう同じ言葉からは感じ取れない
心地良い重みを伴ったあなたの「愛してる」に答える言葉は
何のひねりも無い方が正解でしょう。
「――私もあなたを愛しています」
&&& 蛇足 &&&
・や、本当に素晴らしかった。
恋人になっていく過程、恋人になった後の仲の深まり。
こういった部分をここまで丁寧に順序良く描いてくれる作品って貴重なんですよ。
さすがに早送り気味ではありますが
告白までのもどかしさや
初めて手を繋ぐドキドキや
初めてのデートのワクワクや
初めてのキス・セックスの官能や
その後さらに仲良くなっていく姿等々
存分に堪能させていただきました。
上記のワクワクやドキドキをしっかりと味わうには、本当に順序というものが重要だったりするのです。
だってセックスより後に、初めて手を繋いでドキドキしました言われても、、、、、、
その感覚はワタクシには?でしかありません。
おまえらもう遥かに凄いことヤッてるじゃんと。
その後に、いまさらキスだのデートだので照れられても、共感できないのです。
少しずつ縮まる距離。
その《少し》に、毎回ドキドキしたい。
そのためには順序が大事。
この作品で、再確認しました。
・初Hシーンのほとんどが全裸(奏絵くらいの残しは許容範囲)正常位なのは素晴らしく俺得でした。
全裸まで脱がす差分が弱いのは残念でしたが
奏絵と結衣は、最後の一枚を脱がす醍醐味を堪能できたので◎。
奏絵の最初のシーンで一度失敗するのもいいじゃないですか。
(全裸待機でおあずけをくった某cyokin10w談)
Hシーンでも順序良くステップアップ(回を追うごとに濃く)していく感があって、とても好感が持てました。
・さて、全ヒロイン個性的で魅力的な本作ですが
どうしてここまでみんなが魅力を振りまいたのか考えてみたら、うん
この娘たち単純に出番が多いんだ。
個別√に入ると他ヒロインがフェードアウトしてしまう作品も珍しくない中で
本作の女の子たちはむしろ、他人の√中もアピールしまくり。
だって例えば結衣の√で、櫛無やみなもとだけ(中身の無い)おしゃべりをして
結衣が出てこないパートとか普通にありますからね、この作品。
そうやって長時間かけて色んな仕草や反応を魅せ続けてくれるんだから
そりゃー魅力も増しますし、情も移りますわ。
もちろん、テキストのよろしきを以て成り立ってることではあるんでしょうけど
(バランス間違えるとウザくて邪魔なだけになりかねないし)
ヒロインたちがワイワイとおしゃべりしてるだけで
とても楽しい気分になれる作品だったと思います。
・で、そのテキストですが、ライターにまさかの篁葉月(たかむらはづき)さんのお名前が。
この方、『サクラの空と、君のコト』のライターさん(お二人の内の一方の方)ですよね。
ちょうど今年の春プレイしたばかりの、癖のある作品のライターさんに
本当にたまたま巡り合ったのは何かの縁でしょうか。
あの作品の会話劇もなかなか楽しかったのを思い出しながらのプレイとなりました。
……相性良いのかな?
・選択肢でヒロインを選ぶと、その娘固有のお話がちゃんと始まるのも〇
何も変わらなかったり、変えてもちょっとセリフが違うだけの
フラグ管理にしか使われていない、手抜き選択肢はつまらないですからね。
選んだ娘との仲がちゃんと進展しているのを見せるのにも、重要な部分だと思います。
・声も素晴らしい方ばっかりで。
櫛無の明るさ面白さを演技で増幅してくださった真宮ゆずさん
一歩間違えればキモウト寸前の伊織を、可愛らしい声で支えてくださったshizukuさん
そして親しみやすく気さくな声からデレデレの恥じらい声まで完璧に演じてくださった桃井いちごさん。
いい演技はやはり、良い作品を支えるのです。
・で、意外とこの人の声も好きです鴇田さん。
若い女性と話せない、バイトの主人公に色々任せすぎ等
一見困った大人ですが、締めるところはきちっと締めてくれていて。
この人のちょっとしたサポートや後押しで話が進展することもあったりして好印象。
ちゃんとした大人が出てくる作品にハズレ無し。
また一つ、持論を補強してくれる作品に出会えました。