ルート間格差の激しい作品。メイン格のヒロインの√はそれなり以上の出来なのですが、それ以外のヒロインの√はかなり雑な作り。女の子の『可愛い』を丁寧に創らない萌えゲーの評価は、高くなりようがありませんでした。
《笑えるゲームを創るブランド》というブランドイメージと
《間に一人挟んだ恋愛》というゲームのコンセプトで
自縄自縛に陥ったのかなと。
前者に関してはもう、笑いを取るのに躍起になり過ぎて
女の子の可愛さをスポイル(台無しに)するところまでいってしまっているのだから悲しい。
寿りさが好例ですが、完全に『この娘可愛い!』より『この娘面白い!』が優先。
可愛い!と思わせるべき場面ですら笑いを差し挟み
萌えを感じる暇も無いまま過程をすっ飛ばすように関係が進展し
なし崩し的に恋人→肉体関係→ベタ惚れ~の流れを見せられたと思ったら、たいした山場も無く終了。
ああ、ひとつ飛ばしってそういう…………
ギャグが面白いのは長所ではあるのですが
そのために女の子との関係が進展していく描写や
女の子の『可愛い』描写がおざなりになってしまっては本末転倒です。
正直かなり短い作品ですし、もう少しボリュームを増やせば
この笑いのレベルを保った上でそういう描写を追加することはできるはず。
(というか碧里√ではできています)
せっかくギャグが面白いのだから
その他の部分もサボらずにがんばって欲しいところです。
後者に関しては、紅や千乃が攻略できないこと、これにつきます。
特に紅のあざとい造形(妹キャラであるというところまで含めて)は完全に攻略ヒロインのもので
加えて碧里√であれだけ切ない描写をしておきながら
コンセプトにそぐわないから攻略できません、は如何なものか。
この後ファンディスクとかが出ているなら
阿漕なやり口ではあれど納得はいくのですが、結局4年経っても出ていないですし。
(コンシューマ版ですら攻略できないようですし、変な意味で徹底してますね)
夏芽やりさよりもよっぽどキチンと描写された魅力的なキャラだったので
コンセプトを放り出してでも攻略させてほしかったです。
碧里√はとてもしっかりしていますし(お話の良さ、碧里の可愛さとも合格点)
桜√も、千乃べったりから主人公LOVEへと変わっていく桜の描写は中々のものだったと思うのです。
それだけに、他の√でも必要最低限の出来を保ってもらいたかった。
せめて桜√クラスのヒロインの『可愛さ』を保ってもらいたかった。
ヒロイン4人で4つの√。
その内の2つの√がパッとしないのはやはりいただけない。
そんな風に思う作品となってしまいました。
www 蛇足 www
・総CG枚数83枚
内、SD絵10枚
線画っぽいもの6枚
通常のCG67枚の内、HシーンCGが39枚
(すべてcyokin10w調べ)
Hシーンを頑張ってるのは評価できますが
通常のCGがあまりにも少ない。
そしてそのCG数では、女の子の『可愛い』を支えるにも創り出すにも不足してしまっていました。
フルプライスとしてのボリュームの問題。
テキスト量だけで無く、絵も足りていなかったなぁと思う次第です。
・ボーカル曲3つは全ていい曲。
正直、萌えゲーでは珍しい当たり具合。
ある意味この作品最大の長所かもしれません。
・プレイした方にワタクシのプロフィールをご覧いただければお気づきになるかも知れませんが
俺得Hシーンが二つも(碧里初Hと桜初H)あってcyokin10w大歓喜。
これですよ、初心(ウブ)さが売りの処女は恥じらわせてナンボなんですよっ!
初めから高度で過激なプレイを要求するなんてもったいない!(力説)
特に桜ちゃんの初H時の言動が
強烈なまでにワタクシの独占欲や征服欲、さらには嗜虐心を刺激してくれまして。
主人公も「鼻血出る」とか言っとりましたが、鼻血が出たのはこっちです(ぇー)
……………………これから何度もお世話になると思われます。
・その桜。
この子はめんどくさ可愛い娘ですね。
自分の好きな人しか見えないタイプで
思い込みが激しく、ネガティブ思考。
そして一番あざとく『可愛い可愛い』している女の子。
他の作品に出てきたら、視野狭窄ぎみの愛の重さと
思い込みやネガティブを起因とするワガママや暴走で
敬遠されるタイプのヒロインかもしれません。
でも、ギャグ優先のこの作品のいい意味での『軽さ』が
彼女が必要以上に重くなるのを上手く回避したと思うのです。
軽快な作品ゆえに輝いた少々重めのヒロイン、玉森桜。
ある意味で、作品に上手くハマった女の子でした。
・『恋愛0キロメートル』がワタクシにとってイマイチだったにも関わらず
これを購入した理由は、絵がかなり俺得方向へと変化してくれたからです。
しかも上述したようにワタクシの好みにズッポリと嵌ったHシーンを2つも堪能できました(滅多に無い事)。
点数こそあまり伸びませんでしたが(それでもこのHシーンのおかげで60点台を回避しています)
今後の作品にもこういうHシーンが入っていることを期待できるならば
『プラマイウォーズ』や『スキとスキとでサンカク恋愛』も、購入候補へ入ってくるかもしれません。