ヒロイン達の豊かな表情がとても魅力的な作品。糖度高めのイチャラブ萌えゲーです。
”そんな簡単にはいかないよ!!
○○は育ち盛りの女の子なんだよ!?
猫の子預けるのとは訳が違う!!
(中略)
人間一人の生活の面倒を見る責任ってものを
もっと慎重に考えて!!”
(ひぐらしのなく頃に 漫画版より)
共通√で提示された問題がわりと重めなものが多いため
シリアスゲーの雰囲気で話が進んでいきますが、いざ個別に入ってみると目立つのは
恋人になった2人のイチャラブっぷりと主人公虎太郎の説教で
問題そのものにはあまり深入りせずにお話は終わってしまいます。
故になんとなく肩透かしを食った感が否めないのは事実です。
織衣の両親に会いに行くわけでもなし
まるなの父親を率先して捜すわけでもなし
ニーシュ解体の件に至っては、ハナから諦めている虎太郎。
彼が行うのは、問題に直面したヒロインに対する説教です。
そしてその説教によってポジティブな(心境の)変化を遂げたヒロイン本人が
問題と向き合い、折り合いをつけていきます。
共通√から各個別まで全編に渡ってそのような感じなので
プレイヤーは虎太郎の同じような内容の説教を繰り返し聞かされることになります。
ええ、うんざりしますよ。
語ってる内容自体は(それが唯一解ではないのは当然ですが)うなずけるものが多いですし
真摯な人との関わり方や家族の在り方を模索する主人公の姿勢には好感が持てます。
ですがいかんせんしつこすぎました。
そのせいか、個別の2人目3人目辺りまで来た時にはかなり疲れてしまっており
話の内容があまり頭に入って来なくなってしまいました。
説教の影にお話が隠れてしまったとでもいいましょうか……。
さて、その主人公虎太郎の説教でも覆い隠せなかった長所が、ヒロイン達の可愛さとイチャラブです。
ヒロイン達は総じて表情豊かで、特に笑顔が魅力的。
その笑顔だけでも何パターンもある上に、コロコロと表情を変えてくれます。
ワイド画面を活かした最大7人のキャラクターが喋って動いてワイワイやるシーンなどはとても爽快で
心地よい雰囲気とその雰囲気を作り出すヒロイン達の魅力を伝えてくれました。
そしてイチャラブ。個別はきっとお話よりもこっちがメイン。
付き合い始めてからの織衣の豹変っぷり
ソーニャやまるなのわんこっぷり
通じ合っちゃってる感全開の有希との関係
かの有名なラブラブルほどにはバカ甘に徹しきれてない感はありますが
Hシーンの豊富さも含め(ピロートーク完備もGood)充分お腹いっぱいになりました。
あのシリアス寄りな共通√から考えれば、もう少しお話を掘り下げて欲しかった気もしますが
イチャラブがメインという捉え方をすれば、良質な作品だったと思います。
$$$蛇足$$$
・保科有希が、藤枝保奈美(@はにはに)から最強幼馴染の座を奪取しました。
聴いているだけで安らげる、あの声。桐谷華さんの演技力、ものすごいですね。
何気ないセリフの喋り方、その一つ一つが絶妙な雰囲気を醸し出していて。
ああ、この子は絶対虎太郎を見捨てたりしないんだろうなぁ、という安心感に浸ることができました。
・まるなや赤ん坊の件。一般的な是非はひとまず置きますが
過去に動物に関してああいう経験を繰り返して、そこから学んだと言っている人物がやっていい事ではないでしょう。
Hシーンでやたらと赤ちゃん欲しいとか言い出しちゃうヒロインに対しても彼は窘める側にまわるべきです。
にもかかわらずヒロインに同調しちゃってる虎太郎は、過去から何も学んでいない事を露呈してしまっています。
違ったらごめんなさいだけど、命と向き合う責任の重さについて、あなたは学んだのではないのですか?
この辺りの甘さというか、いい加減さが、良い事を言っているはずの彼の説教を
プレイヤーが素直に聞けなくなってしまう要因の一つになっているのではないでしょうか。
・Hシーンについては、どストライク。
ほぼ全てのヒロインの最初の本番Hシーンに、きちんと一枚一枚脱がす差分があり、全裸正常位でのセックス。
この基本をすっ飛ばしてしまう作品がむしろエロゲ界の趨勢を占めてしまっている中で、よくやってくれました。
童貞主人公が処女ヒロインに「優しくするよ」と囁いた数分後に着衣立ちバックとか要求してるのを見ると萎えるんです。
基本を押さえた上で、色んなHに手を出していく、という流れにすれば
Hでも2人の仲が深まっているのが描写できていいと思うんですけどねぇ。
・ソーニャのようなタイプの娘を氷攻めにすると、あんな素敵なリアクションをとってくれるんですねっ!
よしちょっとそこいらで試して来(逮捕)