攻略対象ヒロイン全員の担当絵師が別の方(双子ですら違う!)というかなり挑戦的な外面ながら、中身は適度に無難な萌えゲーでした。やや眠くなるきらいはありますが、ヒロインの第一印象 祐佳>夏姫>由那>春姫>恵那>踊子 だったのがクリア後 踊子>恵那>祐佳>夏姫>由那>春姫 に変わるくらいにはヒロインの可愛さを内容で表現してくれるので、出来れば全員攻略することをお勧めします。
この作品の個別√では、ヒロインの可愛さを表現するのに
①共通√で見せたヒロインの魅力を個別√でも強調する、というやり方と
②共通√では見えなかった(あるいは目立たせなかった)ヒロインの別の一面を見せることで、ヒロインの魅力を増幅する、というやり方
大枠で考えてこの二つのやり方を、各ヒロインごとに割り振っていました。
①のやり方が採用されていたのが、踊子・恵那・由那
②のやり方が採用されていたのが、春姫・夏姫・祐佳
一言感想で書いた順位を確認していただければ判るかと思いますが
そう、ワタクシの中で明暗が分かれました。
ぶっちゃけてしまいますと、①の方は個別の物語にたいした内容はありません。
終盤にとってつけたように問題を発生させますが、おおむね主人公くんがちょっぴり口を出すだけで解決してしまいます。
お手軽で薄っぺらい内容と言ってしまってもいいかもしれません。
一方②の方は、物語がそれなりに大きな転調をします。
軽いノリは影を潜め、直面した困難を解決するために苦悩するヒロインと主人公をしばらくの間見続けることになります。
物語の見せ場は、こちらの方がしっかりと準備されていたのです。
ところが、プレイを終えたワタクシは
①で表現されたヒロインたちを『可愛い!』と感じ
②で表現されたヒロインたちを『重い……』と感じてしまったのです。
何故そうなったか。
①の方はまぁ、特筆すべきことはありません。
共通√中に表現されていたヒロインの長所を、個別でも強調した上でイチャコラできるのだから
その長所がプレイヤーにとって好ましいものであればあるほど、ヒロインが可愛く映るのは当然です。
では②はどうか
これはもう、シリアスの描き方を失敗したなと。
②の方のシリアス描写に共通するのは、ヒロインと主人公のディスコミュニケーションなんですね。
(春姫√は少し違いますが、思い込みをこじらせるのは一緒)
問題の発生に主人公の責任がゼロとは言いませんが
基本的にどの問題も、ヒロインの心の持ちよう次第で解決する内容です。
にもかかわらず、あるいは対話を拒絶し、あるいは本心を隠し、責任を主人公に押し付けて逃げ回るヒロインたち。
しかも、そのキチンとした対話の無い状況でヒロインから向けられる疑惑の眼差し。
結果、、、、、、
理不尽だなぁ、この娘たち
面倒くさいなぁ、この娘たち
などという感じに、ヒロインの評価が下がってしまったのです。
一方①にもシリアスはあるにはあるのですが
シリアスシーン自体が短い上に、そのシリアスもあくまで外部から降って湧くもので
ヒロインのネガティブな感情が主人公に向くことはありません。
結果として、長所を伸び伸びと表現するヒロインたちに安心して萌えることができ
彼女たちの評価は緩やかに上昇していきました。
そしてそういった諸々の要因が生み出したのが、一言感想に書いた
第一印象とクリア後での、好きなヒロインランキングの大幅変動。
図らずも、萌えゲー内でのシリアス要素のあり方について考えることになり
作品の出来の割には(酷い言い草)思いのほか印象深い作品として、心に残ることになりました。
=== 蛇足 ===
・誤解の無いように言っておきますと、ワタクシはシリアスは大好物でして
困難に直面したヒロインが見せてくれる、今までとは違う生々しい反応・表情
そういったものが、彼女達を単なる『萌えの記号の集積物』から
キチンとした人格を持った魅力的な登場『人物』へと昇華させてくれる!
……くらいには思っているのです。
ただ今回に関してはそうはならなかった。
主人公を責める彼女たちの感情に共感できなかった。
そしてそれがストレスになってしまった、という次第です。
決してシリアス不要論に与するつもりは無いので、お間違いの無きようお願いいたします。
・そのくせシリアスに対してやたら辛口で、中身のあまり無い(ぇ)イチャコラに寛容な感想になったのには実は理由がありまして
(完全に個人的な事情で恐縮なのですが)
実はこの作品をプレイするまで四作連続でシリアス成分濃いめの作品をプレイしておりまして、能天気なイチャラブに飢えていたのです。
ですからもう、可愛いヒロインとのイチャイチャシーンが出てくるだけで評価が上がっていくような感じになってしまいまして…………
多少(今までプレイしてきた他作品に対して)公平さを欠くような評価になってしまっているかもしれません。
逆に言えば、プレイ順というのはとても大事ということ。
シナリオ重視型の作品と萌え重視型の作品のプレイ順を上手く組み合わせてゆけば
その作品の持つ本来のポテンシャル以上に楽しめる作品が、これからも出てくるものと思われます。
・シリアス描写の中で、双子の感覚の違いは中々面白かったですね。
夏姫とは一心同体、という感覚でいる春姫
独立した個人として扱ってもらいたい夏姫
春姫√の春姫は完全に行き過ぎで、狂気を感じるくらいなのですが
実際のところ、一卵性双生児って互いに相手をどういう風に見たり感じたりしているのだろう
なんてことが気になったりしました。
・Berry's とかいう風営法にひっかかる手前のファミレス
店員一人ひとりに固定ファンがついてるとかどこのキャバクラですか?
しかもファンがついてるのを客寄せに活用してますからね。
ウェイトレスの制服が3種類あるのを見ても、狙ってやっているのは明らか。
あんなヒラヒラ制服、現実にあったらセクハラで訴えられそうです(馬○道「そうでもないで?」)
・その制服、3種類の切り替えをいつでも任意に出来るのには拍手。
立ち絵どころかCGも変わるという徹底ぶり。
普通に3倍の手間がかかっているはずで、絵師さんお疲れ様ですってなわけですが
(これもあって原画家さんの数を増やしたのかな?)
こういう部分(女の子の可愛さを表現するためのアレコレ)をサボらない感覚はとても好感が持てます。
CG差分や立ち絵のバリエーション・表情差分を端折らないだけで、可愛さは段違いになりまっせ!
・夏姫のHシーンと祐佳のHシーンが妙にエロく感じたワタクシ。
好きな絵師さんだということもありますが
この二人のシーンは表情がとても官能的なことに気付きました。
特に夏姫の部屋でのシーンの夏姫のやたら肉感的な肢体と感極まったような表情が下半身を直撃しまして、、、、、、
これから何度もお世話になりそうな気がします。
・Hシーンといえば、踊子の最初のHシーンでベッドに横たわる踊子の服を全て脱がしたCGを
エロスケのこの作品のページで見たのですが、作品中には出てこず。
処女の服を順に剥いて全裸にするのが大好きな cyokin10w (コノ変態メ!)としましてはとても残念な事態。
…………今からでもパッチ作って入れませんか?(無理デス)