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cyberkさんのいろとりどりのセカイ WORLD'S END COMPLETEの長文感想

ユーザー
cyberk
ゲーム
いろとりどりのセカイ WORLD'S END COMPLETE
ブランド
FAVORITE
得点
84
参照数
307

一言コメント

運命に翻弄された哀しき少女、二階堂真紅

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

『いろとりどりのセカイ』83点
『いろとりどりのヒカリ』84点

後日談ノベルである『いろとりどりのミライ』も読了いたしました。

各作品毎の細かな感想は私のブログに掲載しているのでそちらもどうぞ。
ここではセカイとヒカリの全体を通して感じたことを書いていきたいと思います。


ここでの評価の高さからかなり期待していたのですが、これはちょっと過大評価ではないかと思いました。
とにかく面白い部分とそうでない部分の差が激しい。
先が気になってやめられなくなる場面もあれば、退屈で眠くなる場面もあったりして、非常にバランスが悪いです。
というかぶっちゃけると大半が面白くないです。たまに面白くなってまたすぐつまらなくなるを繰り返す感じ。
まあ面白い場面もそこそこあったんですけど、総じてつまらない場面の方が多かったかな、という印象。


「真紅が半透明である理由はなんなんだろう?」と、ここのところ結構楽しみにしてたんですけど、
まさかの「主人公が書いた設定」でしかなかったというオチはあまりにも残念すぎた。


あとライターの文章力が致命的なレベル。
変な長セリフ、一対一で話しているにも関わらず毎回一人称や二人称が入るくどい言葉遣い、
単語の誤用、文のねじれ等々、ひとつひとつ挙げていくとキリがない。明らかに実力不足。
真紅の台詞の最後「そう思うよ私は」ってやつ。これ頻繁に言うんですけど、強調したい場面でもない限り必要ないと思います。
テキストの稚拙さが気になる方、それなりのテキストを求める方には全くオススメできません。間違いなくストレスがたまります。


それともう一つ。
この作品全体的に回想が多いわけですが、純粋な回想シーンなら良いんですけど、物語を進めていくなかで回想使って描くのはやめてほしいなと。
「なにか問題が発生→少し進んだ場面を先に描く→回想でその過程を描く」
っていう手法が多用されます。これ、読んでる側としてはとてもつまらないので止めた方がいいと思います。

回想って過去の話なので、確定している未来に追いつくまでの過程をただ見せられるだけなんですよね。
「この先どうなるんだ!?」って楽しみながらプレイできないんです。今まさに進行している「ライブ感」がなくなるのは非常によろしくない。
まあこれは個人差もあるかと思います。気にならない方は問題ないですけど、私はこういうの結構気にするタイプなので。


と、文句ばかり言ってきましたがキャラと音楽は非常に良かったと思います。
真紅や藍はとても可愛かったです。特に藍はかなり好き。ああいう明るい太陽みたいな子好きですね。傍にいてほしいです(
あと音楽も素晴らしかった。OPのアレセイアは名曲です。BGMの「紅い瞳に映るセカイ」もかなり良かったです。


壮大な世界観のアイデアは素晴らしいですが、ライターの実力が追いついていなかったかなという印象でした。