エロゲーとして見ると駄作,百合ゲーとして見ると凡作,青春群像劇かつ成長物語として見ると史上稀に見る傑作。
こう,いい意味での斜め上を行くのは嘘屋が嘘屋たる所以か。
主人公兼メインヒロイン兼スーパーサブの結奈は個人的に2012年度ベスト主人公確定。
シナリオは敢えて一言で言うなら,皆が「歩き出す」物語。
ファンが今もなお盛り上がりを見せる理由がよく分かる。
癖はある文章だが,ベタなお約束と意表をつく展開の使い分け,緩急が見事の一言に尽きる。
アナザー含めて後半になればなるほど登場人物の縦横の繋がりがしっかり描かれ生きてくる展開も素晴らしい。お気に入りは愛季と桐と聖苗と…ヒャア!我慢できねえ!やっぱり全員だ!
難点は,何はなくともエロ薄すぎってレベルじゃねえということ。
せめてアナザーでもう2,3箇所CGつけるべきだろと。ってか10月以降でもっと入れろと。
放送部コンビとか早期にくっついただけにその後サブ的活躍しかなかったのが不満。最もそれがまたいいのだが。
スケジュール帳システムも,基本的には時間を追っていく必要があるのがもったいなく感じた。
例えばヒロインの過去話の形で時間を巻き戻してイベントを入れるというのが,
ヒロイン視点とアナザーにはあったけどメインの流れの中にも作れたんじゃないかとは思う。
構成上同じ文章を二度見しないといけないのを心情描写としてアリと見るかどうかも大事か。