帰って来ました。猫忍新時代。──その通り!とっても楽しい作品でした。長文感想には悪口が含まれます、勿論称賛も。……ニャハハ
ヒロインがいくらか理性を獲得したことで会話等が丁寧になったが、従来備わっていた動物らしさ、ケモノっぽさは薄れたように思う。頭を使わないのほほーんとした連中が、姿を消した。辛うじてゲストの北条遊撃隊一部メンバーにその傾向は残っていたが、たまとゆらはいない。いないんだ。正直憎たらしい、ウザい、縛り上げて勝手な行動を阻止したい、エトセトラエトセトラ、無印ヒロインの二人にはよくない感情を向けたりもした自分であるけれど、いざ登場しなくなるとウザさの消滅から来る悦びより寂しさが勝る。好きの反対が無関心であるならば、たまゆら(特にゆら)を正直疎ましく思うところがあった自分は、それと同時に彼女たちを大切に想っていたのだと思う。自分で書いていてよくわからないけどそういうこと。
たまゆらの立ち絵だけでも使われていたSPIN!作中あの瞬間が、どれほど嬉しかったことか。また「ニンッ!」ってむかつく鳴き声を聞くことができる日の訪れを、ひたすら待ち続けるばかり。
掛け合いに関しては、明らかに旧猫忍シリーズよりキレが増していると感じた。ドラプリか。ドラプリを経たからか。ドラプリはいいぞ、楽しい会話がユーザーに人生を見せてくれる。
ライターさんがこの数年で更に腕を磨いたのか、テンポ良くてスルスル読める掛け合いが素敵。メイン視点主は新たな主人公・菊丸様。ナナコやチカに対してしょっちゅうイライラしてるのホント好き。冗談程度でもヒロインに負の感情をぶつけるとは何事だ!という人には合わないかもしれないけれど、そういう軽々しさ、親しみ故の遠慮のなさをキャラクターの振る舞いからたくさん感じられたのはとてもポイントが高い。
菊丸様、個人的にはハルキ殿より好きかも。ハルキ殿、真人間だったから。真面目で天下人の器だから。ご近所にご飯たからないし。ザリガニ釣って飢えをしのがないし。魔法アイドルの追っかけから運営側になって全力サポートしたりもしないから。秘めたる亀パワーでゴーレムにも変身できないから。……うずまき近江谷ロープラ主人公、大体行動力がおかしい。一番最初に生み出されたハルキ殿が一番ノーマルなのは、正直仕方ないと思うけれど。どうしてももうちょっと個性を!と思ってしまうのが、自分にとってのハルキ殿。
物語部分、素直に面白かった。猫忍最高!猫忍最高!
演出も丁寧だった気がする。凄く個人的で主観的な意見として、これまでの猫忍は演出がチープ、安っぽかった気がしていた。立ち絵ビュンビュン動かして飛び跳ねさせたりするのとか特に。うずまき他作品には全く詳しくない勉強不足な自分だけれど、アンレス・テルミナリアも戦闘時の演出が安っぽかった。シリアスパートのはずなのに正直茶番感がすごかったりした。いや、アンレス86点つけているけども。大大大好きな作品だけど。……なのに、今作ではそういうチープさ、微塵も感じなかった。自分の感性が変わった?実際に何かが変わった?何がどう変わったんだろう。爆発とか、エフェクトが心なしかシンプルだったからかな……よく見返して比較すれば、言語化できるんだろうけど。
物語に関するところに戻ると、萌え萌えした雰囲気を壊さない程度にシリアス(重すぎもせず茶番にならない程度の良い塩梅)で真面目(真面目……?)な成長物語が描かれていて、個人的満足度は前シリーズ1〜3を大きく上回った。
半分ペットみたいだった路線を脱却し、しっかり女の子になったヒロインズがとても可愛らしく(愛玩動物チックなヒロインを可愛くないと述べている訳では決してない。ウチは最強だぴょん。だし)描かれていたと思う。藤花お姉ちゃんも、ナナコも、チカも、最高!
藤花お姉ちゃんの昔話とか気になるし、チカに徹底的なわからせえっちしたいし、続編とーっても楽しみです。猫江のシーンが一回しかないなんてゆるせねぇよ……。
長文感想として書き残したかったのは、大体そんな感じで。
最後に。
発売直前に猫村ゆきさんは里見八忍かもとかバカみたいなことSNSで言ってたら、作中で未登場の八忍に猫村って子がいて笑っちゃいました。猫村ちゃん、一体どんな亜人なんだ……サトちゃん=サトミ様?が知ってそうだから是非とも教えてほしいです。そしてうずまきさん、続編でその子出して欲しいです。
まだまだ広げる余地あり、明かす設定ありありな猫忍ワールド。例え蛇足になろうとも、持ち前のゆるゆる脱力空間できっと切り抜けてくれる。
SPIN!に合わせてプレイし始めた新参者な自分ですが、末永く続くコンテンツになってくれますようにと、深く深く、お祈りしています。だって、どんなに文句言ったって、結局楽しいんだもん。それがきっと一番なこと。ニンニンッ!