頑張り屋でいじらしい梨理ちゃんという女の子に出会えたことが大収穫。長文感想は乱文です。
大体一年前におじょナナをプレイして以来、二つ目のensemble作品で、はじめての乙女シリーズ。
向かうは騎士(ワルキュリア)が切磋琢磨する乙女の園。可愛く強いヒナちゃんくんがクラージュと反則クラージュを駆使して勇ましく戦います。
自分のプレイ順は依夜様→クレール様→杏奈ちゃん→梨理ちゃん→睦月ちゃん
睦月ちゃんは特別こだわりがなければ最後がいいんだろうなと。
好きなヒロインは梨理ちゃん>睦月ちゃん=依夜様>クレール様>杏奈ちゃん
√の満足度的にはクレール様と杏奈ちゃんが同じくらいで、それ以外は殆ど好きなヒロイン順そのままです。やっぱり梨理ちゃんなんです。
ここからネタバレ
・ヒナちゃんくんについて少し
空木日向→卯花陽菜。流行語にゅえええええ。
女装する前からもう「女」なんですよね。腰がモデルさんみたいに細くって、体は決して筋肉質でなく。髪もサラサラと長く……留学先でよく掘られなかったなぁと思います。男子校らしいのに。
着痩せするタイプ説を推していた当初の自分でしたが、全裸になっても結構細い。大した筋肉も確認できないんですよね。男の娘というと、可愛い顔の割に男性的な体つきをしている……というのもまた堪らないポイントだったりする気もしますが、ヒナちゃんくんはチンコ生えてて前の穴が無いだけの女の子でしたね。それもまたヨシ。
なお、フィエルテ姿では胸部に谷間を確認することができます。猛々しい胸筋説、肉を寄せてる説等ありますが、正直後者なら、あの体型で寄せることができるだけ肉があるってイコールおっぱいだよなぁとか思います。
そんなヒナちゃんくんが女装する理由は、指南役補佐として騎士育成科を短期間支えるため。ようは人助け。カッコ良さを求めて剣を始めるくらいですから、もうちょっと女装に対する葛藤があってもいいんじゃないかと思いましたが……人のために我が身を犠牲にできるのもまた、一つのかっこよさかもしれません。ニナさんに無茶振りされても何だかんだ応えていくヒナちゃんくんチョロかわいいですね。
ヒロインルート
依夜様ルート
タッパのある女が可愛い物好き、お部屋でぬいぐるみ抱いてるとなればギャップ萌え必至なのでした。パッと見て凛々しく寡黙でカッコいい依夜様ですが、思っていることを口に出すのが苦手というのがまた堪らない。何でもできるタイプなのに、どこか不器用なんですよね。
キャストの風鈴みすずさんの演技はTHE・少女といった感じ。ちょっと愛想が悪そうな、幼なげな声音が素敵でした。依夜様のお声に凛々しさはあまり感じなかったんですよね、凄く等身大といった具合で。それでも総合的には凛々しくカッコよく、母性も滲ませてくるキャラクター。プレイ前そこまで気になってなかったのもあって、つよつよでした。
ルートで気に入った所としては、ヒナちゃんくんとアンジャッシュしてたのが面白かったですね。股間の隠しクラージュを見られたと思い込んだヒナちゃんくんと、ヒナちゃんくんの大事なクラージュを触りたがる依夜様。わざとやってんじゃねぇかというくらい如何わしいやり取りで、着実に悶々とした気分になっていくヒナちゃんくんが可愛かったですね。それでもって、女装バレした直後の依夜様がイケメンで好き。
このルートの戦闘では、舞踊の練習をもとに新たな戦法を編み出していたのが面白かったです。そんな簡単に息を合わせてアドリブ効かせまくれるもんかとか考えちゃいけない。数を数えながら剣撃を重ねる二人が美しかったです。
そうして順調に勝ち上がり、トーナメントを制して最優秀騎士となった二人。全校生徒の面前でその交際関係を明かし、祝福されて、めでたしめでたし。依夜様ルートは大体そんな感じで完でした。
………………???
おいおいおいおいアリアはどうしたアリアは。
その後の歌劇が直接は描かれていないんですよね。そこもしっかりきっちり見たかったんだぞということで、ちょっぴり残念だったり。まあ、全ては睦月ちゃん√に見せ場を持っていくためだったのでしょう。……歌劇だからこそのイチャイチャとかあったかもしれず。堪能したかったな……なんて思いつつ。
そういえば、最初に依夜様から攻略したので驚いたのですが、ヒナちゃんくんペアの優勝するのってメイン四人人の√中で二回だけなんですよね。依夜様√と梨理ちゃん√です。前述した通り、自分が一番最後に攻略したのは梨理ちゃん√で、それまでにプレイしたクレール様や杏奈ちゃんの√では共に敗退していて……逆に好印象でした。
安易な主人公無双が発動しなかったということ。ヒナちゃんくんは前提として男の子な訳で、その上留学して剣の道を直向きに走ってきたとなれば、当然身体を鍛え上げているはず。筋肉ないけど。
腕力で、もっというと男のパワーで、ヒロインズから勝ちをもぎ取るような展開は絶対にやめて欲しかったんですよね。性自認女性の男が、女性のスポーツ大会に出て好成績を残すのと大差ないと思うんです、そんなのは。
共通√初手の依夜様戦で、クラージュに想定以上の力を加えて立体映像の剣を折る、なんて芸当を見せたヒナちゃんくんだったので、いざとなったら強引に剣を折って勝利をもぎ取るんじゃないかとビクビクしていました。杞憂でした。よかった。
ただまあ、依夜様ルートの決勝戦では、依夜様と二人で相手の剣2本を破壊していた(はず。間違っていたら申し訳ない)ので、必ずしも男のパワーだから剣を折ることができた訳ではなさそう。女性でも剣を折ろうと思えば折れるということ。
自分の中の不公平感は幾らかマシになりました。
だいぶ話が逸れました。
それから一つ、このルートでモヤっとしたことがありました。
ヒナちゃんくんが神に奉納する舞踊を踊った場面のこと。
性別を偽ったまま、大した躊躇いもなく、巫女(女性)が踊るべき舞を女装した男が踊るということ。
自分自身、信心深い人間という訳でもありませんが、他所んちのそうした仕来りを平然と破るヒナちゃんくんにちょっとモヤモヤ。代役をササッと用意できなかったあの場では、ああすることが最善だったとしても、もう少し「オレほんとは男だけど、この人たちのためにも仕方ないことなんだ……」的な葛藤が欲しかったなとか思ったり。
面倒な性分です。多分こんなところ他の誰もケチつけてないと思います。
クレール様ルート
匂いフェチ。今作のおっぱい担当。印象的なのは大体おっぱいでした。クラージュ着用時のエロさは個人的ヒロイン内ダントツ一位。発育に富んだ女子は母性も極まるのか、依夜様と合わせておっぱいに顔を埋めて甘えたくなりました。めちゃくちゃハグかましてくるんだもん。堪りません。ヒナちゃんくん代わってほしい。
ルートのラストではヒナちゃんくんと二人でフランスへ向かうことを決意。勿論女学院。留学経験者のヒナちゃんくんなら言語面ではまず問題ないのでしょうが、異国で女装生活となると心理的負担が大きそうです。ますます男としての自覚を失っていくヒナちゃんくんとか妄想が捗りますね。帰国する頃には男装じゃ落ち着かなくなってそう。作中で既にそうなってたか。
少し話は変わりますが、クレール様のクラージュはどういう形状をしていたんだろうとか、ちょっと気になりました。クラージュというと伸縮する筒を想像していたのですが、クレール様のモノはハルバード。立体映像を貼り付けてないと一体どんな形してるのか……どういう風に縮めたり延ばしたりしてたんだろう。刃の部分とか結構気になります。
杏奈ちゃんルート
初恋の話。日向くんのことが好きなこしあんちゃん。ヒナちゃんくんのお隣さん。
日向くんとのトークアプリのやり取りで思い悩む姿は年頃の女の子という感じ。大変可愛らしかったものの、個人的にはあんまり印象に残らなかった子。お姉様方にはいじられまくりで、性格も良い子。……正直、そこまで個性的ではないんですよね。
周りの面々が中々に個性的なメンツだったので、自分の中で埋もれてしまったのかもしれません。正体を告白され、長年の初恋を成就させた瞬間とか結構好きなシチュエーションではあったんですが……すまない。美実様、宗千佳姉さん、ニナさん辺りの方が印象に残ったまであるかもしれません。
梨理ちゃんルート
プレイ前から一番気になっていた子。最後まで一番でした。
お姉ちゃんがフェンシングを辞めた原因は一から十まで依夜様にあると思い込み、彼女を打ち倒すべく頑張る努力の人。お姉ちゃん想いの良い子ですが、思い込みはちょっと激しいかも。
このルートでヒナちゃんくんが言っていた、努力は努力でしかないという話は、結構お気に入りです。頑張ってる人の成果を才能の一言で片付ける人は個人的に苦手。ある一定以上の努力や成果には才能も必要だと思いますが。
日向くんとゲーセンで逢瀬を重ねるところとか、もの凄く甘酸っぱいというか何というか。尊い。作中でも特に好きな場面なんですよね。特に敬意も払っていない異性にだからこそ見せる、素気ない態度や毒舌。ヒナちゃんくんには決して見せてくれない姿。
日向くんに取ってもらった景品を大事に使ってるところとか、また会えないかなとゲーセンをウロウロする姿とか、めちゃくちゃいじらしくて。日向くんに対してどんな態度を取るべきか考える姿に萌えて。
この√の特徴は、睦月ちゃん√はともかく、他のメインヒロインの√では見られなかった、男状態での交流パートだと思います。
女装ゲーほぼやっていないのでアレですが、こういうの結構大事だと思うんです。最近気になる男の子が、実は気になるあの娘だった!なんていうの、中々そそるシチュエーションだと思うんです。他のルートでも欲しかった。
女装バレして恋仲になった後は、「センセに接する時の梨理ちゃん」と「日向に接する時の梨理ちゃん」を使い分けてきたところとか二度美味しいの何のって。
戦闘部分では、ヒナちゃんくんと力を合わせて念願の依夜様撃破を果たしたり、長年の目標で常に自分の前にいた美実さんを単独で倒したり。けれどそれは、ヒナちゃんくんがこれまで支えてくれたからこその勝利でもあって。
とにかく頑張り屋で生意気で、懐くと近くに寄ってくる梨理ちゃんがいっとう可愛かったです。
徐々に態度が砕けて、鬼気迫る練習の日々に「楽しさ」を見出せるようになっていった梨理ちゃんは、作中でも屈指の輝きを放っていました。こんなんメロメロになっちゃいます、最高です。
人気投票現状一位(2023年8月8日時点)も納得のかわいらしさ。このままトップで走りきってくれ……睦月ちゃんに負けないで(2023年8月9日現在)
この√の美実さんも好きでした。ヘラヘラして軽いキャラにもそれ相応の積み重ねはある。色んなものを乗り越えて今笑えているんですから、強いし尊いなと思います。
・睦月ちゃんルート
パケと梨理ちゃんとヒナちゃんくん以外眼中にない状態で購入したので、そもそも存在を知らなかったとか言えません。え、お淑やかで可愛い声。声優さん一体誰だろう……なんて思っていたら月野きいろさん。本郷虹夢ちゃん(『AMBITIOUS MISSION』)や綿貫杏那ちゃん(『PRIMAL×HEARTS2』)、イリスちゃん(『竜姫ぐーたらいふ2』)といった個性強めの系統やら、可愛い系なら有村ロミちゃん(『アインシュタインより愛を込めて』)やらのイメージが強かったので、パッと分かりませんでした。睦月ちゃんの声だいぶ好きです。またこの声で新作出て欲しいなと強く思います。
ここからはルートを終えての雑感。
ちょっと怪しいなとか思ってたけど、お前男だったんかい。しかしめっちゃ可愛い。掘りたい。マジで掘りたい。ホモじゃないけどこの子は例外的です。何ですけべできねぇんだよくそがよとテーブル殴りつけたくなりました。
一人だけ入浴時間が違う、どのシーンでも下着姿が見られない、匂わせてるけどまさかな……とか思ってたら案の定。
女将が名物の温泉旅館を営むご両親、彼らの英才教育の賜物で、生まれた時から自我が殆ど女の子。「若女将ちゃん」として育てられ、空木陽子さんとの出会いを契機として山奥を飛び出し合唱団の道へ。日向くんを傷つけてしまってからは、男の気持ちを解せるようになりたくて「僕」という自我も獲得した模様。でも殆ど女の子のままでほんとガン掘りしたいです。ところてんしたり、直接抜いたりしたい。
すけべがないのもあって、ヒナちゃんくんとは「親友」という無二の間柄に進展。他のヒロインズには見せない、見せられない自然体な姿でイチャイチャしてる二人が尊かったです。ヒナちゃんくんが男だと気づいていない状態でモヤモヤあたふたする睦月ちゃんももっと見ていたかったですが、まぁ、片方だけ真実を知ってるのはフェアじゃないし仕方ないですよね。女装潜入してるヤツらにフェアもクソもないんですが。
「秘めごとコンチェルト」というタイトルについては、ルートの終盤でこういうことかと納得。秘めごとを共有した親友たちがテアトルでensembleするという具合。二人の歌姫が着飾り歌うCGは、作中でもトップクラスの美しさでした。「乙女の剣」も案外股間の剣のことだったりして。
職員待遇を解かれたヒナちゃんくんと同室になりそうな終わり方だったので、まあ、ひとつ屋根の下、同じ部屋で、お互いを可愛いと思い合う者同士、何も起きないはずはなく。いずれは耐えきれなくなって掘り合いになるでしょと思います。
本当に、変な道を開拓されかけました。可愛いは正義なんだなと思います。下半身以外はホント女の子より女の子なんだもん睦月ちゃん。
……そんなこんな、読んでいて結構楽しい作品でした。えっちも結構えっちっち。シコシコする時の水音とか、ヒナちゃんくんの喘ぎ声とか、最高に愚息が震えました。
だがしかし、内容面で何か飛び抜けた面白さがある訳ではなかった、というのが正直なところ。普通に面白かった、なんですよね。結果75点という点数に。主人公とヒロインの可愛さが一番な作風。細かいことは気にしちゃいけない、なんでしょう。
演出の濃さや戦闘描写に割くテキスト量次第では、また違った方向性の作品にもできたんじゃないかと妄想したりします。ガチガチのテキストで魅せる戦闘モノにもできたかもしれませんし、ビュンビュンとキャラを動かして視覚的に魅せる熱血スポーツモノとかにもできたかも。しかしそれはensembleさんの従来のイメージ、作風にはおそらく合いませんよね。だから乙秘めはこれで完成形。十分に満たされました。
次の乙女シリーズ新作もきっと購入します。過去作も、気が向いたらプレイしてみます。思わず股間がアン・ガルドしてしまいそうになる程のヒロインと、また出会えることを信じて。