クセを感じつつ、設定の規模に拍手。個人的な感触として、文章が冗長ではある。察せられる部分まで登場人物の心情が文字化されてしまうと、想像の余地が奪われて感動シーンに浸りきれない。ただ、グラフィック面、音楽面、テキスト量、世界観の質、構成力、これだけ揃って完成された作品はそうそうないのではないかと思う。凄まじい威力の作品だった。
お話が壮大。高評価せずにはいられない。
↓この作品が好きで好きで堪らない方にとって、これより下の文は気を悪くさせる類いのものかもしれません。ブラウザバックお願いします。
とはいえ、テキスト関連は自分ととことん相性が悪かったように感じる。
感情を一々台詞化し過ぎ、というのが率直な感想。
自分は創作物全般で、口に出されない感情や、地の文でそっと語られる登場人物の心境、仕草や表情に表れるその人の気持ち、というものに強く惹かれる。言外に伝えられるメッセージが凄く好き。告白やラブレターとかは別腹。
この作品においては、登場人物たちが良くも悪くもよく喋る。めっちゃ自分の気持ちを説明してくれる。
それはきっと好きな人にとっては堪らないことで、でも自分には中々の地雷だったようで。
感動的な場面でも、台詞量の多さに涙が引っ込んでしまった。浸れなかった。
泣きそうになった場面は沢山あって、感動がセリフに妨害された場面も沢山あって。
クロと彼の関係、千和とあの人らの関係、みんなみんなどうしようもなく好きだけど、惜しい。惜しい。
…などと、そういう不満だらけだと、この点数にはならない訳で。
ちいさな奏大雅がいつの間にかヒーローになれていたことが好き。
複雑な情報をスクリーンショットやメモで整理して、繋げるのが楽しかった。苦手なテキストだろうが流し読み、速読なんかできる訳ない。ボイスは殆ど余さず聞いたし、頭に疑問符浮かべばバックログを多用した。意地でも考察サイト・人からのアドバイスを頼りたくなくなって、頭を動かしてこことここは繋がらないかと考え続けた。自力で理解し切れないところでようやく考察を見て、噛み砕かれた情報に大興奮した。
テキストが合わない人間だろうと物語の結末まで駆け抜けさせられる。大絶賛せずにいられない。そういう魅力があった。
文章が好みなら、99点or100点付けた。クロ√がつよすぎる。
良き物語でした。FDで平凡な物語が見たい