陳腐だと受け取られるかもしれないけれど、分かりやすく伝わりやすいテーマと設定でもって多くの人へ届かせようとした素敵な作品なんじゃないかなと
PLUS+MOSAICはシオンとエリカのみ読了。
設定的な突っ込みどころは沢山あって、けれどもそれをつつくのは無粋だなと思わされる綺麗なお話。提示されている終わりへの過程を大切に描くことがきっと一番の目的で、この物語はシオンへの餞別、という意味合いもあるのだと思う。
この物語の主要人物は大部分が過去や使命感に囚われているというか、自分が本当にやりたいことを貫けずにいる。ナツメやエリカ、真夜なんかはその殻を真っ先に破っていた人物で、そうした人々に影響されるように、あるいは自分自身で答えを見つけて、みな殻を破っていく。「自分の人生、やりたいことやったもん勝ち」そんなありきたりだけれど実行の難しいテーマを扱っていたのかなと。やりたいことやって生きるって相当難しいですよね。
自分自身、鏡遊先生がシナリオ担当の作品はいくつかプレイ済み。楽しい日常パートもシリアスパートも器用に描く人だなぁという印象。特に真夜の明るさと周りの巻き込む騒がしさは、『明日君』や『みらノス』の登場人物達が持っていた賑やかさにそっくり。恐らくは、そうした騒々しい空間(褒め言葉)を描くのが大好きなライターさんなんじゃないかなぁ、というような妄想。
それからそれから何より、シオンが可愛くて堪らなかった。自分はファッションロリコンなので、リアル中学生の頃ならいざ知らず、大きいお友達になった現在ではあんまりガチロリで興奮できない(たまにできる)。ロリ風の女の子が良いのです。お椀くらいの膨らみがあればなお良いね。
シオンは所謂ロリババア、けれども外の暮らす際の立ち振る舞いは外見相応かそれ以上に無邪気で無垢、たまに見せる顔は大人以上に大人。そうしたアンバランスさが大変心に突き刺さった。かぁいいんだよなぁ百歳なのに。18禁対応ディスクではとても愉しませてもらった。そんなことして身体は大丈夫なのかよとか言っちゃいけない。延命が目的ではなく、より良くこの世を去るまでの物語なので。流石に腹上死とかには気をつけていただろうと思いたい。
設定的な緻密さには欠けるけれど、本編自体が全年齢対象であることから分かる(?)通り、沢山の人に届くことを望まれて生まれた作品なのだと思う。届かない人もきっといて、それでも自分にはしっかり届いて。
感動的で綺麗すぎるくらい綺麗な、地球最後のラブストーリー。とても良かったです。