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cookieさんのさくらシュトラッセの長文感想

ユーザー
cookie
ゲーム
さくらシュトラッセ
ブランド
ぱれっと
得点
79
参照数
59

一言コメント

ラブコメの王道的作品。新鮮な驚きには欠けるかもしれないが、安心して楽しめると思う。

長文感想

「雰囲気ゲー」という表現がしっくりくる作品だと思います。ドイツ風の街並みをモチーフにした『さくらシュトラッセ』というタイトル通りの商店街が物語の舞台になるのですが、この雰囲気が非常にいい。こんなところに住んでみたい、と思わせる魅力があります。

この魅力的な舞台に、いろんな意味で癖の強いキャラが上手く絡み合って、面白い作品に仕上がっていると思います。舞台とキャラ、そしてシナリオがマッチしてるんですよね。

というわけで、公式サイトを見て雰囲気が自分に合うと思ったら、そのままプレイしてしまって問題ないと思います。それだけ安心して遊べる作品です。シナリオも王道だし。くっついてからよりも、くっつくまでの描写に重点が置かれているあたり、ギャルゲーというよりはラブコメ漫画に近いものを感じます。

さて、キャラ紹介行ってみましょうか。

~マリー・ルーデル~
ドイツからやってきた魔法少女。天然・ドジ・照れ屋・魔女っ娘と、人気のありそうな萌え要素を兼ね備えているヒロインです。言動・行動がいちいち可愛くてニヤニヤしっぱなしでした。無駄に気合いの入った変身シーンと、その後のマリーのリアクションは必見。

シナリオは彼女の生い立ちが関わってくる、王道ど真ん中なストーリー。ヘタレシーンの多い主人公も、最後でかっこいいところを見せてくれたので満足。

~里村かりん~
主人公の幼なじみ&仕事仲間。一言で表せば「愛すべきバカ」w酷い表現だけど、実際そうなんだから仕方ない…空気読めないシーンも多いため、人によってはイラっとくるかも。

でも、彼女のルートをやればそんな風には思えなくなる…はず。あんまり言うとネタバレになるので、彼女のおバカ設定にはちゃんとした理由があるんですよ、とだけ。ちょっと感動できるお話。

~綾瀬優佳~
主人公の義理の姉。いわゆるツンデレ。デレ成分が増してくる後半はなかなかに破壊力が高いです。序盤は主人公を殴ったりするシーンが多いですからねえ…そのギャップも萌え要素かも。

シナリオは姉弟という設定を活かしたものでした。兄妹はよく見るけど、逆はちょっと珍しいですよね。年齢関係が逆になってる分、定番の「きょうだいなのに~」という部分にひと工夫が加えられています。

~ルゥリィ~
マリーの使い魔。これまたギャップ萌えキャラ。ニヤニヤ度はマリーに並びます。人によってはこっちの方が上かも。とんがってるロリキャラって、結構需要ありそうだし(笑)

そして使い魔という設定は、シナリオの方に関わってきます。彼女の正体と、それを取り巻く人物の思い…泣きゲーとは違いますが、プレイしていて温かな気持ちになれるシナリオだと思います。



各ヒロインの紹介文にも書きましたが、シナリオは「ちょっといい話」多めです。泣きゲーみたいな猛烈な感動や、シナリオゲーみたいな大きな驚きがあるわけではないですけど、安心できる、ほっとするシナリオになっています。

主人公のヘタレっぷりが気になるかもしれないけど、最終的にはきちんと締めてくれるので、そこは適当に流しつつ(笑)進めてしまっていいと思います。基本的にいいやつだし。

こんな感じ。萌え一辺倒とはちょっと違う、読ませながら萌えられる作品でした。雰囲気を味わいつつ、のんびり読み進めていくのが吉。

キャラの好み
マリー>かりん>優佳>ルゥリィ

シナリオの好み
かりん=ルゥリィ>優佳>マリー