やや退屈な部分はあるものの、TRUEルートの面白さは特筆に値すると思う。ぜひとも最後まで攻略してほしい作品。
絶対に最後までプレイしてほしい作品。ヒロインを全員攻略した後に解放されるTRUEルートを見るかどうかで、評価がガラリと変わってしまう作品だと思います。それくらいTRUEのクオリティが図抜けています。個別ルートは普通以上良作未満という感じの出来なのですが(それでも十分凄いけど)、これを見てしまうと評価を上方修正せざるを得ない。
個別で残った謎や不完全な部分を補いつつ、しかも終わり方は僕好みのもの。「別に悪いわけじゃないけど…」という、プレイ当初の僕の認識が一気にひっくり返ってしまいました。さすがオーガストといったところか…10万本売れたのも納得。
そもそも、僕はこの作品にそこまで期待していたわけじゃないんですよね。というのも、以前見たアニメが酷い出来だったから。めっちゃ中途半端な終わり方でしたからね…問題何も解決してないし。で、その中にTRUEルートっぽい話も組み込まれていたので、話の底が浅いなーと思っていたのですが…
ところがどっこい、アニメで取り上げられた部分は、ゲームでの半分にも満たないものだったのです。それどころか、シナリオの根幹に関わる部分がアニメでは省かれていましたし。この作品、本当はここまで作りこまれたシナリオだったんですね…知らなかった。
ゲームはいいけどアニメは…というのはよくあることですし、あまりあてにしない方がいいですね。と同時に、ゲームのアニメ化は先に原作をやってからの方がいいな、とも思いました。中途半端にネタバレを食らった状態だったため、ちょっと楽しみが薄れてしまったかなーと。
アニメへの文句はさておき、もう少し作品の内容について触れていきましょうか。前述の通り、個別ルートの出来はそこそこ。暗い話を扱っているのに、よくまとまっているとは思いますが…前作「夜明け前より瑠璃色な」が良かったからねえ。その分、TRUEで巻き返してますが。
ちなみに、好きなルートはかなでルート。キャラは陽菜。他のキャラもそれぞれ魅力たっぷりですけど。桐葉が可愛かったのは予想外でした(笑)いやあ、ニヤニヤさせてもらった…こういうことがあるから、全ルートきっちり攻略したくなるんですよね。
文章はかなり読みやすいので、雰囲気が苦手でなければとっつきやすいでしょう。前述の通り、話はやや暗めです。別に鬱ってほどじゃないので、そこまで気にすることはないと思いますが。まあでも、もう少し面白い日常シーンを見たかったかなあ…あけるりはその点、仁さんがいましたからね。
あと、脳みそホエホエさんのSD絵が今回なかったのが残念…まあ、今作はそういう雰囲気じゃなかったのかもしれませんけど。あの絵はかなり好きだったので、FDか何かがあれば採用してほしいと思います。そういや、PS3版の制作はどうなってるんだろう…公式サイトの更新がしばらく止まってるような気がするが。
感想としては、こんなところでしょうか。個人的にはまずあけるりをやってみて、気に入ったらFAにも手を出す、という順序をオススメします。ザ・王道だったあけるりとは違い、これは設定にやや癖があるので。