最後の伏線回収が駆け足ながらも、厨二バトルものとしては十分な完成度。主人公の成長していく様子が良い。
厨二バトルものとして評価の高い作品ですが、その評判通りの出来でした。戦闘描写が上手いですし、じわじわと盛り上げていく展開も見事。サブキャラに見せ場多いのもいいですね。
個人的にこの手のシナリオは、主人公が無双するより色んなキャラが活躍する方が好きです。多くのキャラにスポット当たる方が、様々な戦い方が見られますからね。
そういうシナリオ展開と上手くマッチしているのが、「クロスビジョン」というシステム。これについて簡単に説明すると、同じ時間軸上のイベントを、主人公以外の視点から見たらどんな感じなのか、というのを見られるもの。要するに、別キャラの視点でシナリオが進行していくわけですね。
これにより、別キャラがどんなことを考えているのかがわかったり、主人公が動いてる裏でどんなことが起こっているのかを見られるため、シナリオをより理解したり、キャラへの愛着が深まる手助けとなります。これは上手いシステム。
まあ、サブキャラが活躍し過ぎてて、主人公の影が薄かったりするのですが…(笑)まあ、それなりに出番があるのでよしとしましょう。もうちょい前線に出てきても良かったと思いますが。
そんな感じで良く練られたシナリオなのですが、欠点もいくつかあったり。一つは、個別ルートが短いこと。シナリオの95％は共通ルートで、最後がほんの少し違うくらいです。まあ、これに関しては、基本的に一本道で、個別はおまけ、と考えればいいでしょう。この手の作品は個別ルートをしっかり書き分けようとすると、かなり大変になっちゃいますから。
そしてもう一つは、TRUEルートが凄くあっさりしていること。とあるヒロインのルートにて伏線が回収されるのですが、それがただ謎な部分を描写しただけなんですよね。ただ真相を書くだけなんじゃなくて、もっとそれに至るまでの描写をしてほしかったですね。
この作品の締めとなる大事な部分なんですから、もったいぶって書いてしまっても良かったと思います。謎を明らかにして終了、では余韻も何もあったもんじゃない。
ではキャラ紹介。普段はヒロインだけですが、今回はメイン全員について書いていきますよ。ただし個別ルートがほぼ存在しないに等しいので、いつもより一人一人の文章量は少ないです。
～皐月駆～
主人公。最初はただの無気力系ですが、だんだんと頼もしく成長していきます。なのでプレイ開始したあたりはイラっとするかもですが、我慢して進めていくのをオススメ。
～水奈瀬ゆか～
幼なじみ。常に主人公にべったりなところが可愛いです。こういう、主人公との距離の近さを感じられるのが、幼なじみキャラのいいところですよね。実際はもうちょい別の理由もあったりするのですが、その辺はゲーム本編にて。
～草壁美鈴～
めっちゃ強い先輩。これだけ日本刀が似合うヒロインもなかなかいないんじゃないかと。そしてそんな強気で凛としてるキャラが、ふと女の子らしい態度を見せるのがまた良いｗ
～広原雪子～
普段はお気楽、だけど、バトルになると途端に冷酷になる後輩。その理由は本編をどうぞ。ビジュアル・性格ともにあんま好きではなかったのですが、後半のシナリオで好感度が上がりましたね。なんだ、普通にいい娘じゃん。そして、駆よりも賢久の方が似合うと思うのは僕だけではないはず。
～橘菊理～
主人公の死んだ姉そっくりな先輩。その辺りは本編にて…ってこればっかですね(笑)筆談によるコミュニケーション(しゃべれないため)に癒されます。なんか独特の空気を持ってるんですよね。
～百野栞～
ルートがあるわけじゃないですが、主要キャラなのでここで。とはいっても、彼女に関してはネタバレだらけだからあんま書けることないんだよなあ…まああれだ、井村屋さんのロリキャラは鉄板。
～田島賢久～
大食いな熱血系。ちょっとアホっぽいところもあるのですが、それがまた良いです。個人的にかなり好きなキャラ。ぶっちゃけ、主人公より魅力的だと思うのですが…みなさんいかがでしょう？ｗ
キャラの好み(ヒロインのみ)
菊理≧ゆか＞美鈴＝雪子＝栞
シナリオの好みは、ほぼ共通なので省略で。特に推奨攻略順とかもないですが、クロスビジョンはなるべく解放された直後に見た方がいいと思います。
というわけで、終盤にやや不満が残るものの、それ以外は面白いシナリオだったと思います。ほぼ一本道な代わりにそれなりの長さがあるので、攻略する際は時間を確保してから臨むのがよろしいかと。1ルート終わってしまえば、後はあっという間ですが。
あと、最初に書いた通り、PSP版もあります。確か追加シナリオがあったはずですが、そこに関しては詳しく知らないんですよね…まあ、特にHシーンが必要なシナリオでもないですし、今からやるならPSP版の方がいいかもです。