キリスト教的な考えを根幹に置いた、考えさせられる作品。グランドエンドまで、一気に攻略してほしい。
個人的にはかなり面白かった作品です。というのも、扱うテーマが新鮮だったから。
この作品、キリスト教的な要素をかなり多く含むのですが(イベントや、キャラの考え方など)、それが僕にとって真新しくて、興味深く読み進めることができました。ここまで一つの宗教に突っ込んだ作品は珍しいんじゃないでしょうか。味付け的に扱うことはよくあるにしても。
そして、ただキリスト教を土台にして終わりではなく、SFを交えて独自の解釈を加えていることにも好感が持てます。こういう、ライターの思想が見えてくる文章で、なおかつその価値観が自分に合うものだと、スイスイ読めますね。
ですので、個人的にはかなり面白いと思った作品ながらも、癖があるので万人向けではないように思います。体験版をやってみて、空気が合うようなら攻略してみてもいいでしょう。
ではキャラ紹介へ。
~ヒカリ~
間違いなく、この作品のメインヒロイン。重要な伏線は全て彼女が絡んでいると言っても過言ではないような。それだけに、彼女のルートは一番見ごたえがある、面白いシナリオでした。ネタバレだらけになるので、これ以上は書けませんけれども。
性格にちょっと癖がある、というか、いかにもなメインヒロインとは一線を画しているので、彼女のキャラが合わないとこの作品を攻略するのはきついかも。その癖が可愛いところなんですけどね。
~春日井なずな~
お菓子作りの得意なおっとり系。ヒロインの中で唯一、主人公と面識があることから、他の作品での幼なじみ的なポジションにいるキャラです。幼なじみではないんですけどね。
のほほんとしてるのですが、中にはちょっと複雑な部分もあって…と、そんな彼女の内面に、個別ルートでは触れることになります。割とよくある設定だとは思うのですが、そこを受け入れられるかが、彼女を好きになるかどうかの分かれ目になるような気がします。
~夜咲星見~
恥ずかしがり屋な武道少女。なんというか、一番「萌えポイント」がはっきりしているヒロインでした(笑)人気投票で一位なのも納得。個別ルートも丁寧な作りだったし。
前述の通り、個別の描写は丁寧。2人の距離が近づいていく様子や、クライマックスに至るまでの流れがすっと入ってきました。ヒカリルートに次いで完成度が高いんじゃないでしょうか。
~南雲岬~
動物系な先輩。というか、実際にネコミミ生えてる立ち絵があるwまあ、基本的にはギャグ担当でした。そして突っ込まれた時の反応が可愛い。先輩だけどあんま先輩っぽくないのがいいところだと思います。
ルートは彼女の兄をはじめとした、家族についての話。ひねくれ者の彼女が心を開く様子は必見でしょう。岬先輩の一風変わったツンデレがいいなと思ったときには、もう彼女の魅力にどっぷり漬かっているはず…?w
攻略できるヒロインはこの4人なのですが、他のキャラも非常に魅力的です。ライバルとなる生徒会メンバー、姉の旭、教会のノアとユダなどなど…時と場合によってはヒロイン勢を食うくらいの勢いで目立ちます。
こういう魅力的なサブキャラが存在することも、この作品の評価を上げる要因になっていると思います。主人公も頭の回転が速くていいやつだし。というより、この作品は基本的に頭いいやつが多い気がします。
今までキャラとシナリオの話ばっかりしてましたが、この作品の一番の見どころは水回りの演出だと思います。水面がキラキラ光ったり、波が寄せて返したりします。基本的に静止画ばかりなエロゲにおいて、この動きの良さ、綺麗さのレベルは素晴らしいです。
ぶっちゃけ、この演出見るだけでも買う価値あるかも…とも思ってしまいます(笑)もちろん、シナリオを楽しんでほしいですけどね。
というわけで、レビューは以上。体験版をやって気に入ったなら、ぜひとも攻略してほしい作品です。
キャラの好み
星見≧ヒカリ=岬=いろは
全員可愛いので、順位決めきれない…
シナリオの好み
ヒカリ>星見>岬>いろは
こちらは割とすんなり。全部面白かったですけどね。