設定と伏線回収が見事。全てのルートで終わった後に唸らされた数少ない作品。
シナリオの展開と、全体の構成が上手い作品でした。張られた伏線の回収の仕方が丁寧で、しかも破綻なくまとまっているのが見事。
割と長い作品なのですが、個別ルートと絆語り(伏線回収シナリオと思ってください)を分割することで、中だるみすることを防いでいます。おかげで勢いに乗り、一気に終わらせることが出来ました。
主人公の秘密や、ヒロインとの繋がり、そして真ルートとなる土地神の謎…いやあ、本当に感心させられるばかりでした。読んでいて面白いと素直に思える作品ですね。
個人的にいいと思ったのは佳華ルート。決着の付け方が一番上手かったと思います。一歩手前の○○(ネタバレのため伏せ字)とのシーンがあんなに重要だったなんて…まさかあーいう風に繋がるとは思わなんだ。
ってな感じでシナリオの根幹はしっかりしていますし、ヒロインも非常に可愛いです。個人的には捺菜がクリーンヒットでした。あの可愛さは反則すぎる…幼なじみ+遠野そよぎさんボイスとか、僕を狙い撃ちしてるとしか思えないw
他4人もそれぞれの萌えポイントがあり、思う存分ニヤニヤさせていただきました。ってことで、萌えゲーとしても優秀だと思います。あれ、この作品無敵じゃね…と思いきや。
流石に欠点なしってことはなく、康介の扱いがあまりに酷いとか(CLANNADの春原みたいな活躍が欲しかった…)、とあるルートでのとある人物が豹変し過ぎだとか。あと、月音ルートだけ文章の雰囲気がだいぶ違ったので、そこは統一してほしかったとか。
…とまあ、文句もいくつかありますが、全体的な面白さと比べれば些細なことです。元々良作だという評判は聴いていましたが、予想以上の出来でした。これは個人的には名作に入れてしまってもいいレベル。