個々の要素を見ると目新しさは無いのだが、それを素晴らしくやさしい雰囲気にまとめている。哲学的な話を扱いながら説教臭くないところにも好感。
扱っている要素は、自我をもったロボットとと人間の関係とか、ハッキング戦などどこかで見たものばかりなのですが、それらをうまくつなぎ合わせて非常にやさしい雰囲気のゲームにまとめているのには感心しました。起きる事件はルートによって違いますが、どれも後味良く終わり、変な重苦しさが無いのも好感触。
主人公の周りにはギャルゲーだけに女性がいっぱいいるのですが、主人公の性格が爽やかである上に友人や大人たちが良い役回りをしているので、よくあるハーレムゲーのように鼻に付くことはありませんでした。
また、普段私はHシーンはスキップしがちなのですが、ちゃんと必然性のあるシーンになって(少なくとも朗とフロゥは)いたと思います。特に朗とのHシーンのテキストは良い意味でムードも何もない感じで、大笑いさせてもらいました。Hシーンで大笑いした「ゆきうた」の菜乃シナリオ以来かも知れません。兄妹兼恋人という間柄が良く表現できていたと思います。
少し残念なのは、もうちょっと級友達の活躍の場を増やしてあげても良かったのかな、というのと、幼馴染6人が集合するまでをもう少し引っ張ってやっても良かったのかなという点ですかね。級友達もフルボイスだったので、そこらは大人の事情なのかも知れませんが。
メインヒロイン？のしねまが攻略対象じゃないところに賛否両論あるようですが、私はこれでよかったのではないかと感じました。
次回作には大いに期待なのですが、ちょっと心配なのは今回ライターの方がかなり力を入れて書いていたようなので、燃え尽きて失速しないかという点。是非ともまた力の入ったシナリオを読ませてもらいたいです。