現代版白雪姫ですか?いいえ、厨二病患者版白雪姫です。
評価が難しいゲームです。ひとつ言えるのは、ヒロインに萌えるタイプのゲームではなく(エロシーンを楽しむタイプのゲームでもないですが)、厨二的テンションを楽しむゲームです。幻想殺しと書いてイマジンブレイカーと読むようなノリや、並行世界が云々とか大宇宙の意思がみたいなのに耐性がないとかなり苦痛なので、体験版は購入前にプレイしておくことをお勧めします。体験版のセーブデータを引き継げるのは親切設計。
シナリオに関しては、真・体験版範囲の1週目はシナリオ自体にプレイヤーを引き込む魅力があり、ヒロインと結ばれる過程もそれなりに納得できるものなのでした。私は体験版をやって購入を決めたわけですが、この後しばらく「体験版詐欺か?」と感じざるを得ない状態になります。
2~4週目はヒロインに魅力がないワリに他のキャラとの絡みが1週目より激減するためシナリオ自体も薄く、ほぼ作業ゲーと化します。ヒロインと仲良くなる過程もほとんどやっつけ作業。ただ痛い厨二ゲー状態です。
最終ルートに入っても中盤あたりまではこれまたメインヒロインの白雪に魅力が無いため、しばらくはつまらない展開が続きます。
幸いにして、白雪の能力復活後は一気に物語のテンションが戻ってきます。1週目中盤以降の幻想纏衣できない白雪はほぼ空気状態で、あれ、いたの?という感じでしたが、ここからやっとヒロインらしさを発揮します。
そして 最終盤で主人公も幻想纏衣できるようになり、物語のテンションも最高潮になり、最後はオラにみんなの力を分けてくれ的展開で超大団円にて完結。ご都合主義感は否めないですが、鬱要素が何一つ残らないため読後感は良くも悪くもスッキリしていました。
…なぜこんなことになったかといえば、全般的にヒロインに魅力が無いのが原因でしょう。攻略可能ヒロインはほぼ全滅。ヒロインであるはずの白雪ですら終盤までほぼ空気。氷見歌はマシンガントークに支えられて彼女自身のルートでは存在感を示しましたが…。
逆に存在感があったのはドロンジョ様こと白雪ママ。野郎キャラだと学園長。結局物語りのフィクサーはこの二人でした。
バトルシーンの分量が多いのですが、敵キャラのバリエーションが非常に少ないのは大きなマイナス。インオーガニクとか言う雑魚キャラは、手抜きと断言してよいレベル。終盤のボスキャラ使いまわしも酷すぎて笑ってしまうレベルでしたし。
あと、主人公が戦いに身を投じる理由は、妹を救いたいが故なのですが、ご都合主義的に解決してしまうため感動とか達成感が感じられなかったのも残念。序盤は主人公の持つ悲壮感が伝わってきただけにもったいなかったです。いっそ妹自体が攻略対象だったらまた評価が違ったのかもです。