意外や意外、今までの姫様モノの中で一番現実的。雰囲気も良好。ただ、ルートによってシナリオのレベルが違いすぎるのが難点。
結構酷評されているようですが、思ったよりも良かったです。全般的にいろいろと問題は起きても、本当の悪人はいないため不快になることなくやさしい雰囲気の中で物語が進んで行きます。
特に瑠波ルートと操ルートに関しては文句なしに楽しめました。この２つのルートは表と裏の関係にある感じで、どちらも王国の在り方が深く関わってきます。個人的には操ルートの方が現実的解法なのかなと感じました。
ただ、他の２ルートに関しては、ちょっと残念な感じでした。
澪里ルートは、1枚絵が良い意味でありふれた青春の心象風景を切り取ったものが多かったのですが、シナリオがそれに対して見劣りしましたし、希ルートに関しては全く擁護できるレベルにありません。瑠波ルートが王国を取り巻く人々による「やさしい茶番」であるのに対し、希ルートはもうチラシの裏に書き殴ったような茶番。主人公の進路についても、操ルートは現実的かつ好印象だったのですが、このルートに関しては何故そうなった？という違和感が強かったです。グラフィックは良い雰囲気のものが多いのに残念でした。
フルプライスで、楽しめるシナリオが2/4であると考えると、新品での購入はちょっと躊躇ってしまうところです。中古やバーゲン等で半額以下で入手できるのであれば買って損はしないかなと思います。