残念ながらループ物の悪い代表作になってしまった。グラフィックは綺麗だったので、次回作はシナリオにも力を入れてほしい。
体験版の範囲(佳織ルート)は起承転まで結構引きつけられるシナリオ展開だったのだが、体験版の範囲を出た瞬間にシナリオがグダグダに…。
ループ物の醍醐味は、いろんな側面から事件を見たり、ループを繰り返すごとに変化する世界だと思うのだが、愛理・先輩ルートにはそれがほとんど感じられずじまい。
ゆいルートでやっとループ物っぽくなったのだが、事件の原因に全く意外性がなく肩すかし。
最終ルートのY.U.I.S.ルートは正直蛇足な感じ。そもそも佳織ルートの延長線上にあるはずなのに、主人公があっさり佳織を振っている(それも比較的女性に対して真面目な主人公が結ばれて以降に)のが酷い。
今回の事件の原因は主人公が佳織を救おうとしたのが発端なのに本末転倒という感が。
本編中ではそれなりの嫉妬深さを見せた佳織がそれをあっさり受け入れているのにも違和感を感じた。
そして何よりもAnotherルートがループ物の存在意義を徹底的に破壊している。あそこまで強敵であるはずの「因果」を選択肢一つで簡単に回避できました、ってそりゃあんまりでしょう。せめてTrueを見た後とかにしてほしかったです。
映画の予告編がとても面白そうで映画館まで足を延ばして観てみたら駄作でガッカリ、という感じです。
ただ、グラフィックの美しさに関しては異論はありませんので、次回作に期待します。
[追記]
遅ればせながらシュタインズ・ゲートをプレイして、このゲームが超劣化版シュタゲといわれる所以がよく理解できました。まぁ比較するのも失礼という次元なんですが…。
ライターの力量は重大ですね。