おそらくエロゲーのコンシューマ移植で一番の成功例だろう
CS移植で原作を超えたと言うのは難しいが、この作品はそう言っても過言ではないかもしれない。
LeafがPC逆移植した最初のゲームってのもその証明だろう。
しかもToHeart2は元々そのつもり絶対あったやろって感じだし。
まず、グラフィック面が非常に進化している。
水無月徹の全盛期で、可愛いながらもあの特徴あるところを残しつつ、非常に洗練されたいわゆる
万人受けするタイプの絵柄になっている。
この人のタレ目っぽい顔が好きなんだよなー……こういう絵描く人、今でもなかなかいないよね。
次にシナリオ、特にCS移植における一番の問題であるエロの処理について。
エロが無くなったのは確かに痛い、これをもってCS移植は論外とする意見もわからんではない。
だが、ToHeartに限ってはその事でむしろ良くなっている点がいくつもあるのだ。
志保、理緒辺りはPC版の話がエロ関係でお粗末すぎたし(そのせいで人気にも影響してる気が)、
委員長、琴音辺りは主人公がベッドヤクザだったりヒロインが中出し強制させてくる体位だったりと
なんかエロになってキャラ崩壊するような部分が多く、違和感を覚えていた。
それらが、エロが無くなる事で解消されているし、特に理緒なんかは大幅なシナリオ改訂によって
PC版なんかよりずっと良い話になっていると思う。
エロがなくて話のインパクトが減ったのは、あかりくらいではなかろうか。
あれも主人公が勃起しないから、くっ付いた後にいったん仲違いするっていう展開にわかりやすい
理由があるってだけで、シナリオの質自体はCS版も劣ってはいない。
また、直接的なエロは無くても、作品全体にほのかなエロスは残している。
葵ちゃんをブルマにしたのは完璧にアタリだし、この娘をマッサージする時とか、綾香との出会いで
パンツ見たり、膝枕されたりなんてシチュは、CSターゲット層の中高生ならすげードキドキしちゃう
"いやらしさ"があるのである。
話戻っちゃうけど、水無月の絵がこのそこはかとないエロさにとても貢献している。
あかりとかパジャマで寝てるCGだけで超エロいし。
この人の描く、服の上からわかる胸のふくらみは、やりすぎ感がないのにエロくてすげー好き。
声についても触れる。
原作はボイスなしだったのだが、今作はフルボイスで、また声優陣も完璧な布陣だ。
豪華なベテランから当時無名の人までいるが、ホントどのキャラも合っているし、巧い。
セイバーとかあるけど、今でもあかりこそが川澄綾子の代表キャラだと思うのだが如何だろうか?
あと久川綾とか氷上恭子とか岩男潤子とか……もう今では信じられんメンツである。
最後にミニゲームが面白いのにも触れておく。
シューティングなんか結構やり込み出来るレベルで面白いし、HeartToHeartも非常に遊べる。
Leaf(AQUAPLUS)は今でも格ゲー作ったりSLG作ったりしてるが、多分本当はシナリオがいいだけの
紙芝居よりも遊べるゲームを作りたいんだろうなぁ。
基本的にCS移植作は評価しないが、この作品だけはマジで原作超えてるレベルなので得点をつけた。
100点じゃないのは原作へのリスペクトであって、個人的には死ぬほどやった最高のゲームである。
勿論、今からやる人にはどうなんだろうとは思うけれども。