尖り具合に期待していたけど、うーん……
エロゲってたまにこういうキツそうなのが出るので、今作はどうかなと期待しつつプレイ。
スタッフが同じという『ユーフォリア』もプレイしてたけど、個人的には評価されてるらしいシナリオ部分が
ドンデン返しというよりトンデモにしか思えなくて、ビミョーだった。
ただ、それでも今作に迷わず突っ込んだのは、偏にキャラデザに惹かれたから。
こういうリアルっぽい等身の絵柄で、エログロって貴重だと思う。
内容は……うーん、まあ、ただひたすら暗いだけのじめーっとした話を延々と見せられるというもの。
爽快感? カタルシス? そういうのホントに無くて、何の力もない一般高校生男児が狂ってる組織に
翻弄されまくって悲惨な目に遭い続けるという。
映画『ホステル』なんかはもうちょっとトンデモで突きぬけてるから、一種の笑える部分もあるのだけど、
このゲームはほんとそういうのがなくて、ただただため息が出るような話ばかり。
過去に実際にあった胸糞事件の詳細とかを読んでて、気分が落ち込んでくるのに似ている。
ただ、それも実際にゲボ出るようなスゴさってわけじゃなく、なんか中途半端な印象。
詰んでる感満載で、実際に悲惨な展開なんだけど、細かい部分でボカされてるというか、詰めが甘くて、
どん底の気分に落ち込む前に話が淡々と進んで、そして終焉を迎えてしまう。
TrueENDも、えぇ? なんじゃそりゃ……みたいな唐突な展開で、ガッカリだった。
ザッピングを用いて多人数の視点で話が進行して行くのも面白い試みだけど、そのせいで一つ一つが
掘り下げられるのではなく、なんだか焦点の合わない感じになってしまってるのがホント惜しい。
一例として、最後のヒロインの視点は、もう少し前のとこから見たかったかなぁ(追加ルートでいいから)
キャラ変わり過ぎにしか思えないよあれ(いや、まあ脳内補完は出来るけど)
他の点にも触れると、ほんと雑というか、首をかしげる部分が多い。
明らかにシーン挿入が間違ってる(シーンの繋がりが変)とか、音声バグとか、誤字脱字とか。
ヒロインに「愛」ってのがいて、愛を名字の「神村さん」に変換するさいに置換機能を使ってると思われるが、
「神村さん撫(愛撫)」とか「神村さんしい(愛しい)」とか、笑いを取りに来てるんかというような誤字が……
しかもこれ、結構いいシーンだったりするんだぜ……
そして一番許せんのは、一番期待してたCGだったりする。
グロとかが規制で引っ掛かったのか、一部黒塗りで明らかに演出不足なのはまあしょうがないとして、
発売一週間前くらいに複数原画であることを発表って、マジで舐めてるのって思う。
いや、別にゲンガーの超ファンってわけでもないし、CGの質がちゃんとしてれば文句はないのよ。
でも、エロシーンごとにキャラの造形が違うレベルでバラついてるってどうなのよと言いたい。
特に紗英子と心音と芽生は酷い。
多くが俺の期待してた等身高い感じの絵柄じゃなくて、安っぽい萌えキャラみたいになってる……
メインゲンガーが描いてる立ち絵とかCGは素晴らしいのに、これはほんと残念だった。
なんとなく開発環境が逼迫してるのは見てとれるし、きっと規制に掛かって描き直しとかしてるうちに
こんな手段を取らざるを得なくなったのではと想像できるが、それにしてもなぁ……
もうちょい、どうにかしてほしかった。
いっそキャラごとに原画分けてくれたら、この違和感もなかったろうに……
なんか悪口ばっかり書いてきたが、それでも一部エロシーンがドツボだったので、この評価である。
結局、スタッフも言い訳気味に言ってるけど、このゲームは抜きゲーで、その点では使えたのでよしとしたい(投げやり)
キッツいシチュも結構あるけど、その中でも筆頭候補であろう下痢便まみれの体面座位が個人的には最高だった。
スカOKな人でも一瞬引くレベルだが、今作のベストではないかというほどにエロい。
CGも、渾身の出来である。
あくまでグロスカの部類なのでオススメはしないが、イケる人は是非そこだけでも見て欲しい。