グラフィックは素晴らしい。音楽もよい。声が入ることを拒んでいたくちだが、やってみて大きな違和感もなく進められた。だが、いい作品とは決して言えない。
ゲーム、つまりエンターテイメントとして見た場合、これは駄作に分類されると思う。私はロミオ信者なので、得点は高めにつけさせてもらった。らしさは出ていたと思うが、ロミオのオナニーのような作品であることは否めない。
結果として、ここの会社でこれを作ったロミオが全権力を握った独壇場のようなものだ。いずれにせよ、賛否両論になることは確かだと思う。
難解な文章、後半に進むにつれて増えていく伏線、そしてその伏線が完全に解き明かされることもなく、終わり。
なんだこれ? と思う人も多いと思う。私は自分なりの解釈を以ってこのゲームを了としたが、クロスチャンネルなどの作品のように終わってからの感慨は、この作品で湧くことはなかった。
田中ロミオというライターの雑学やらその知識の豊富さは正直、博学だと驚かされる次第で、それをふんだんに盛り込んだ今作は、冗長だった。なるほど、と感心はすれども、本当にこれが必要か? と思うものも多く見受けられた。不親切である。
人によっては、ただ難解な文章を羅列しただけにしか感じないだろう。いい意味でも悪い意味でもそういう作品なのだろう。素晴らしいと両手を叩いて褒められるようなところは、一切ない。
理解はできたが、納得はできない。
エンターテイメントとは何か、と問われたときにこの作品は絶対表には出ないだろう。ここまで俗っぽさを突っぱねた馬鹿げた作品を見たことはない。
客観的な意見を述べたが、個人的にはよいものだったと思っている。
ただやはり、ロミオというライターは極端なものしか書けない人なんだ、と再認識した次第。