一周目:萌えゲー→二周目:バカゲー→真√:燃えゲー
カードを集めながらヒロインを攻略する少し変わった萌えゲーだと思っての購入で、事実途中まではその通りでした。
共通で「段取りズム」に則ってヒロインとの仲を進展させ、共通ラストに告白をして晴れて恋人同士に、というところで一旦エンディングが流れます。
そしてステディモードで恋人になったヒロインを選択し、タイトル画面からそのヒロインのエピソードを選ぶと個別シナリオが開始されます。
これは特に山場もなく、ひたすら恋人といちゃいちゃしながらエッチするだけの一般的な萌えゲーといえるでしょう。
ここまでをヒロインの数だけやればシーン回想は全て埋まってしまいます。ただエッチシーンだけが見たい人はここで終了するのもいいでしょう。
しかし! このゲームの面白さはまだまだこんなものではありません。
ヒロインを全員攻略し終えたならば結構な数のカードが溜まっていることでしょう。そして一周目ではカードが無くて選べなかった選択肢がたくさんあったはずです。
この二つの要素から導き出される結論は……? そうです、二周目ですね。
クロノカードを集めた律君にはもはや敵などいません。「段取りズム」などといったものはプレイヤー側からの介入によって意味を成さなくなるのです。
すなわち、出会って数日も経っていない先輩に「パンツを見せてください」と頼んでみたり、転校してきて間もない幼馴染のおしっこを飲んでみたり、催眠術(のような魔法)によってヒロインを洗脳して、キスさせたり足をなめさせたりエッチしたり、これまた幼馴染と突然エッチしたりとやりたい放題です。
基本的にこれらのシーンにはCGは無いのですが、先輩の奴隷になってSMプレイをするENDや、学園でハーレムを築くENDではCGもエッチシーン(回想には登録されませんが)もあります。
とかくこのゲームはEND数が無駄に多いため、カードを集めたら選択肢を総当たりすることになります。
その中には本来その時点では知りえない情報があったりして、そのカードを選ぶとヒロインの反応が妙になるのです。
その時点では特に気にも留めなかったのですが、今思えばそれすらも伏線だったのですね。
とにかく共通を各ヒロイン分二周すると、カードはかなり集まっているはずです。そこまできたら後は真√を攻略するのみです。
ヒロインの妙な反応の理由とは? クロノカードは何故周回しても引き継げるのか? オリエッタの記憶が一部失われている理由は? オリエッタはどうして「姫」なのか? イスタリカ像がオリエッタに似ているのは何故? そして製品版とは全く関係の無さそうな体験版を出した意図とは?
真√ではこれらの疑問に全て答えてくれます。
とあるキーアイテムを見たことによって忘れていた記憶を思い出し、自分たちがループしていることを知った律たちは、このループを終わらせるため、そしてとある人を助けるために行動します。
しかしそこに立ちはだかる教師陣。イスタリカの元へ行くというのならば自分たちを倒して行け、ということでヒロインズv s教師陣のバトルが開始します。
そこで活躍するのが周回に周回を重ねてたんまりと溜まったクロノカード。ヒロインズはこのカードを駆使して教師陣を倒します。
今までに重ねてきた経験(=周回数)が足りなければ負けてしまう可能性があるので、ここに到るまでには最低でも二周はした方がいいでしょう。
教師陣を打倒したら、後はイスタリカを助けるだけです。クライマックスなので詳しくは書きませんが、ここでもクロノカードが大活躍で、特にオリエッタと紡いできた記憶が重要な役割を持ちます。
ランディの台詞にもありましたが、真√ではこれまで歩んできた軌跡が無駄にならず、その全てに意味が与えられるので、ループゲーとしては結構な出来なのではないでしょうか。